日本VS異世界国家! ー政府が、自衛隊が、奮闘する。

スライム小説家

文字の大きさ
29 / 104

閑話 不満の高まり

しおりを挟む
『戦争反対!戦争反対!』
『須賀は辞めろーーーーっ!』

『このようにデモが国会議事堂や首相官邸前で行われており、国民の政権への不信感が高まっていることが………』

 ピッ。

 テレビのチャンネルが変えられる。

『悪の怪人、ワールめ!私達きゅいん♡ララキュア♡の絆の力を見せてあげる!行くわよ皆!』


「なんだい悠里。せっかくお父さんがニュースを見ていたと言うのに」

 テレビでニュースを見ていた中年の男が不満げにそう話すと、中学生の少女が言い返す。

「だって、いっつもおんなじニュースばっかでつまらないんだもん。せんそーはんたい、せんそーはんたいってちょっとクドイって」

「仕方ないよ。こんなの侵略だって考える人は多いし、経済がガタガタの状況で戦争なんてとんでもない、って皆考えてるのさ。そんな金があるなら私たちに支援しろ!とも思ってそうだけどね」

 ピッ。

 そう中年の男は言ってチャンネルを元に戻す。

『つづいて、今月の消費者物価指数ですが………』

「にしても、なんでこんなに景気とやらが悪いの?」

 少女がそう質問をする。

「外国との貿易が一切できなくなっちゃったし、石油やレアメタルがほぼ入ってこなくなっちゃったからねえ。食糧はクラートからの輸入でしばらくしたら何とかなるらしいが………」

「難しいなー」

「まあ、石油は備蓄がまだあるし、リマ国とかいう国にいっぱいあると噂されているから、何とかなりそうな気もするけどね。レアメタルはなんだか政府が調査を国内やクラートでしているそうだけどそっちはどうなのかなー」

「おーい、お父さんもっと簡単に話してよー」

「うーむ。悠里にはまだ早いかもなあ」

「えー。なんか馬鹿にされてる感じー」

 そんな風に二人がリビングで話していると、台所から声が。

「ご飯出来たわよー」

「はーい、今行きまーす。お父さんもいこ?」

「ああ、分かってるよ」

 二人ともテレビの前から離れて、食卓の方へ向かう。

『今月に入って倒産した企業はすでに2000を超えており、半導体事業で有名な太陽電子も………』

 クラートからの食糧輸入の開始は速くても一か月後、資源は全く入ってこず、貿易も完全ストップ。経済は過去最悪の勢いで悪化しており、企業も倒産だらけ。世間ではオイルショックやリーマンショックのときより酷いとさえ言われている。
 それに追い打ちをかけるように、戦争である。

 誰もが、明日への希望を見いだせていなかった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜 

八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。 第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。 大和型三隻は沈没した……、と思われた。 だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。 大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。 祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。 ※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています! 面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※ ※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

TS? 入れ替わり? いいえ、女の身体に男の俺と女の俺が存在しています! ~俺の身体は冷蔵庫に保管中~

ハムえっぐ
ファンタジー
ある朝、目を覚ますと、鏡に映った自分はなんとセーラー服の美少女! 「なんだこれ? 昨日の俺どこいった?」と混乱する俺。 それもそのはず、右手がマシンガンに変形してるし! 驚きつつ部屋を見回すと、勉強机もベッドも昨日と変わらず安堵。 でも、胸がプルプル、スカートがヒラヒラ、男の俺が女の俺になった現実に、完全にパニック。自己確認のついでに冷蔵庫を開けたら、自分の男の肉体が冷蔵中! 頭の中で「女の俺」がささやく。 「あの肉体にマシンガン撃てば、君が私から出られるかもよ?」って。 「え、俺が俺を撃つって? それで俺、再び男になれるの?」と考えつつも、「とにかく、この異常事態から脱出しなきゃ!」と決意。 さあ、俺がどうやってこのカオスから脱出するのか、そしてなぜ冷蔵庫に男の俺がいるのか、女子高生になった俺の戦いがここに始まる!

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...