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36話 明暗
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クラート王国 ギムイラ城
クラート王国の首都にあるこの城で、国王が部下たちと会議をしていた。
「陛下。日本がインベルドの戦争に勝利をしたそうです!」
「ほう………宜しい。戦勝祝いの文書を送れ。それと、予定通りに祝宴を開け。日本の大使も招いておくのだぞ」
クラート王国の最高指導者であるファーマは、日本勝利の報を受けて様々な準備を始めていた。
「あまり、驚かないのですね」
部下の一人が、そうファーマへ言った。
「当然だ。かの国と国交を結んで一か月。その短期間で我が国は大きく変わったからな」
あっという間に舗装されていく道。クルマというとんでもない速さで動く機械。それらはクラートにとってあまりに大きい変化だった。
「なんでもこれからはさらに【テツドウ】なるものがつくられたり、巨大な港が整備されるらしいですからなあ」
「しばらくすれば巨大な飛行物体が出入りする【クウコウ】というのも出来るそうだ」
「大量に余っていた食糧を渡すだけでこれとは。日本様様ですなあ」
魔力のある土地では食糧など大量にとれる。それこそ貯蓄しきれず廃棄をするほどに。それらを引き取ってくれるだけでも有り難いのに、その対価として様々な交通の整備が行われているのだから、とんでもないメリットがクラート王国にはあった。
「そういえば、石油の件でカーラ王女殿下に日本から感謝状が贈られるそうです」
「おお、それは儂も見に行きたいな」
日本から、車と同時に石油やガソリンについての情報もクラート王国へ入ってきたのだが、その際にリマ国にあるのでは?と言いだしたのは他ならぬカーラであったのだ。
「もともとリマ国では燃える液体が時折見つかるという噂がありましたが、あれが役に立つものとは思いませんでした………流石カーラ王女殿下でございます」
「まあ、日本からの心証が良いのは今後役に立つだろう。カーラには今後も日本との交渉を任せよう」
「おお!」
「さらに大きな外交成果が出ることに期待できますなあ!」
クラート王国は、日本から入ってくる様々なモノや技術で、大きく飛躍をしようとしていた。
―――――――――――
リマ国 マール城
インベルド王国に占領されていた、リマ国の首都マール。戦争が終わり、インベルド王国からから解放されたものの、傷跡は深かった。
「ずいぶん、ボロボロになってしまいましたね………」
「は、はい。しかし陛下。我々の手でこの歴史ある城を復興させていきましょう!」
代々リマ国の国王やその家族が住む、マール城は本来なら優雅な雰囲気のある優れた建築物だった。しかし、今はその見る影もない。
そんなマール城の王の間で、新しい王に即位したサンドーラとその配下たちが今後について話し合っていた。
「首都マールの復興についてですが人手が足りておらず………」
「インベルド王国からの賠償金ですが二ホンが猶予を求めているため支払い時期はかなり先になるかと思われます」
「軍の統率は上手くいっておらず風紀に乱れが生じており、犯罪を犯す者もちらほらと出てきております。ここは引き締めをするために………」
「二ホンの連中に魔法結晶の鉱山の権利が移ったため、採掘が出来ておらず………」
「二ホンから来た連中ですが、例の燃える液体についてばかり調べています。こちらの復興の援助はほぼないと思った方がよろしいかと思われます」
(国はボロボロ、鉱物資源の権利は全部日本に取られた………国王陛下やお父様も皆死んで残ったのは政治の素人ばかり。この国はもう滅んだも同然ですね………)
他の高位の貴族や王族が皆死んだためにサンドーラは国王となったが、彼女にはまったくやる気など無かった。
(これならいっそ、あのままインベルド王国から隠れて反撃の機を窺っていた、あの頃の方がマシでしたね)
「陛下!聞いていらっしゃいますか?この案はどうでしょうか?」
「………良いんじゃないですか、それで」
(だれか、この座を変わってくれる人がいれば良いのですが。無理そうですね)
彼女の憂鬱な日々は、始まったばかりである。
クラート王国の首都にあるこの城で、国王が部下たちと会議をしていた。
「陛下。日本がインベルドの戦争に勝利をしたそうです!」
「ほう………宜しい。戦勝祝いの文書を送れ。それと、予定通りに祝宴を開け。日本の大使も招いておくのだぞ」
クラート王国の最高指導者であるファーマは、日本勝利の報を受けて様々な準備を始めていた。
「あまり、驚かないのですね」
部下の一人が、そうファーマへ言った。
「当然だ。かの国と国交を結んで一か月。その短期間で我が国は大きく変わったからな」
あっという間に舗装されていく道。クルマというとんでもない速さで動く機械。それらはクラートにとってあまりに大きい変化だった。
「なんでもこれからはさらに【テツドウ】なるものがつくられたり、巨大な港が整備されるらしいですからなあ」
「しばらくすれば巨大な飛行物体が出入りする【クウコウ】というのも出来るそうだ」
「大量に余っていた食糧を渡すだけでこれとは。日本様様ですなあ」
魔力のある土地では食糧など大量にとれる。それこそ貯蓄しきれず廃棄をするほどに。それらを引き取ってくれるだけでも有り難いのに、その対価として様々な交通の整備が行われているのだから、とんでもないメリットがクラート王国にはあった。
「そういえば、石油の件でカーラ王女殿下に日本から感謝状が贈られるそうです」
「おお、それは儂も見に行きたいな」
日本から、車と同時に石油やガソリンについての情報もクラート王国へ入ってきたのだが、その際にリマ国にあるのでは?と言いだしたのは他ならぬカーラであったのだ。
「もともとリマ国では燃える液体が時折見つかるという噂がありましたが、あれが役に立つものとは思いませんでした………流石カーラ王女殿下でございます」
「まあ、日本からの心証が良いのは今後役に立つだろう。カーラには今後も日本との交渉を任せよう」
「おお!」
「さらに大きな外交成果が出ることに期待できますなあ!」
クラート王国は、日本から入ってくる様々なモノや技術で、大きく飛躍をしようとしていた。
―――――――――――
リマ国 マール城
インベルド王国に占領されていた、リマ国の首都マール。戦争が終わり、インベルド王国からから解放されたものの、傷跡は深かった。
「ずいぶん、ボロボロになってしまいましたね………」
「は、はい。しかし陛下。我々の手でこの歴史ある城を復興させていきましょう!」
代々リマ国の国王やその家族が住む、マール城は本来なら優雅な雰囲気のある優れた建築物だった。しかし、今はその見る影もない。
そんなマール城の王の間で、新しい王に即位したサンドーラとその配下たちが今後について話し合っていた。
「首都マールの復興についてですが人手が足りておらず………」
「インベルド王国からの賠償金ですが二ホンが猶予を求めているため支払い時期はかなり先になるかと思われます」
「軍の統率は上手くいっておらず風紀に乱れが生じており、犯罪を犯す者もちらほらと出てきております。ここは引き締めをするために………」
「二ホンの連中に魔法結晶の鉱山の権利が移ったため、採掘が出来ておらず………」
「二ホンから来た連中ですが、例の燃える液体についてばかり調べています。こちらの復興の援助はほぼないと思った方がよろしいかと思われます」
(国はボロボロ、鉱物資源の権利は全部日本に取られた………国王陛下やお父様も皆死んで残ったのは政治の素人ばかり。この国はもう滅んだも同然ですね………)
他の高位の貴族や王族が皆死んだためにサンドーラは国王となったが、彼女にはまったくやる気など無かった。
(これならいっそ、あのままインベルド王国から隠れて反撃の機を窺っていた、あの頃の方がマシでしたね)
「陛下!聞いていらっしゃいますか?この案はどうでしょうか?」
「………良いんじゃないですか、それで」
(だれか、この座を変わってくれる人がいれば良いのですが。無理そうですね)
彼女の憂鬱な日々は、始まったばかりである。
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