日本VS異世界国家! ー政府が、自衛隊が、奮闘する。

スライム小説家

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24話 駆け巡る衝撃①

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 アグレシーズ帝国 帝国軍統括機構

「な、何だと!?」

 アグレシア大宮殿の隣には城のような豪華な建築物である『帝国軍統括機構』が存在する。
 世界でも最上位クラスの規模と質を誇る帝国軍を指揮する本部であるそこで、一人の男の驚いた声が響いた。

「二ホンへ侵攻した艦隊と連絡が取れない、だと!?」

 男の名はシャーカー。帝国の軍部大臣を務めている。

 そんな彼の声に、部下であるセリアも動揺を隠せない様子で報告を続ける。

「は、はい………勝ったにしても万が一負けたにしても、アークドラゴンがサーベルト基地に結果を報告するために来るはずなのですが一向に来ません………」

「む、むむむ。魔法通信は距離が遠すぎて無理であろうし、確認のために艦隊を派遣してもだいぶ時間がかかるであろうな………あちらからの報告を待つしかないわけだが………」

「その報告が来ておりませんゆえ、何らかの問題が起きたと思われます」

「こ、これは困ったな………そ、そうだ!アークドラゴンを向かわせて艦隊の確認をすれば良いのではないか?」

 シャーカーがそんな考えを言ってみるが、セリアが即座にこう返す。

「それなのですが、すでにサーベルト基地から二度アークドラゴンでセルバダ海へ向かわせているのですがどちらも帰還しておりません。………あの辺りは二ホン国の位置に非常に近いと推定されていますし、二ホン軍の動きも活発でしょう。二ホン軍に撃墜された可能性が高いかと」

「高速なアークドラゴンが二度もやられたということか。仮に敵の部隊と遭遇しても、逃げるだけなら普通の国の軍隊相手なら容易なはずだ。間違いなく二ホン軍はかなりの能力を持っている。………ということは、まさか艦隊も二ホン軍に………」

「流石にそれはないでしょう。恐らく伝令役のアークドラゴンもこちらに来る途中で撃墜されたのではないでしょうか?敵の航空戦力は思った以上に強力なのかもしれません」

 二人が深刻な顔をして話し合う中で、廊下の方がドタバタとうるさくなる。

「なんだ!?騒がしいぞ貴様ら!今セリア一等将官と重要な話をしているのだ、もう少し静かにしろ!」

 怒りをにじませながらシャーカーがそう大声で注意すると、扉がコンコンコンとノックされる。

「た、大変申し訳ありません。しかし、先ほど非常に重要な情報が入ってきたためこちらも対応中なのです。軍部大臣閣下、大至急報告させていただいて宜しいでしょうか?」

 そんな扉越しに聞こえてくる声に、シャーカーは顔をしかめつつ渋々許可を出す。

「………仕方あるまい、入ってこい。だが、どうでもいい話だったのなら許さんぞ!」


 それを聞くや否や、一人の男が扉を開けてすぐに話し出す。

「魔法研究省で開発中の魔力探知機に、上位魔族級の魔力があったそうです!ちょうどその位置がセラバダ海付近であったため、二ホンへ派遣した艦隊が魔力の持ち主と遭遇した可能性が高いと考えられます!」

「な、何ですって!?」

「………開発中の魔力探知機の範囲はせいぜい500mだろう?それが数千kmと離れたセラバダ海のところまでなぜ探知できる?有り得んな」

 セリアがその報告に大慌てになるが、シャーカーは落ち着いて疑問を呈す。だが、それに対しての答えは彼の想像を絶するものであった。

「魔力探知機の探知範囲は、魔力の大きさで変化します。通常の軍艦に乗せられる魔法結晶程度の魔力の大きさなら500mというだけです。しかし今回は数千km離れたものを探知したわけでありまして………」

「ま、待て待て待て!通常の軍艦と言ってもかなりの魔法結晶は乗せるんだぞ!アークドラゴンの何倍もの魔力の大きさにはなるはずだ。それですら500mほどしか探知範囲がないのに、今回の相手は数千キロ先でも探知できた………それほどとなると………まさか!?」

 シャーカーが考えを巡らせながらそう話しているうちに。彼は最悪の事態が起きた可能性に思い当たる。

「しかし、しかし………そんなことが有り得るはずが………だがだとしたら艦隊と連絡が取れないことにも説明がつく………」

「いや、流石にそんな訳が………」

 セリアもその可能性を考えながらも、流石に違うだろうと思っている。いや、思いたいのだろうか。

「お二人とも、ど、どうかしたのですか?」

 二人のただならぬ様子に報告に来た男も緊張した面持ちでそう聞く。

「………どうせお前も帝国軍統括機構の一員だ。知っていても問題はないな」

 シャーカーがそう述べ、その直後に衝撃の一言を口に出す。














「南方から魔王が来たかもしれん」












 それを聞いて、男は卒倒した。
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