日本VS異世界国家! ー政府が、自衛隊が、奮闘する。

スライム小説家

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49話 崩壊への第一歩

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「マークぅ!貴様、ふざけるな!二ホンとの戦争をしつつも四大魔王という大きな脅威が迫っている現状、仲間割れしている暇など………」

「黙ってください。ロジェン伯爵。いや、ロジェン貴方のそれは自らを保身するための言い訳でしょう」

 シャーカーが殺害されて以降、マークに口を出せる人間は誰一人として居なくなった。
 本来なら外交大臣のガバダもそうだったのだが、その彼は既に帝国には居ない。

 その結果、たった数日の間でマークは様々な者を次々と処刑していった。
 今日もまた、魔法銃の開発に携わっていたロジェン卿が処刑されようとしている。

「き、貴様ら離せ!あれが正気に見えるか!?あの男は国害だ!私は二ホンとの戦争に反対はしないが、あの男が権力を持つことには反対だとも!」

「連れて行きなさい。例の新型竜の餌にでもしておけば良い」

「や、やめろっ!やめろおおおおおおおッ!この悪魔があああああッ!」

 じたばたして抵抗するロジェンが、複数の兵士たちに強制連行されていく。

「………やっとあの耳障りな声が聞こえなくなりましたね。あのような愚物を排除することで、帝国はより良くなる!そうは思いませんか?セリア軍部大臣」

 そんなロジェンの罵声を無視しながらマークが、新しく軍部大臣となったセリアへそう問いかける。

 シャーカーの件以降、マークによって散々な目に合ったのはロジェンのような貴族だけではない。軍の上層部もそうだった。
 当初処刑されていたのは、二ホンとの戦争に反対するものやシャーカーの処刑に猛反発したものだけだったが、それを止めようとした他の軍人たちも対象に含まれていったのだ。

 元々、帝国軍は仲間意識が非常に強い軍隊であった。彼ら彼女らが次々と殺されていく仲間たちを見捨てれるはずがなく………

(こんな形で大出世を果たすとは思いませんでしたね………あの人たちも黙っていれば、生きていたかもしれないのに)

 セリアだけが生き残った。今や帝国軍の最高司令官は彼女であった。

「………そうですね。次々と帝国の害となるものたちが消えていくのは、素晴らしいことです」

 適当にセリアがそう返すと、マークはそうだろうと鷹揚に頷く。そしてすぐに上を向いて祈るようなポーズを取り始める。

「でしょう!?ああ、神よ。より我々が高みへと至る姿を天よりご覧ください!」

(正気の沙汰ではありませんね。これは二ホンとの戦争とか四大魔王とかそういう話以前の問題です)

 天に向かって祈るマークを冷めた目で見つめるセリア。しかし、彼女もプロだ。
 思うところはあるものの、軍人としての責務を果たす。

「そういえば二ホンによるシャベド北側の部隊への攻撃についてですが、死者は四千名程度でした。密集していた仮設兵舎へ例の攻撃が直撃し、火災も被害を増大させたようです。また、それ以降二ホン軍の動きは見られません」

「そうでしたか。ご苦労、では私から陛下へ伝えておきますので。もう下がってもらって構いませんよ」

「はい。では、失礼します」

 報告を手早く済ませ、退室する。






「………ガバダさんが羨ましいですね」

 セリアが、思わずそんな愚痴を吐いたのも仕方ないだろう。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ナルカル連合 キャメロ基地

 ほぼ同時刻、連合と帝国の国境付近にあるキャメロ基地では物々しい雰囲気が漂っていた。

「お前ら!装備の用意は出来てるか!?敵味方識別用の魔法アクセサリを忘れるなよ!それと、あの暴れん坊な竜も実戦配備したてだからな!ちゃんと指示に従うか確認しとけ!」

「は、はい」

「分隊長、キームがまだ準備できてません!」

「なんだと!?またあいつか………」

 自分の剣や盾を手入れする黒人の兵士が居れば、瞑想をしているハーフエルフの魔法使いも居る。空を見れば弓に頬ずりしているハーピーだって見つかる。

 見た目や恰好、様々な要素が全く異なる彼ら彼女らは、慌ただしく戦いへの準備をしているという点だけは同じだった。

「良いか!政府からの連絡では、一時間後に我が国は帝国に宣戦布告をするそうだ!それに合わせて我々は帝国のジョール城を攻撃せねばならない!急げよ!」

「ついに帝国の奴らとやるんですよね!?」

「俺がガキの頃、アイツらに母国を滅ぼされたんです………やっとあの時の復讐が………」

「奴隷とか好き勝手やってるからなあ。むしろ何でうちの国はあいつらと仲良くしてたんだろうな」

 民主主義が当然の連合で育った者たちは、差別と格差で溢れる帝国への印象が良くない。特に近年は、連合に帝国によって母国を滅ぼされた難民たちが逃げ込むことが増えたため、よりその印象は悪化していたのだ。

 つまり、やる気満々なのである。

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