『辺境伯一家の領地繁栄記』スキル育成記~最強双子、成長中~

鈴白理人

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今日もアクアオッジ家は平和です

38 ⑬新たなスキル

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 窓のない廊下がゆっくりとしたカーブを描き始める。薄暗い灯りなのとカーブのせいで、人の視線はどうしてもその先、その先へと向かってしまう。認知の欲求に基づくものなのだが──
 巧妙に隠された差し掛かったとき、視覚では全く気付けなかった。
 
 通り過ぎようとしたとき、いきなりメリルのスキルがピコンピコンと鳴る。

 えっ、と思い立ち止まると、ウィルフレッドと王子とソルが同じ表情になった。彼らもピコンしたに違いない。

 ウィルがじっとメリルのほうを見て言う。
「メリル……なんかした?」
 
 心当たりが全くないメリルが首を傾げる。
「なんだろ、分かんないや。それより、なんでわたしが原因って思ったの?」
「いや……」その先は、メリルにしか聞こえない声で──
「精霊がさ……"次のステップに進んだみたいね"……だって……」



「……王子、スキルがどうなったのか見てもらえませんか……?」
 なぜか小声でお願いするメリル。薄暗いからといって、ヒソヒソ話す必要はないのだが。

「あ、ああ……」
 メリルの顔が近くてうろたえる王子。自分のスキルもピコンピコンしたので気になっていた。

 王子の左目が光り出し、目の中に魔法陣が浮かび上がる。

アンドリュー・エルドレッド・ラザナキア
  ┗【鑑定スキル】
    ├─【スキル鑑定 Lv9↑】(LvUP!)
    ├─【真名鑑定 Lv8】
    ├─【真贋鑑定 Lv6】
    ├─【種族鑑定 Lv5】
    ├─【性別鑑定 Lv5】
    ├─【感覚鋭敏 Lv3】
    ├─【強制採取 Lv3】
    ├─【毒耐性 Lv3】
    ├─【魔力感知 Lv1】 New!)
    └─【古代生物の依代 Lv-】

ソロモン・ラファラ
  ┗【隠密スキル】
    ├─【暗殺技術 Lv10 MAX】
    ├─【毒無効 Lv-】
    ├─【麻痺無効 Lv-】
    ├─【混乱無効 Lv-】
    ├─【魅了無効 Lv-】
    ├─【強制睡眠無効 Lv-】
    ├─【身体強化 Lv10 MAX】
    ├─【影入 Lv10 MAX】
    ├─【言霊強化 Lv10 MAX】
    ├─【魔力感知 Lv1】(New!)
    └─【永遠の忠誠 Lv-】

ウィルフレッド・アクアオッジ
  ┗【全精霊スキル】
    ├─【全精霊王の愛し子 Lv-】
    ├─【魔力感知 Lv1】(New!) 
    └─【双子の絆 Lv-】

メリル・アクアオッジ
  ┗【全魔法スキル】
    ├─【火魔法 Lv10 MAX】
    ├─【水魔法 Lv10 MAX】
    ├─【風魔法 LV10 MAX】
    ├─【土魔法 LV10 MAX】
    ├─【雷魔法 LV10 MAX】
    ├─【光魔法 LV10 MAX】
    ├─【闇魔法 Lv10 MAX】
    ├─【スキル付与 Lv1】(New!)
    ├─【魔力感知 Lv1】(New!)   
    └─【双子の絆 Lv-】

 信じられないものを見たかのように、王子の目が見開かれる。
 ──何だこれは。全員に同じスキルが発現している。

 新しいスキルがメリルだけに二つ……【スキル付与 Lv1】この効果で【魔力感知 Lv1】みんなに同じスキルが付与された!? いや。考察は後回しだ。

「みんなに【魔力感知】ってスキルが発現してる」

「「「えっ」」」

「いきなりこんなところで?」

 ソルが立ち止まり、灯りを掲げる。
「メリルお嬢様……この独特な気配に覚えが……子供の頃に──」

「えっ? それって……」

"ここ、ここ~"

"ここに変な痕跡があるな"

 精霊の声が聞こえるメリルとウィルフレッドが、辺りを見渡す…までもなく、全員の目が同じ場所に釘付けになった。

 カーブしている廊下の外側はてっきり外だとばかり思っていて、気にも留めていなかったのだが──

 壁と全く同色で意図的に隠されているのが分かる、ぼんやりと光る重厚な扉が、そこにはあった。

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