迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

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148. マークと魔道具を試す

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 マークがだいぶおどろいている。

「パール! これはすごい武器だぞ。特に最後……なんで威力を変えたんだ? 調子に乗っただろう」

「そんなつもりは、なかったんだけど……なんとなく?」

 最後のシルバーウルフだけ顔がこげていた。
 ため息をつかれ、持ち帰る部位の説明をされる。

「ハァーッ、毛皮とキバにツメ。肉は一番良いところだけ持って帰るぞ」

 アッ! 

「マーク、ちょっと待ってっ!」

 アリオさんからもらった、登録した者が獲物に被せて願うと、必要な部位に分けられる魔道具を思い出す。
 マークに説明して獲物に被せてみた。

「「おーーっ!!」」

 あっという間に毛皮やキバにツメ、お肉が草原の上にポンッと出てきた……あぁ~っ!

 お肉は魔法水で洗って、葉の袋に入れる。

 次からは獲物の横に葉の袋を数枚置いて魔道具を被せてみた。

 ちゃんと、葉の袋に入っている!

「なんだこれはっ? こんないいモノがあるのか!? パール、おまえ。向こうの人に捌くのが苦手だと言ったのか?」

「えっとぉ~。血が苦手とは、言ったかな?」

「ハァー、今まででも規格外だったのに、すごいことになっているな……もしかしてその剣も、もらったのか?」

「うん、子どものオモチャだと聞いていたけど、すごく切れるんだよ……そうだ! 生まれてくる子どもに持たせておくと便利な、お知らせ光を何個かもらったんだ。登録し合っていると迷子のときや、誘拐とか? 室内でも隙間があれば、空に向かって特殊な光をだすスグレモノらしいんだ! どお? いる?」

 アレ? なんで?
 子どもが生まれてきてからで良いのでは?
 なぜか今すぐ、わたしと一緒に登録することになった。
 不思議? 
 でもこれはチャンスと、強力なバリアを一時間だけ張れる腕輪を指輪にかえて二重のリングのようにして渡しておく。
 困ったような顔をしていたけど、一時間だけのバリアだからすぐ切れるし、緊急のときだけしか発動しないモノだから大丈夫だといっぱい言い訳をしたあと、絶対どんなときも外さないでねと念押しして指につけてもらう。
 そのかわりわたしも、マークの目の前で一緒に登録してお知らせ光のリングを待たされた。
 まとめて入るリングへ入れておく。

 じっとみていたマークが、そのリングはなにか聞いてきたので、十個までまとめれるリングだと素直に伝える。
 
「おまえ、すごいな。最強だな……」

「まあね……」

 頬をポリポリかいて返事しておく……ハハッ。


 お昼は木陰で安全のため、四隅に認識されない強力なバリアを張る。
 ブロンさんにもらった、どこでも座ってお茶ができるテーブルと椅子をだして、ライの料理長が作ったお昼用のワンプレート料理をだす。

 マークがポカンと口を開けてたたずんでいた。

 今日はモーギュウのステーキとポテトと小さいトマトのソテー にキャベツとセロリのマリネ。
 パンは軽く焼いてあるのかな?
 おーっ、ヤハッシのハチミツが今回もついているよ!
 果物はオレンジとブドウが一口サイズに皮がむかれて、小さな椀のようなお皿に盛り付けてあった。

 飲み物はコウジュにもらった、シッソー水の氷入りに決定!

 全部テーブルに並べマークに食べようと勧めると、マークがまた頭を抱えてしゃがみ込んでしまう。

「パール。これは、どうなってるんだ!? 全部アツアツだし、冷たいし……おまえの魔法袋は時間停止なのか?」

 あーっ、そこ? もういいやと、ホントのことを伝える。
 
「そうだよ、ナイショだけどね」

 マークは呆れていたけど、温かいうちに食べようと勧める。

「うまい! なんだこれは? 果物まで普通より味が濃いしうまい。これハチミツか? おどろきだな……」

 モウギュウのステーキはおいしいだろうと思っていたそうだけど、他のモノも全部普通よりおいしいのでおどろいていた。
 シッソー水の色も、魔力水のようだと言って笑っている。

 最後にお茶を出して、優雅なランチとなった。

 こんなモノを毎日食べて、だれも持っていない便利な魔道具に囲まれていたら、そら普通の生活には戻れないだろうと、しみじみ告げられる。

 潔くうなずいて、戻れないと言っておいた。

「ハァー、もうおまえの好きに生きたらいい……でも、おれたちは家族だ! 忘れるなよ……」

「わかっているよ……」


 そろそろみんなのお土産に獲物を一匹仕留めて帰ろうかと、ズンズン駆け足でダンジョンの奥へと進む。
 
「これは珍しいぞ……ホワイトのクロコイリエだ! ほぉーっ、デカイな……騒ぐなよ……」

 ひゃーっ!? 口を閉じているのに、下あごの歯? 牙が上を向いて生えていて、これに噛まれたら大変だと一発でわかる顔をしている……

 ホントにおっきいな。
 十メートルはありそうだよ。
 でも、背中は白くて、キレイ!
 アレッ、この模様!?
 もしかしたら、わたしのソファはこれなのか?

「この肉はうまいぞ! 全部売れるから遭遇したら当たりだけど、剣も通しにくい皮だからやっかいなんだよ。 あの口に噛まれたらおしまいだぞ! それとムチのようにしなる強い尻尾にも気をつけるんだ!」

 そうだよ。
 あの皮を傷付けたくないからね、さっきの雷の棒はダメだ。
 黒く焦げてしまう……氷?

「マーク、まだ使っていない剣の機能を使ってみてもいい? 氷の魔石がこの剣に入っているみたいなんだよ」

「なんだって? その剣は、魔法剣?  まっ、魔剣なのか!?」

 安全な場所から、魔剣を振りかざして……

「氷れっ!」

 ガキッーン!! ビキッ、ビキッ!

 ホワイトのクロコイリエの氷漬けが出来上がり……

「簡単だったな……ホントに生きていないか、確認するから待ってろよ」

「気をつけてね……」

 ここから見ただけで、アレでは生きていないとわかる……やりすぎたかな?
 ガッチン、ガッチンだよ。

 さて、これはどうやって持って帰ろうか。

 マークがさっきの魔道具で、シルバーウルフと同じようにして持って帰ろうという。

「マーク、そのままでも大丈夫だよ」

「いや、これは捌くのがものすごく手間なんだ」

 はい、すぐ魔道具を被せました。

 この皮はわたしにくれるそうなので、なにか記念に作ってもらおう!

 残りは全部マークに渡す。
 帰りは少し遅くなったので、ボードを出して一気に帰っていく。

 マークがダンジョンを出てポツリとつぶやく。

「パールの気持ちがわかったような気がする……
これでしばらく生活していたのなら、もう普通には戻れないだろう。寿命も伸びちまって……ホントにごめんな……ひとりにするんじゃなかった……」

「マーク。それは、いいよ。謝らないで……でもこれらの魔道具のことは、できるだけナイショにするよう向こうの人たちにも言われているんだよ。便利過ぎるでしょ? だからマークもなるべくナイショにしてね」

「ああ、この肉も家で食べてしまえばいいだろう。トムさんたちがよろこぶぞ!」

 トムさんのよろこぶ顔が目に浮かぶ。

 マークと二人。
 なんとなく手を繋いで家まで帰った……

 やっぱり、マークはマークだな……

 かわらない……

 

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