迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

文字の大きさ
166 / 221

166. 魔牛は大きな茶色いかたまり?!

しおりを挟む
 今日はいっぱい走ったから先にお風呂へ入って、それから夕食にする。
 
 今回もライの料理長の料理。

 なんの肉かわからないけど、串に刺さって焼いてあった数種類の串焼き。 
 一皿に十本。
 それを二皿出す。
 大半はマークが食べてくれるだろう。
 あとは色とりどりのパプリカにトマトやセロリ、豆などの野菜が水分がなくなるまで煮てある?
 それを包んだり、ちぎって食べる薄いパン? もあるな。
 うわーっ!
 ミニトマトとブドウが色とりどりで、かわいい陶器の入れ物に入ってるよ?
 丸くてかわいい!
 これは、サラダ?  
 それともデザート? 
 いっぱいコロコロ入っていた。
 
 料理長はわたしが料理に飽きないよう、入れ物まで工夫してくれている。
 いつも全部おいしいから、どれをだしてきても当たりだっ!
 ついでに焼きマロンもだして、ハーブ水とマークにはワインの残りをだしてあげよう。
 わたしは、オレンジ果汁で乾杯だ!

「うまいっ! このワインはホントにうまい! それになんだ? この串焼きは? うますぎる! 肉もいいのに味もいいっ! あの料理長は、最高だな!」

「うん、ホントおいしいねっ! このオレンジ果汁もなんだか、いろんなオレンジでブレンドしているのかな? あるときからすごくわたし好みになって、おいしくなったんだよ!」

 あーっ、おいしいーっ! 幸せだーぁ!
 ハッハッハ!


「それにしても、パールの魔剣はすごいなぁ~。世に出したら国宝級だぞ!」

「だよね~。でも向こうでは、子どものおもちゃなんだって……」

「はあ~、信じられないな?!」

「今日着ていたマントも、コカドリーユの出した炎のすぐ後だったはずなんだが、ぜんぜん熱く感じなかったしな。バリアにも助けられた……今回は危なかった……飛翔能力持ちの魔物なのに上空を注意できてないとは、ボケているよ。おれも冒険者としての感が鈍っているようだ……」

「あれは、しょうがないよ」

「パール。今回のことを踏まえて、明日からしばらく冒険者の感を二人で取り戻そう!」

「……うん。また走るの?」

「走らないと、魔物にも遭遇しないだろ?」

「まあね……」

「それと、コカドリーユにパールの魔剣が有効だとわかったから、もっと狩って帰ろう。あの肉も、相当うまいらしいからなっ! みんなのお土産だ!」

「そうだね! それがいいよ! あと魔牛もっ!」

  なんだか冒険が、急に楽しくなってきたぞっ。

 今日は二人頑張ったから疲れている。
 そこそこで切り上げ、部屋でゆっくり休む。


「チェリー! 今日はコカドリーユを教えてくれてありがとう! マーキングしておいたから、またいたら教えてね!」

「はい。今回の戦いで、コカドリーユの特性などもわかりました。危険は大半、回避できるでしょう」

「今回はちょっと、危なかったね……でもまさか、マークがわたしに覆い被さってくるなんて思わなかったよ……」

「はい。パールより弱くても、親心が勝っていたのでしょう。レインボーサーモンのときにも注意されていましたが、パールの無謀な行動が共に冒険しているマークの安全をも危険に変えてしまうと、しっかり覚えておきましょう。よい経験です」

「はい……」

 なんだかチェリーにも説教されてしまう。

 でも今日は、大切なことを学んだ一日だった。

 おやすみチェリーまた明日……


   ♢♢♢


 今日も朝から走っている!
 マークは迷いなく、ドンドン進んでいく。
 来たことがある場所なのかな?
 だいぶ西に来たから暑さも少しましになって、マークも楽そうだ。

 そんなとき、チェリーが声を掛けてきた。
 
 魔牛がこの先。
 八百メートルのところに一頭いるらしい。
 いまなら避けることもできると教えてくれる。

「マーク! この先、八百メートルのところに魔牛が一頭いるけど、どうする? いまなら避けることもできるよ?」

「やっとかっ! そろそろ魔牛がでるころだと思っていたんだよ! よしっ、狩っていくぞっ!」

「分かってたの? じゃあ、風下に回り込んで進むよ。魔牛も雷かな?」

「ああ。血を見ないですむ雷の魔法は、パールにとってこれからも最強の武器になるだろう。さあ、特訓だ!」

「うっ、あっ、はい。そうだね、それに今回二頭はそのまま持って帰ってきてほしいと、トーマスたちに頼まれたから……」

「そういやぁ、そんなことを言ってたな。あの二人はいつも楽しそうだ。ホントに倉庫も建てるみたいだぞ」

「フゥェーッ、ホント? 信じられないよ。自分で捌きたいなんて……」

「ハッハッハッ! ホントになっ!」

 そんな話しをコソコソしながら、魔牛が見えるところまでやってきた。

 うわーっ!? 茶色のかたまり! 
 こんなに、大っきいの?
 草原の草を食べているのかな?

「マーク! すごく、大っきくない?」

「んっ? 魔牛のサイズは、こんなもんだ。アレは普通の魔牛。もっと大きな特別な魔牛もいるぞ」

「特別な魔牛……」

「まずは、あの魔牛から……コカドリーユよりも強い雷の魔法にしないと、一発では倒せないぞ。気をつけるんだっ!」

「わかった」

 風下から、ギリギリ気づかれないところまで近づき、魔剣を魔牛の頭に向けて…… 
 今回からは無言でっ!

 撃つ!

 ピカーーッ!

 魔牛に命中したっ! よしっ!

 ドカッ!

 マークがすぐ確認へ向かう。

「マーク! 気をつけて!」

「大丈夫だ! パール、こっちへこい!」

 呼ばれてすぐ、マークと倒れている魔牛のそばへ行く。
 収納かな? っと思ったら、マークが魔牛の頭を指差して告げてくる。

「パール。こんなに小さな頭を狙って、外れたらどうするんだ! 魔牛はコカドリーユのときのように、炎や毒を出さないから前とは違うんだぞ。この狙い方は危険だ。雷なんだから、的をもっと大きくしろ! からだの心臓を狙え。場所はだいたい解体で分かっているだろう? 危険はできるだけ回避するんだ」

「確かに……頭だと、的が小さいのか……そうだよね、少しぐらい魔牛が動いても、からだなら当たる確率が上がるのか……わかったよ!」

 マークに指摘されて、ハッとする。
 わたしが失敗したら、マークまで危険な目に遭うんだ……
 昨日の続きだな。
 人と一緒に冒険するって難しい。
 もっと考えて行動しなきゃダメなんだ……
 勉強になるな。

「でも今回は、無言で雷の魔法を撃っただろ? アレはよかったぞ! わざわざ相手に自分の居場所を知らせる必要はないからなっ」

「うん」

 コカドリーユとも一瞬、目が合いそうになったし……

 腰のマジックバックに、魔牛を収納する。

 よしっ、次!

 今度こそよく考えて、マークにほめてもらうぞ!

 先へと走って進む。

 チェリーがまた、一頭の魔牛を見つけてくれた。

「マーク! また魔牛だよ」

「おう! いくぞっ」

 今回も茶色の大きなかたまりみたい!

 無言で近づき、魔剣を構えて魔牛へ向けると……

 キランッ!

 えっ!?

 魔剣が太陽? の光に反射して魔牛に気づかれたっ!


 ウッモーーオッ!!


 ギロッと睨んで、突進してくる。

「ギィャーッ! カミナリー! ヒィー!」

「パール! 落ちつくんだーっ!」


 ビカーーッ!! ドカッ!



しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜

ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。 死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。

ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はファム 前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した 記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた 村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた 私は捨てられたので村をすてる

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

転生したので好きに生きよう!

ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。 不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。 奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。 ※見切り発車感が凄い。 ※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。

失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~

紅月シン
ファンタジー
 聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。  いや嘘だ。  本当は不満でいっぱいだった。  食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。  だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。  しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。  そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。  二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。  だが彼女は知らなかった。  三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。  知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。 ※完結しました。 ※小説家になろう様にも投稿しています

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!

珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。 3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。 高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。 これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!! 転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの
ファンタジー
 15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。 加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。 また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。 長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。 リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

処理中です...