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8話・お風呂トークです
しおりを挟むスライムのスララが従者になりました。
クエストクラスの悪役令嬢である私には従者が必要なので、近くの森に住んでいる金髪イケメンのニートさんの相棒であるスララを従者にする事が出来ました。
ニートさんが困った時は、ニートさんの手伝いに行ってもらうのも有りです。ニートさんは働いていないので、飢え死に……はしないでしょうがダラダラしてるので、たまに様子を見に行かせる必要があります。
ニートさんも25才らしいので、もう少しシッカリして欲しいです。バクーフ森にある二階建てのアヤカハウスでの朝食が終わり、私は日課にしているタロット占いをします。
「スララ、今日のタロット占いの結果は?」
「はいはーい」
スララの口からタロット占いをしています。タロット占いは毎日の日課なので、スララを使ってする事にしました。ズズズ……とスララの口からタロットカードが出てきます。
「今日のタロットはフールの正位置。フールとは変化や柔軟などの期待を意味し、現状に満足できず、変化を求めている気持ち、姿勢、期待などを表すタロットカードです。新しい出発をした今のアヤカ殿を表していますね」
「で、正位置のフールの恋愛運は?」
「今日の恋愛運は最悪です!」
「恋愛運最悪!? ……とりあえず死んどいて」
ガス! も拳でスララを潰す。
「ハウ!? ……拙者を潰す必要は?」
「ストレス発散! 悪役令嬢の練習! わかった!?」
「ハヒ!」
従者は悪役令嬢の練習も出来て色々便利です。パワハラは悪役令嬢の全てと言っても過言で無い能力なので。
ことわざでは噂をすれば影がさすと言い、二階建てのアヤカハウスには客人が訪れます。カランカランと玄関の呼び鈴が鳴りました。
「スララ。客人よ。この時間から来る人間なんて限られてるけどね」
「ハ、ハヒ!」
ズダダダダ! と二階からダッシュで玄関まで向かいます。そして、客人を連れてスララは二階へ向かってます。偉そうな茶髪の長い髪の編み込みポニーヘアスタイルで、美しい白いドレス姿のお姫様は言っています。
「スララちゃんイケメン化してないと殺すからヨロシクね」
「ハ、ハヒ!」
無理矢理、人間モードにさせられたスララは私のいる部屋にその人物を入れます。
「聞こえたけど、それは悪役令嬢の台詞でしょスズカ? どうしようも無い外道姫が」
「いいわぁ……朝からシビれる台詞をありがとう」
と、言うとスズカはウットリして自分自身を抱き締めてている。人間モードのスララは、水色の髪を抱えて困惑してる。やっぱり、元主人の金髪イケメンのニートさんに似てるわね。
「覚えておくといいわスララ。スズカはドM……そしてドSの要素も持っている!」
「ピャーッ!」
驚いたあまり人間モードからスライムに戻ります。そこまで驚くか? と思ってたらスララはスズカに聞いていました。
「気になったのですが、わざわざクラスチェンジの時に呪いをかけて、スズカ殿はアヤカ殿にどんなバッドエンドを望んでいるのでしょう?」
「どんなバッドエンド? 私に色々されます。徹底的に色々します。孕みます。徹底的に孕みます。最後に自爆します。終わり」
ふぅ……と溜息をつく私は、
「自爆って何よ? 自爆とかあり得なくない? スララ、スズカの話は話半分でいいのよ。このお姫様の言う事を全て真に受けてはダメ」
「話半分で真に受けないなら、この唇は全部頂こうかな」
いきなりキスされそうになった!
朝からガールズラブ展開はダメ!
朝からじゃなくてもダメ!
従者のスララに命令します!
「塩を撒け! 塩を吹けぇーーーっ!」
「ハ、ハヒ!」
スララに塩攻撃を命じました。
何か部屋が煙にまみれてしまい、塩攻撃を中止させます。ゴホッゴホッ……。
「その調子でいいのよアヤカ。その調子で私をイジメてね。貴方の嫌いなバッドエンドのガールズラブ展開が待っているわよ。その前にバクーフ騎士団の任命式だけどね」
「わかってるわよスズカ。てか、これパンケーキ用の小麦粉じゃん。やけに前が見えないと思った。スララ、バキューム」
「合点承知!」
バキューム魔法でスララに吸い取らせて、体内で三分待ってパンケーキにしてもらいます。バタードングリのパンケーキは甘くて絶品だけど、食べ過ぎて太るから注意!
「パンケーキ食べたら、とりあえずお風呂に入ろう。小麦粉が全て落ちたわけじゃないし」
私達はお風呂に入る事にしたわ。
スララにも入ってもらって、スズカから守ってもらう事にしたの。でも、私から攻めてみるのも有りかもね。
一階の大浴場の脱衣場で服を脱いで、大浴場に入る。私は背中を見られたく無いので、バスタオルを巻いている。でもスズカは生まれたままの姿で堂々としていた。胸もEカップはあり、ウエストも細く肌も白すぎてSSS級の美少女だわ。
(……惚れ惚れするような凄い身体。でもガールズラブにはならないわよ)
やはり、スズカは私よりスタイルがいいのがムカつく。悪役令嬢モードになればスタイルアップするけど、普通だとスズカのスタイルには勝てない。食べている物が違うから?
意外と大浴場で裸を見せても何もして来ないので、身体をお湯で流してから二人と一匹は大きな湯船に浸かる。そして「極楽だぁ~」という顔をしたの。
(チャンスね)
隙が出来たスズカの後ろから抱きついて、囁く。
「……ねぇ? ガールズラブ展開してみる?」
「何よ急に? お風呂中は無しで。悪役令嬢モードは発動しなくていいわよ。それとも素なの?」
「さぁ、どっちでしょう?」
スズカの背中にある、剣のような形の薄いアザに触れてから抱き締める。
(何この剣の形のアザは? 私の勇者烙印とは違う。王族特有のものなのかしら? それより、いつもイニシアチブを取れると思ったら大間違いよスズカ)
私はスズカに何もさせないように先手を仕掛けておいたの。これで、裸のトークも出来るでしょう。
そうしてスララが湯船を泳いでいる中、私達は今後の事を話した。
「バクーフ王国にはいつ頃各国の王子がスズカの婚約予定者として現れるの?」
「もう城には各国の王子が来てるわよ。もう婚約者予定の王子もほぼ決まってる。明日のバクーフ騎士団任命式が終われば、私の為に頼むわよアヤカ」
「婚約破棄は私自身の為に頑張るだけよ。王子達を婚約破棄させて、私は私でトゥルーラブを手に入れれば呪いは解ける。トゥルーラブを得る条件の愛する勇者様を探すのも、各国の王子から聞けば早いわね。私、頭いいかも」
「情報は得られるわね。勇者にそこまでこだわるのは、命の恩人だから?」
「命の恩人なのも理由の一つ。けど、私は私なりに勇者様の力になりたいの。魔王の封印から五年以上経ってるから封印もどうなるかわからない。魔王復活の際には私も勇者様の側で活躍したい」
「そう……。あのスライムの主人も、勇者に似てるとか言ってなかった?」
「ニートさんはニートだけと勇者様に似てる気がするのは確か。たまに旅に出てるようで、モンスターに出会うよりも動物に出会う方が多いとも言ってた。それがモンスターじゃないの? とツッコミ入れたけどね」
「ニートの癖に色々な所に行くのね」
「お宝ゲットしてからそれを売って生活してるらしいわ。たまに動いて、後は小屋でグータラがニートさんの生活みたい。省エネモードってやつ?」
「なら、あのスライムを人間モードにさせて働かしてみる? 従者なら背中ぐらい流せないとね」
すると、スズカは泳いでいるスララを人間モードになれと命令してしまう。こんな全裸の状況で勇者様に似ているニートさんのスララバージョンに会いたくないので、スララを氷魔法・アイスマンを使って氷漬けにしました。危なかった……。
そして、明日はバクーフ騎士団任命式へ向かいます。この任命式が終われば、いよいよ悪役令嬢としてスズカの婚約者を婚約破棄させなければなりません!
その前に、スララの解凍をしとかないとね♪
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