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レオナルドとの対話2
しおりを挟むそんな彼を見て、カタリーナはわずかに声を強めた。
「黙っていては、何もわからないわ」
しばし沈黙が続いたあと、彼女の胸に、ひとつの想いがにじみ出る。
「……一時は、心を開いてくれたと思っていたのに」
それは、責めでも怒りでもなく、静かに滲む悲しみだった。
レオナルドは、しばらくのあいだ俯いたまま沈黙していたが、やがて重い口を開いた。
「……俺は、どうすればいいのか分からないんだ」
その声はかすれていて、普段の彼には似つかわしくない弱さがあった。
「三年という時間のなかで、家族にどう声をかけていいのか分からなくなっていた。戻ったときには、もう俺の居場所はどこにもない気がして……言葉をかけるのが怖くなっていた。
不貞を繰り返していたからかしら。
カタリーナの胸に、ひとつの思いが浮かんだ。
彼が沈黙し続け、家を遠ざけ、別の女性のもとで救いを得ようとしていた三年間。
それはまるで、家族の方が軽んじられていたかのような現実だった。
自分の何が足りなかったのかと何度も自問し、耐え、待ち続けた。
自業自得なのかもしれない。
そう呟きかけて、カタリーナは息を詰まらせた。
愛されたくて、努力して、笑って、母であろうとして……それでも選ばれなかったのだとしたら、何をどうすればよかったのか。
その想いが、静かに、けれど確かに胸を締めつけていた。
レオナルドは、母の期待や言葉が、ずっと頭から離れなかった。
家を守るなら、余計な感情は持つな。そう刷り込まれてきた気がしていた。
いつだったか、まだ少年だった頃、母にこう言われたことがある。
「あなたはセレスタ家の嫡男。感情で揺らいではいけません。理想の家を築く者は、私情よりも義務を優先するのです」
その言葉は、称賛でも励ましでもなかった。
ただ静かに、まるで当然のように告げられたその価値観は、彼の内側にじわじわと染みついていった。
誰かを愛することよりも、家名を守ること。
感情を表に出すことよりも、沈黙を選ぶこと。
そして大人になった今、気づけば自分の選択が、すべて誰かの期待をなぞるようなものになっていた。
それが、どれほど自分を縛ってきたのか……今になってようやく痛みと共に実感していた。
あの時もそうだった。初めて父に叱責され、涙を見せた少年の自分に、母は静かに言ったのだ。
「「泣かないの。貴族の男は弱さを見せてはいけないのよ」
大人になってからも、何かに迷うたび、母はそっと言葉を添えた。
「妻は静かに従うものよ。あなたは家の柱なのだから、私情などに振り回されてはだめ」
その言葉が積み重なり、いつの間にか感情を押し殺すことが正しいと信じてしまっていた。
だから……家には帰らなかった。向き合う勇気がなかった」
その言葉に、カタリーナはほんの一瞬だけ、心が揺れた。
けれど、その胸の奥には消えない問いがあった。
「それでも、あなたは父親でしょう?」
静かに、しかし逃れられない問いを重ねる。
その瞬間、カタリーナの胸には冷たい痛みが差した。
心のどこかで思ってしまった。
この人は、自分のことばかり。
怖い、苦しい、許されない。
そんな言葉ばかりを繰り返して、自分の中だけで閉じていた。
どれだけ子どもたちが、どれだけ私が、あなたの声を待っていたか。
愛しているなんて、もう期待していない。
それでも、せめて……ほんの少し、家族のことを、私たちのことを想ってほしかった。
その言葉は、レオナルドの胸に深く突き刺さった。
父親。
ただの役目ではなく、あの小さな手を初めて握った日のこと、病の夜に額に手を当てた記憶、背中にしがみつかれたあたたかさ。
彼の中に埋もれていた無数の父としての記憶が、静かに、しかし確かに蘇ってきた。
けれど同時に、それらを直視することの怖さも襲いかかってくる。
どれだけ月日が過ぎても、彼はまだ許されていいのかが分からなかった。
父親である資格。
それを奪ったのは、自分自身ではないか。
言葉にはできずとも、彼のまなざしは、静かに揺れていた。
「たとえ夫としての役目を果たせなかったとしても……あの子たちの父親であることは、変わらないはずでしょう?」
レオナルドは、しばらくの間その言葉を受け止めるように黙っていた。
やがて、視線をわずかにカタリーナへ向けた。
「……父親として、何かをしてやれる資格が、まだあると思っていなかった」
低い声だった。
「でも……お前の言葉を聞いて、今、ようやく……怖いけど、向き合わなきゃいけないと思った」
カタリーナの胸に、淡く揺れる灯がともったような気がした。
「あなたがいない間、子どもたちは……あなたの話をたくさんしていたのよ」
彼の瞳が、わずかに揺れた。
「あなたが剣の手ほどきをしたいって、昔言ってくれたこと。まだ、あの子は覚えてるわ」
それは、静かな、けれど確かな“希望”だった。
けれど、カタリーナの胸には、どうしても晴れない想いが残っていた。
「……どうしてそんなに、怖いの?」
それは、静かな声だった。
「私や子どもたちが、あなたを拒んだことなんて、一度でもあった?」
レオナルドは、はっとしたようにカタリーナを見た。
その問いは、予想外だったのかもしれない。
「あなたの言葉には、いつも『怖い』『戻れない』って……でも、それはあなた自身が決めたことでしょう?」
彼女の声は、涙ではなく、ただ冷静な真実を突きつけるものだった。
「……あなたのお母様の影響もあったのでしょう。
でもそれを理由にして、私たちに何も言わず、背を向けていたのは……あなたよ」
言葉は重く、しかしどこまでも静かだった。
「私は、あなたと夫婦として向き合いたかった。
子どもたちのことだけじゃない。私自身のことも、あなたのことも。
あなたは父親になった。もう子どもじゃないのよ。
いつまでお母様の言いなりになっているの?」
沈黙が落ちた。
それでも、カタリーナの目は逸らさなかった。
「……今からでも、私たち、夫婦として何かを取り戻すことはできるのかしら?」
レオナルドは、目を閉じて深く息を吸った。
その姿はまるで、胸の奥に沈んだ何かをすくい上げようとしているようだった。
「……分からない」
返ってきたのは、予想よりもずっと小さく、脆い声だった。
「俺は……きっと、母の言葉に縛られていた。完璧であれ、威厳を保て、感情を見せるな……そう言われ続けて育ってきた」
視線をゆっくりとカタリーナに向けながら、彼は続けた。
「お前と過ごした日々のなかで、心が緩むこともあった。
でも、それを弱さだと思ってしまった。
愛することが、許されない気がして……」
カタリーナは黙ってその言葉を聞いていた。
「今さら夫として何ができるのか、分からない。
でも……父親としてなら……いや、違う。
夫であり父である自分として……何かを取り戻せる可能性があるなら、俺は……」
そこで、彼の言葉は途切れた。
沈黙が訪れる。
だがそれは、かつてのような逃げの沈黙ではなかった。
「……俺は、お前と、もう一度向き合ってみたい」
「黙っていては、何もわからないわ」
しばし沈黙が続いたあと、彼女の胸に、ひとつの想いがにじみ出る。
「……一時は、心を開いてくれたと思っていたのに」
それは、責めでも怒りでもなく、静かに滲む悲しみだった。
レオナルドは、しばらくのあいだ俯いたまま沈黙していたが、やがて重い口を開いた。
「……俺は、どうすればいいのか分からないんだ」
その声はかすれていて、普段の彼には似つかわしくない弱さがあった。
「三年という時間のなかで、家族にどう声をかけていいのか分からなくなっていた。戻ったときには、もう俺の居場所はどこにもない気がして……言葉をかけるのが怖くなっていた。
不貞を繰り返していたからかしら。
カタリーナの胸に、ひとつの思いが浮かんだ。
彼が沈黙し続け、家を遠ざけ、別の女性のもとで救いを得ようとしていた三年間。
それはまるで、家族の方が軽んじられていたかのような現実だった。
自分の何が足りなかったのかと何度も自問し、耐え、待ち続けた。
自業自得なのかもしれない。
そう呟きかけて、カタリーナは息を詰まらせた。
愛されたくて、努力して、笑って、母であろうとして……それでも選ばれなかったのだとしたら、何をどうすればよかったのか。
その想いが、静かに、けれど確かに胸を締めつけていた。
レオナルドは、母の期待や言葉が、ずっと頭から離れなかった。
家を守るなら、余計な感情は持つな。そう刷り込まれてきた気がしていた。
いつだったか、まだ少年だった頃、母にこう言われたことがある。
「あなたはセレスタ家の嫡男。感情で揺らいではいけません。理想の家を築く者は、私情よりも義務を優先するのです」
その言葉は、称賛でも励ましでもなかった。
ただ静かに、まるで当然のように告げられたその価値観は、彼の内側にじわじわと染みついていった。
誰かを愛することよりも、家名を守ること。
感情を表に出すことよりも、沈黙を選ぶこと。
そして大人になった今、気づけば自分の選択が、すべて誰かの期待をなぞるようなものになっていた。
それが、どれほど自分を縛ってきたのか……今になってようやく痛みと共に実感していた。
あの時もそうだった。初めて父に叱責され、涙を見せた少年の自分に、母は静かに言ったのだ。
「「泣かないの。貴族の男は弱さを見せてはいけないのよ」
大人になってからも、何かに迷うたび、母はそっと言葉を添えた。
「妻は静かに従うものよ。あなたは家の柱なのだから、私情などに振り回されてはだめ」
その言葉が積み重なり、いつの間にか感情を押し殺すことが正しいと信じてしまっていた。
だから……家には帰らなかった。向き合う勇気がなかった」
その言葉に、カタリーナはほんの一瞬だけ、心が揺れた。
けれど、その胸の奥には消えない問いがあった。
「それでも、あなたは父親でしょう?」
静かに、しかし逃れられない問いを重ねる。
その瞬間、カタリーナの胸には冷たい痛みが差した。
心のどこかで思ってしまった。
この人は、自分のことばかり。
怖い、苦しい、許されない。
そんな言葉ばかりを繰り返して、自分の中だけで閉じていた。
どれだけ子どもたちが、どれだけ私が、あなたの声を待っていたか。
愛しているなんて、もう期待していない。
それでも、せめて……ほんの少し、家族のことを、私たちのことを想ってほしかった。
その言葉は、レオナルドの胸に深く突き刺さった。
父親。
ただの役目ではなく、あの小さな手を初めて握った日のこと、病の夜に額に手を当てた記憶、背中にしがみつかれたあたたかさ。
彼の中に埋もれていた無数の父としての記憶が、静かに、しかし確かに蘇ってきた。
けれど同時に、それらを直視することの怖さも襲いかかってくる。
どれだけ月日が過ぎても、彼はまだ許されていいのかが分からなかった。
父親である資格。
それを奪ったのは、自分自身ではないか。
言葉にはできずとも、彼のまなざしは、静かに揺れていた。
「たとえ夫としての役目を果たせなかったとしても……あの子たちの父親であることは、変わらないはずでしょう?」
レオナルドは、しばらくの間その言葉を受け止めるように黙っていた。
やがて、視線をわずかにカタリーナへ向けた。
「……父親として、何かをしてやれる資格が、まだあると思っていなかった」
低い声だった。
「でも……お前の言葉を聞いて、今、ようやく……怖いけど、向き合わなきゃいけないと思った」
カタリーナの胸に、淡く揺れる灯がともったような気がした。
「あなたがいない間、子どもたちは……あなたの話をたくさんしていたのよ」
彼の瞳が、わずかに揺れた。
「あなたが剣の手ほどきをしたいって、昔言ってくれたこと。まだ、あの子は覚えてるわ」
それは、静かな、けれど確かな“希望”だった。
けれど、カタリーナの胸には、どうしても晴れない想いが残っていた。
「……どうしてそんなに、怖いの?」
それは、静かな声だった。
「私や子どもたちが、あなたを拒んだことなんて、一度でもあった?」
レオナルドは、はっとしたようにカタリーナを見た。
その問いは、予想外だったのかもしれない。
「あなたの言葉には、いつも『怖い』『戻れない』って……でも、それはあなた自身が決めたことでしょう?」
彼女の声は、涙ではなく、ただ冷静な真実を突きつけるものだった。
「……あなたのお母様の影響もあったのでしょう。
でもそれを理由にして、私たちに何も言わず、背を向けていたのは……あなたよ」
言葉は重く、しかしどこまでも静かだった。
「私は、あなたと夫婦として向き合いたかった。
子どもたちのことだけじゃない。私自身のことも、あなたのことも。
あなたは父親になった。もう子どもじゃないのよ。
いつまでお母様の言いなりになっているの?」
沈黙が落ちた。
それでも、カタリーナの目は逸らさなかった。
「……今からでも、私たち、夫婦として何かを取り戻すことはできるのかしら?」
レオナルドは、目を閉じて深く息を吸った。
その姿はまるで、胸の奥に沈んだ何かをすくい上げようとしているようだった。
「……分からない」
返ってきたのは、予想よりもずっと小さく、脆い声だった。
「俺は……きっと、母の言葉に縛られていた。完璧であれ、威厳を保て、感情を見せるな……そう言われ続けて育ってきた」
視線をゆっくりとカタリーナに向けながら、彼は続けた。
「お前と過ごした日々のなかで、心が緩むこともあった。
でも、それを弱さだと思ってしまった。
愛することが、許されない気がして……」
カタリーナは黙ってその言葉を聞いていた。
「今さら夫として何ができるのか、分からない。
でも……父親としてなら……いや、違う。
夫であり父である自分として……何かを取り戻せる可能性があるなら、俺は……」
そこで、彼の言葉は途切れた。
沈黙が訪れる。
だがそれは、かつてのような逃げの沈黙ではなかった。
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