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⑥友達 後編
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この話は、麻綾さん(1文字仮名)から聞いた話を再構成しています。
お茶を飲みに台所に行った後に、部屋に戻ってきた真綾さんが何を見たのでしょうか。続きです。
お茶を飲んだ後に部屋に戻ると、ベッドの上に直道さんと智美さんが寝ていました。寝ていてと言っても、智美さんがベッドの奥で壁の方を向いて寝ています。その手前に、直道さんが上を向きながら左腕で目を隠している態勢で寝ています。麻綾さんは少しパニックになりました。自分の部屋で、彼氏と友達が一緒のベッドで寝ているのですから、当然です。麻綾さんは、直道さんを揺すって起こしました。直道さんは、すぐに起き麻綾さんの顔を見た後に、周辺を見渡します。現状が分かっていない様子だったそうです。とりあえず、肩をポンポン叩きながら、ベッドから出るように促しました。
ベッドから降りると直道さんは、頭痛いみたいな事を言って、こたつの上に頭を置いてまた寝る態勢になりました。麻綾さんがベッドの方の智美さんを見ていると、直道さんもそちらの方を見ました。見た瞬間、直道は「え?」って顔になったそうです。直道さんも意味が分からなかったようです。彼女の家でベッドで寝ていたら、彼女に起こされてしまう、ベッドを見ると彼女の友達がいるのですから、それは驚いて当然です。
事の顛末はこうだったようです。麻綾さんが先にこたつで寝てしまったので、2人で飲み続けていたそうです。智美さんもだいぶ酔っぱらって眠たいと言ったので、直道さんは麻綾さんと同じようにこたつで寝るから、智美さんは上のベッドで寝てよいよと言ったそうです。その後はよく覚えていないのですが、トイレに行った後にいつもの癖でベッドに入って寝てしまったようだという事でした。
勝手に泊まる智美さんも、勝手に泊める直道さんにも少しイラっときたそうなのですが、もう電車もない時間ですので、起こして帰す訳にもいきません。しかたがないので、そのまま麻綾さんと直道さんはこたつで眠ったそうです。
翌朝、7時半ぐらいでしょうか。智美さんに起こされてました。のどが渇いたので、コンビニに朝食を買いに行こうという事でした。まだ寝ている直道さんを置いて、2人でコンビニに行きました。「ごめんね。寝てしまって泊まっちゃった」と謝罪があったのですが、麻綾さんはもやもやっとした気分になったそうです。
コンビニでコーヒーやお茶、お湯を入れて食べる春雨スープなど買って家に帰ったそうです。はるさめを二人で食べていると直道さんも起きます。直道さんもコーヒーを飲み、昨日は飲みすぎたねなどと他愛もない話をしたそうです。春雨スープを食べている智美さんが突然に、直道さんに食べかけの容器を向けて「春雨食べますか?」と言いました。麻綾さんは、間接キスになると思ったそうなのですが、直道さんは当然のように食べました。麻綾さんはこいつらどうなっているのかと思ったそうなのですが、中学生じゃないんだから、間接キスになるからと言って、憤りを感じている自分が子供なのかどっちか分からなくなったそうです。
のんびりとした時間が流れ、テレビでは、おじさんが「喝だ」とミスをした選手に激怒しています。直道さんも智美さんもそれを見て、笑っていました。ご飯も食べ終わり、昨日の片づけをしていると智美さんが帰る用意をし始めたそうです。「泊めてもらってごめんなさいね。また明日ね。もう帰るよ」と言って、そそくさと帰っていったそうです。
麻綾さんは当然に直道さんを問い詰めます。なんで勝手に泊めたのか、なんで同じベッドに入っているのか。少し怒り気味に聞いたそうです。11時を回っており、電車に間に合わないと言い出した智美さん、揺すっても起きない麻綾さんの許可を取れないが、麻綾さんの友達なので、まあ良いかと思って泊まって行ったらと言ったそうです。また、ベッドに入ったのもいつもの癖で、麻綾さんがベッドの奥にいると勘違いしたと思う、酔っぱらっていたので、あんまり覚えていないという事でした。こんな場面になった場合は、絶対に自分を起こすように麻綾さんは直道さんに結構強めの説教をしたそうです。
その件があった後から、麻綾さんと直道さんはギクシャクしていったそうです。毎週、泊まりに来たり行ったりしてたのが、2週間に1回になり、麻綾さんが誘わないとデートにも行かなくなったそうです。麻綾さんは、智美さんと美沙さんに恋愛相談もよくしていたそうです。智美さんは、「もう飽きられちゃったんじゃない」「もっと良い男いるよ」「麻綾は可愛いから次もすぐ見つかるよ」と言ってくれたそうです。
麻綾さんは直道さんを会社近くのカフェに仕事終わりに呼び出しました。「最近デートもしてくれない」「たまに家に来てもセックスして帰るだけ」「メールもほとんどこっちから」「本当に私のこと好きなの」みたいな事を聞いたそうです。
直道さんは真剣な顔をしながら、「ごめん。最近気になる人が出来たかもしれない」と全く麻綾さんが予想していなかった言葉が返ってきました。「ごめん」「これからちゃんとする」「デートにももっと行こう」「大切にする」のような言葉が来ると思っていたそうですが、いきなり「気になる人が出来た」と言われて、麻綾さんも面食らってしまったそうです。
売り言葉には買い言葉、「そしたらもう私達終わりだね」「鍵返して」と麻綾さんは思ってもいない事を言ってしまったそうです。鍵を黙って出す直道さん、それを受け取ると麻綾さんは伝票を取り、店を出たそうです。結構良い人と思ってた、結婚ももしかしたらと考えていた彼氏と別れてしまったのです。どのように家に帰ったのかよく覚えていないそうです。
翌週の金曜日、美沙さんと智美さんを誘って、飲み会に行きました。そこで、直道さんと別れた事を報告します。美沙さんは「気になる人が出来たとかなんだよそれ」「別れて正解」智美さんは「なんかあの人怖い感じがしたもんね」「また良い人が出来るよ」と慰めてくれたそうで、その日は、麻綾さんの家に行き、夜更けまでお酒を飲んだそうです。
それから半年ぐらい経った頃でしょうか。智美さんが結婚するので退職するという話を人伝に聞きました。麻綾さんは当然に智美さんを捕まえて、「結婚するの」「どんな人」「彼氏出来た事も言わないとか薄情者」などと笑顔で質問攻めをしたそうです。智美さんは、少し強張んだ笑顔で、秘密と言って、逃げていきました。
話はとんとん拍子に進んだそうで、智美さんが寿退職する事になったそうです。おめでただった事、ちょうど年度末で切りが良かった事、いろいろ重なり智美さんは退職していきました。お別れ会も送別会も開かれなかったのは、お腹の子に何かあったらと智美さんが断ったそうです。
智美さんが退職して1か月ぐらいした頃でしょうか。美沙さんが「結婚式どうする。何か出し物やってあげる?」と聞いてきたそうです。どういう意味か分からなかったので、「誰の?」と尋ねると、智美さんの結婚式との事でした。頭の中に疑問符がたくさん出てきたので、よく話を聞くと美沙さんは智美さんの結婚式に招待されていたそうです。麻綾さんには招待状も届いてなく、それどころかメールの1本もありません。友達だと思っていたのは、私だけだったのかと寂しい気持ちになったそうです。美沙さんが持っていた結婚式の招待状には、智美さんの名前と直道さんの名前があったそうです。
これで麻綾さんのお話はおしまいです。よくよく智美さんの行動を振り返ってみると、直道さんの悪口を言ったり、別れた方が良いと言ったりしていたそうです。どのようにして、智美さんが直道さんとコンタクトを取ったり、仲良くなったか詳細は分からないそうです。思い出してみると、あの智美さんが泊まりに来た当たりから何か直道さんとの距離を感じてた気もするそうです。
友達だと思っていた人に彼氏を取られてしまう事もあるのですね。結婚式に呼ばれないのも友達の彼氏を取って、その友達を誘うのはさすがにと智美さんも思ったのではないでしょうか。或いは直道さんが気まずかったのかもしれません。友情など愛の前には、簡単に壊れるものなのかもしれません。彼氏や彼女を友達に自慢したり、紹介する事はもしかしたら、その後の人生に大きな影響を与えるかもしれません。麻綾さんは、その後良い人と巡り合い、結婚もして、お子さんも授かったそうです。退職以来智美さんからの連絡は、いまだに1本もないそうです。
友達 おしまい
お茶を飲みに台所に行った後に、部屋に戻ってきた真綾さんが何を見たのでしょうか。続きです。
お茶を飲んだ後に部屋に戻ると、ベッドの上に直道さんと智美さんが寝ていました。寝ていてと言っても、智美さんがベッドの奥で壁の方を向いて寝ています。その手前に、直道さんが上を向きながら左腕で目を隠している態勢で寝ています。麻綾さんは少しパニックになりました。自分の部屋で、彼氏と友達が一緒のベッドで寝ているのですから、当然です。麻綾さんは、直道さんを揺すって起こしました。直道さんは、すぐに起き麻綾さんの顔を見た後に、周辺を見渡します。現状が分かっていない様子だったそうです。とりあえず、肩をポンポン叩きながら、ベッドから出るように促しました。
ベッドから降りると直道さんは、頭痛いみたいな事を言って、こたつの上に頭を置いてまた寝る態勢になりました。麻綾さんがベッドの方の智美さんを見ていると、直道さんもそちらの方を見ました。見た瞬間、直道は「え?」って顔になったそうです。直道さんも意味が分からなかったようです。彼女の家でベッドで寝ていたら、彼女に起こされてしまう、ベッドを見ると彼女の友達がいるのですから、それは驚いて当然です。
事の顛末はこうだったようです。麻綾さんが先にこたつで寝てしまったので、2人で飲み続けていたそうです。智美さんもだいぶ酔っぱらって眠たいと言ったので、直道さんは麻綾さんと同じようにこたつで寝るから、智美さんは上のベッドで寝てよいよと言ったそうです。その後はよく覚えていないのですが、トイレに行った後にいつもの癖でベッドに入って寝てしまったようだという事でした。
勝手に泊まる智美さんも、勝手に泊める直道さんにも少しイラっときたそうなのですが、もう電車もない時間ですので、起こして帰す訳にもいきません。しかたがないので、そのまま麻綾さんと直道さんはこたつで眠ったそうです。
翌朝、7時半ぐらいでしょうか。智美さんに起こされてました。のどが渇いたので、コンビニに朝食を買いに行こうという事でした。まだ寝ている直道さんを置いて、2人でコンビニに行きました。「ごめんね。寝てしまって泊まっちゃった」と謝罪があったのですが、麻綾さんはもやもやっとした気分になったそうです。
コンビニでコーヒーやお茶、お湯を入れて食べる春雨スープなど買って家に帰ったそうです。はるさめを二人で食べていると直道さんも起きます。直道さんもコーヒーを飲み、昨日は飲みすぎたねなどと他愛もない話をしたそうです。春雨スープを食べている智美さんが突然に、直道さんに食べかけの容器を向けて「春雨食べますか?」と言いました。麻綾さんは、間接キスになると思ったそうなのですが、直道さんは当然のように食べました。麻綾さんはこいつらどうなっているのかと思ったそうなのですが、中学生じゃないんだから、間接キスになるからと言って、憤りを感じている自分が子供なのかどっちか分からなくなったそうです。
のんびりとした時間が流れ、テレビでは、おじさんが「喝だ」とミスをした選手に激怒しています。直道さんも智美さんもそれを見て、笑っていました。ご飯も食べ終わり、昨日の片づけをしていると智美さんが帰る用意をし始めたそうです。「泊めてもらってごめんなさいね。また明日ね。もう帰るよ」と言って、そそくさと帰っていったそうです。
麻綾さんは当然に直道さんを問い詰めます。なんで勝手に泊めたのか、なんで同じベッドに入っているのか。少し怒り気味に聞いたそうです。11時を回っており、電車に間に合わないと言い出した智美さん、揺すっても起きない麻綾さんの許可を取れないが、麻綾さんの友達なので、まあ良いかと思って泊まって行ったらと言ったそうです。また、ベッドに入ったのもいつもの癖で、麻綾さんがベッドの奥にいると勘違いしたと思う、酔っぱらっていたので、あんまり覚えていないという事でした。こんな場面になった場合は、絶対に自分を起こすように麻綾さんは直道さんに結構強めの説教をしたそうです。
その件があった後から、麻綾さんと直道さんはギクシャクしていったそうです。毎週、泊まりに来たり行ったりしてたのが、2週間に1回になり、麻綾さんが誘わないとデートにも行かなくなったそうです。麻綾さんは、智美さんと美沙さんに恋愛相談もよくしていたそうです。智美さんは、「もう飽きられちゃったんじゃない」「もっと良い男いるよ」「麻綾は可愛いから次もすぐ見つかるよ」と言ってくれたそうです。
麻綾さんは直道さんを会社近くのカフェに仕事終わりに呼び出しました。「最近デートもしてくれない」「たまに家に来てもセックスして帰るだけ」「メールもほとんどこっちから」「本当に私のこと好きなの」みたいな事を聞いたそうです。
直道さんは真剣な顔をしながら、「ごめん。最近気になる人が出来たかもしれない」と全く麻綾さんが予想していなかった言葉が返ってきました。「ごめん」「これからちゃんとする」「デートにももっと行こう」「大切にする」のような言葉が来ると思っていたそうですが、いきなり「気になる人が出来た」と言われて、麻綾さんも面食らってしまったそうです。
売り言葉には買い言葉、「そしたらもう私達終わりだね」「鍵返して」と麻綾さんは思ってもいない事を言ってしまったそうです。鍵を黙って出す直道さん、それを受け取ると麻綾さんは伝票を取り、店を出たそうです。結構良い人と思ってた、結婚ももしかしたらと考えていた彼氏と別れてしまったのです。どのように家に帰ったのかよく覚えていないそうです。
翌週の金曜日、美沙さんと智美さんを誘って、飲み会に行きました。そこで、直道さんと別れた事を報告します。美沙さんは「気になる人が出来たとかなんだよそれ」「別れて正解」智美さんは「なんかあの人怖い感じがしたもんね」「また良い人が出来るよ」と慰めてくれたそうで、その日は、麻綾さんの家に行き、夜更けまでお酒を飲んだそうです。
それから半年ぐらい経った頃でしょうか。智美さんが結婚するので退職するという話を人伝に聞きました。麻綾さんは当然に智美さんを捕まえて、「結婚するの」「どんな人」「彼氏出来た事も言わないとか薄情者」などと笑顔で質問攻めをしたそうです。智美さんは、少し強張んだ笑顔で、秘密と言って、逃げていきました。
話はとんとん拍子に進んだそうで、智美さんが寿退職する事になったそうです。おめでただった事、ちょうど年度末で切りが良かった事、いろいろ重なり智美さんは退職していきました。お別れ会も送別会も開かれなかったのは、お腹の子に何かあったらと智美さんが断ったそうです。
智美さんが退職して1か月ぐらいした頃でしょうか。美沙さんが「結婚式どうする。何か出し物やってあげる?」と聞いてきたそうです。どういう意味か分からなかったので、「誰の?」と尋ねると、智美さんの結婚式との事でした。頭の中に疑問符がたくさん出てきたので、よく話を聞くと美沙さんは智美さんの結婚式に招待されていたそうです。麻綾さんには招待状も届いてなく、それどころかメールの1本もありません。友達だと思っていたのは、私だけだったのかと寂しい気持ちになったそうです。美沙さんが持っていた結婚式の招待状には、智美さんの名前と直道さんの名前があったそうです。
これで麻綾さんのお話はおしまいです。よくよく智美さんの行動を振り返ってみると、直道さんの悪口を言ったり、別れた方が良いと言ったりしていたそうです。どのようにして、智美さんが直道さんとコンタクトを取ったり、仲良くなったか詳細は分からないそうです。思い出してみると、あの智美さんが泊まりに来た当たりから何か直道さんとの距離を感じてた気もするそうです。
友達だと思っていた人に彼氏を取られてしまう事もあるのですね。結婚式に呼ばれないのも友達の彼氏を取って、その友達を誘うのはさすがにと智美さんも思ったのではないでしょうか。或いは直道さんが気まずかったのかもしれません。友情など愛の前には、簡単に壊れるものなのかもしれません。彼氏や彼女を友達に自慢したり、紹介する事はもしかしたら、その後の人生に大きな影響を与えるかもしれません。麻綾さんは、その後良い人と巡り合い、結婚もして、お子さんも授かったそうです。退職以来智美さんからの連絡は、いまだに1本もないそうです。
友達 おしまい
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