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⑦ケンムン奇譚 前編
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この話は、真弓さん(仮名)から聞いた話を再構成しています。
皆さんは、ケンムンという妖怪を知っているでしょうか。奄美群島に伝わる妖怪で、外見は河童のようでガジュマルの木に住んでいると言われています。河童と同じで頭の上に皿のようなものがあり、その中の水がなくなると力が抜けるそうです。子供を見かけると大好きな相撲を挑んでくるそうです。負けると川に引きずりこまれるそうです。しかし、対処法は簡単で、申し込まれた人が逆立ちをすれば良いそうです。こちらが逆立ちをするとケンムンもそれを真似て、逆立ちをするそうなのですが、逆立ちをすると皿の水がこぼれてしまいます。水がこぼれて弱くなっているケンムンと勝負をしたら余裕で勝てるそうです。こんなケンムンを見たというお話です。
最初に断りを入れておきますが、これは真弓さんがおじいさんなどから聞いた話を私が又聞きしているので、伝聞の伝聞なので、少し意味が通じない所があるかもしれませんが、ご容赦頂きたいです。また、「部落」という言葉も出て来ますが、これは被差別部落ではなく、「集落」の意味など、多少現代にそぐわない表現も出てくるかもしれませんが、こちらもご容赦頂きたいです。
昭和30年代に生まれた真弓さん、奄美群島がアメリカの統治下から返還されてすぐの時代です。幼少期は奄美本島ではなく、とある離島で祖父母、両親、両親の兄弟などと20人程度で暮らしていたそうです。真弓さんのお母さんは、7人兄弟だったそうです。おじさん、おばさんが6人いるので、真弓さんはたいそう可愛がられて育てられたそうです。
離島の生活はたいへんで、主な収入源はサトウキビを育てたり、漁をしたりして生計を立てていたそうです。牛や山羊も飼っていたそうなのですが、牛は高額で売れるため、食べたことがなかったそうです。その変わり、年に数回現地ではひんじゃーと呼ばれる山羊を解体して、ステーキにしたり、スープにしたりしたのが大変美味しく、楽しみの1つだったそうです。
幼少期は後ろを見ると山があり、前を見ると海があるので遊び場所には困らなかったそうです。奄美大島にはハブが生息しており、噛まれるとだいたい2日で死にます。しかし最近は、治療法も確立していますので、死亡ケースもたいへん減少してきているようです。そんな恐ろしいハブですが、真弓さん達の遊びのグループは、ハブのしっぽを持ちグルグルとまわしながら遊ぶ事もあるような活発な女の子だったそうです。
初孫ではなかったのですが、おじいさんとおばあさんは、働きに出かける両親の変わりに大変可愛がってくれたそうです。しかし、危ない事をすると現代では考えられませんが、木の棒のようなもので、おしりを叩かれたそうです。体で覚えさせるという事でしょうか。悪い事をすると怒られますが、お手伝いなどの良い事をするとたいへん褒めてくれるおじいさんとおばあさんだったそうです。
現在のようにテレビやスマホがありませんので、夜はおじいさんが色々な話をしてくれたそうです。戦争中の話やおじいさんが小さな時の不思議なお話です。正確な時代は分からないのですが、西暦1900年頃の話です。
ここからはおじいさんの昔話です。おじいさんが10歳前後の子供の頃、真弓さんが子供の頃よりもっと何もない時代の話です。おじいさんは、一人で蟹を取りに行ったそうです。山から海に水が流れる洞窟といいますか、自然に出来た水の通り道のような場所があったそうです。淡水と海水が交じり合っているせいか色んな種類の魚や貝もいたそうです。そこでは、蟹がたくさん取れ、持って帰るとおじいさんのお母さん、真弓さんからするとひいばあさんが蟹をカリカリに焼いてくれて、よくおやつにしていたそうです。
いつものように洗面器のような容器を持ち、その洞窟のような所に歩いて行くと洞窟のような所の奥に見慣れない子供のような背丈のものが座っていたそうです。胡坐をかいて座り、下を向き眠りこけているように見えたそうです。洞窟のような所は、横が3メートル程度、高さが2メートル程度の幅があり、入り口付近は光が入ってくるのですが、奥の方に行くと光が届かずに道は見えることは見えるのですが、危ないのでおじいさんはそんなに奥にはいかなかったそうです。
入口から15メートル程度の所で下を向きながら、眠りこけている子供を見ておじいさんは、お腹を空かしているのではないかと心配したそうです。「どした、腹減っているのか」とその小さな子供に話しかけました。小さな子供のようなものは、顔を上げました。口が尖っており、目がギョロとしており、おじいさんの方を一瞥するとまた、下を向いて眠るような態勢を取ったそうです。優しいのかおじいさんは、もう一度話かけました。「腹減ってるのか」ともう1度言うと、その子供のようなものは立ち上がりました。おじいさんは「うちの部落に行くとご飯貰えるから来るか」とご飯に誘ったそうです。その子供のようなものは、おじいさんに目をやるとそのままスタスタと洞窟の奥の方に入って行ったそうです。おじいさんより少し背が小さい120CM程度、ぼろきれのようなものを肩にかけていたそうです。おじいさんは、不思議な奴もいるものだなと思ったそうなのですが、蟹を取りに来ていたので、捕獲を開始しました。
長くなりましたので、続きます。
皆さんは、ケンムンという妖怪を知っているでしょうか。奄美群島に伝わる妖怪で、外見は河童のようでガジュマルの木に住んでいると言われています。河童と同じで頭の上に皿のようなものがあり、その中の水がなくなると力が抜けるそうです。子供を見かけると大好きな相撲を挑んでくるそうです。負けると川に引きずりこまれるそうです。しかし、対処法は簡単で、申し込まれた人が逆立ちをすれば良いそうです。こちらが逆立ちをするとケンムンもそれを真似て、逆立ちをするそうなのですが、逆立ちをすると皿の水がこぼれてしまいます。水がこぼれて弱くなっているケンムンと勝負をしたら余裕で勝てるそうです。こんなケンムンを見たというお話です。
最初に断りを入れておきますが、これは真弓さんがおじいさんなどから聞いた話を私が又聞きしているので、伝聞の伝聞なので、少し意味が通じない所があるかもしれませんが、ご容赦頂きたいです。また、「部落」という言葉も出て来ますが、これは被差別部落ではなく、「集落」の意味など、多少現代にそぐわない表現も出てくるかもしれませんが、こちらもご容赦頂きたいです。
昭和30年代に生まれた真弓さん、奄美群島がアメリカの統治下から返還されてすぐの時代です。幼少期は奄美本島ではなく、とある離島で祖父母、両親、両親の兄弟などと20人程度で暮らしていたそうです。真弓さんのお母さんは、7人兄弟だったそうです。おじさん、おばさんが6人いるので、真弓さんはたいそう可愛がられて育てられたそうです。
離島の生活はたいへんで、主な収入源はサトウキビを育てたり、漁をしたりして生計を立てていたそうです。牛や山羊も飼っていたそうなのですが、牛は高額で売れるため、食べたことがなかったそうです。その変わり、年に数回現地ではひんじゃーと呼ばれる山羊を解体して、ステーキにしたり、スープにしたりしたのが大変美味しく、楽しみの1つだったそうです。
幼少期は後ろを見ると山があり、前を見ると海があるので遊び場所には困らなかったそうです。奄美大島にはハブが生息しており、噛まれるとだいたい2日で死にます。しかし最近は、治療法も確立していますので、死亡ケースもたいへん減少してきているようです。そんな恐ろしいハブですが、真弓さん達の遊びのグループは、ハブのしっぽを持ちグルグルとまわしながら遊ぶ事もあるような活発な女の子だったそうです。
初孫ではなかったのですが、おじいさんとおばあさんは、働きに出かける両親の変わりに大変可愛がってくれたそうです。しかし、危ない事をすると現代では考えられませんが、木の棒のようなもので、おしりを叩かれたそうです。体で覚えさせるという事でしょうか。悪い事をすると怒られますが、お手伝いなどの良い事をするとたいへん褒めてくれるおじいさんとおばあさんだったそうです。
現在のようにテレビやスマホがありませんので、夜はおじいさんが色々な話をしてくれたそうです。戦争中の話やおじいさんが小さな時の不思議なお話です。正確な時代は分からないのですが、西暦1900年頃の話です。
ここからはおじいさんの昔話です。おじいさんが10歳前後の子供の頃、真弓さんが子供の頃よりもっと何もない時代の話です。おじいさんは、一人で蟹を取りに行ったそうです。山から海に水が流れる洞窟といいますか、自然に出来た水の通り道のような場所があったそうです。淡水と海水が交じり合っているせいか色んな種類の魚や貝もいたそうです。そこでは、蟹がたくさん取れ、持って帰るとおじいさんのお母さん、真弓さんからするとひいばあさんが蟹をカリカリに焼いてくれて、よくおやつにしていたそうです。
いつものように洗面器のような容器を持ち、その洞窟のような所に歩いて行くと洞窟のような所の奥に見慣れない子供のような背丈のものが座っていたそうです。胡坐をかいて座り、下を向き眠りこけているように見えたそうです。洞窟のような所は、横が3メートル程度、高さが2メートル程度の幅があり、入り口付近は光が入ってくるのですが、奥の方に行くと光が届かずに道は見えることは見えるのですが、危ないのでおじいさんはそんなに奥にはいかなかったそうです。
入口から15メートル程度の所で下を向きながら、眠りこけている子供を見ておじいさんは、お腹を空かしているのではないかと心配したそうです。「どした、腹減っているのか」とその小さな子供に話しかけました。小さな子供のようなものは、顔を上げました。口が尖っており、目がギョロとしており、おじいさんの方を一瞥するとまた、下を向いて眠るような態勢を取ったそうです。優しいのかおじいさんは、もう一度話かけました。「腹減ってるのか」ともう1度言うと、その子供のようなものは立ち上がりました。おじいさんは「うちの部落に行くとご飯貰えるから来るか」とご飯に誘ったそうです。その子供のようなものは、おじいさんに目をやるとそのままスタスタと洞窟の奥の方に入って行ったそうです。おじいさんより少し背が小さい120CM程度、ぼろきれのようなものを肩にかけていたそうです。おじいさんは、不思議な奴もいるものだなと思ったそうなのですが、蟹を取りに来ていたので、捕獲を開始しました。
長くなりましたので、続きます。
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