女の子同士で気持ちよくなっちゃった私達…

SenY

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本編

第二十五章:無人島のジャングル

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 ザザァン……と、白砂のビーチに波が打ち寄せる音が、エンドレスリピートで響いている。
 頭上には、絵に描いたような青空と、ギラギラと照りつける太陽。
 南太平洋のどこかにある、名前も知らない無人島。
 ここが、私――ミナと、恋人のサヤカにとっての、愛の巣(サバイバル生活の拠点)だった。

 事の発端は、修学旅行のクルーズ船の転覆事故だ。
 嵐に巻き込まれて海に投げ出された私たちが、奇跡的に流れ着いたのがこの島だった。
 幸いだったのは、二人とも怪我一つなく無事だったこと。そして、防水スマホとソーラー充電器を持っていたことだ。
 もちろん圏外でSNSもLINEも使えないけれど、スマホのFMラジオ機能だけは生きていた。

 『――先日発生した観光船の転覆事故ですが、救助されたA高校の生徒たちは全員命に別状はなく……依然として行方不明となっている女子生徒二名の捜索が続けられています』

 ノイズ混じりのニュースを聞いて、私たちは顔を見合わせて安堵のため息をついた。
 みんな助かったんだ。行方不明なのは私たちだけ。
 日本の巡視船か、地元の漁船か分からないけれど、きっとそのうち誰かが私たちを見つけてくれるはずだ。

 島は意外にも快適だった。
 昼も夜も暖かくて、凍える心配はない。島の奥には湧き水があったし、バナナやマンゴーみたいな果物もそこら中に実っている。
 即座に飢え死にするような「ガチのサバイバル」ではなかったのが、私たちの危機感を麻痺させていた。

 漂着から一日、二日……そして三日が過ぎても、水平線に船の影は見えなかった。
 でも、不思議と不安はなかった。
 だって、ここには口うるさい親もいないし、進路指導の先生もいない。
 あるのは、大好きな恋人と、二人きりの楽園だけ。

「ねー、ミナ。これ見てー! 即席・葉っぱビキニ!」
「ぶっ! サヤカ、それエロすぎでしょ(笑)。面積少なすぎて丸見えじゃん」

 大きな葉っぱと蔦で作った水着(のようなもの)を身に着けて、サヤカがはしゃいでいる。
 元々青春真っ盛りのカップルだ。やることなんて、一つしかない。
 私たちは、砂浜で、木陰で、浅瀬の海の中で、一日の大半をイチャイチャして過ごした。

「んっ……ぁ♥ ミナ、砂が入って……くすぐったい……♥」
「我慢して。……誰も見てないんだから、もっと声出していいよ」

 チュッ、レロレロ……♥
 太陽の下で絡み合う裸体。
 勉強からも、社会のルールからも解放されて、私たちは野生動物のように求め合った。
 「早く助け来ないかなー」「海保仕事しろよー」なんて軽口を叩きながらも、内心では「このバカンスがもっと続けばいいのに」なんて思っていたくらいだ。

 ――けれど。
 漂着から十日が過ぎた頃。
 私は、この楽園に潜む「本当の恐怖」に直面することになった。

 それは……「毛」だ。

 朝、湧き水で顔を洗おうとして、ふと自分の脇の下に視線をやった時、私は悲鳴を上げそうになった。
 ジョリッ……。
 触ると、剣山のような感触。
 元々、体毛は薄い方だと思っていた。でも、十日という歳月は、乙女の脇の下に「密林(ジャングル)」を形成するには十分すぎる時間だったのだ。
 黒いポツポツどころか、しっかりと自己主張を始めたムダ毛たち。

(や、ヤバい……! これ、マジでヤバい……!)

 下の毛なら、まだ「野生的でいい」とか誤魔化せるかもしれない。
 でも、脇毛はダメだ。乙女として、アイドルオタクのサヤカの恋人として、これは致命的すぎる。
 ナイフやカミソリなんて文明の利器はない。果物ナイフ代わりにしている鋭利な石器はあるけれど、それで脇を剃るなんて、頸動脈を切るリスクと同義だ。怖くてできない。

 さらに追い打ちをかけたのが、サヤカの存在だった。
 彼女の実家は超がつくほどのお金持ちだ。高校入学祝いに、全身医療脱毛を完了させている。
 彼女の脇は、十日経った今でも、ゆで卵のようにツルツルで、白くて、光り輝いているのだ。

(なんで……! なんで私だけ、こんな原始人みたいになってんの!?)

 隣でツルツルの脇を惜しげもなく晒して伸びをしているサヤカを見て、私は惨めさと格差に打ちのめされた。
 見られたくない。幻滅されたくない。
 その一心で、私は不自然な行動を取るようになった。

 イチャイチャする時も、決して腕を上げない。
 後ろから抱きつかれても、脇をギュッと締めてガードする。
 キスをする時も、万歳はせずに「前へならえ」の姿勢を崩さない。

「んっ……ミナ、どうしたの? なんか動き、硬くない?」
「き、気のせいだよっ! 日焼けして痛いだけ!」

 そんな無理のある嘘をつき続けて、三日目のある日。
 夕暮れのビーチで、いい雰囲気になった時だった。
 サヤカが私を押し倒し、Tシャツ(洗濯して乾かしたやつ)を脱がそうとしてきた。

「や、やだっ! 今日は服着たままがいいっ!」
「なんでよー。汗かいてるし、脱いだほうが気持ちいいじゃん」
「だめっ! 絶対だめっ!」

 私が頑なに脇を締めて抵抗すると、サヤカはふと動きを止め、私の顔をじっと覗き込んできた。
 その瞳は、何かを悟ったように真剣だった。

「……ミナ。最近なんか、あまり楽しくなさそうだけど」
「えっ……そ、そんなこと……」
「隠さないで。……ひょっとして、脇のこと、気にしてる?」

 ドクンッ!!
 心臓が止まるかと思った。
 図星だ。クリティカルヒットだ。

「……え、あ、なんで……」
「分かるよ。ずっと腕閉じてるもん。……見せて?」

 サヤカの手が、私の二の腕に伸びる。
 終わった。
 私の十日間の密林が、最愛の彼女の目に晒される。
 
(ああああああ! 神様ふざけんな! あの船会社訴えてやる! 海保マジで早く助けに来いよバカヤローーーッ!!)

 私は心の中で絶叫しながら、涙目でギュッと目を閉じた。
 抵抗する力もなく、私の腕はサヤカによってゆっくりと持ち上げられていく。
 夕日に照らされる、私の恥ずかしいジャングル。
 サヤカの視線が、そこに突き刺さるのを感じた。


 オレンジ色の夕日が、私の羞恥心を残酷なまでに照らし出していた。
 無人島のビーチ。さざ波の音だけが響く静寂の中、私は両腕を万歳の状態で固定され、世界で一番見られたくない場所を晒け出している。
 私の腋の下に広がる、十日間のサバイバルの証である密林(ジャングル)。
 普段なら脱毛処理でツルツルにしているはずの場所が、今は無惨な姿になっている。

(いやだ、死にたい……! こんなボーボーの腋を見られるくらいなら、スッポンポンであそこをガン見される方が百万倍マシだよっ!)

 私は目からポロポロと涙を流し、首を横に振って懇願した。

「……っ、見ないで……! お願い、サヤカ……見ないでぇ……っ!」

 恋人に幻滅されたくない。
 「汚い」「不潔」って思われたくない。
 そんな恐怖で心がいっぱいだった。

 けれど、私の必死の訴えは、かえってサヤカの中の「何か」のスイッチを入れてしまったようだった。
 彼女は私の腕を掴んだまま、ゆっくりと顔を近づけてくる。
 その瞳は、軽蔑でも幻滅でもなく……とろりと甘く、熱っぽく濡れていた。

「ミナ……♥ そんなに恥ずかしいの?」
「は、恥ずかしいよっ……! こんなの、女の子として終わってるもん……っ!」
「終わってないよ。……今のミナの身体、とても素敵だよ……♥」

 サヤカの声色が、いつもより低く、艶めいている。
 彼女の視線は、私の密林に釘付けだ。
 そして、信じられない行動に出た。
 サヤカが舌を出し、私の腋に顔を埋めたのだ。

「ひゃうっ!?♥ う、嘘っ、信じらんないっ! な、舐めっ……!?」

 ペロリ、ジョリッ……♥
 舌の柔らかい感触と、自分の毛が擦れるザラザラした感触。
 今まで味わったことのない、未知の刺激が脳髄を直撃する。

「んむ……ちゅぷ……じゅるっ……♥」
「い、いやぁっ! サヤカっ、汚いよっ、やめてぇっ!♥」

 私は腰をくねらせて逃げようとしたけれど、サヤカは逃がしてくれなかった。
 むしろ、私の腕をさらに強く掴み、脇の窪みに舌をねじ込んでくる。

「汚くないよ。……大丈夫だよミナ、どんな状態になっても、ミナの身体は最高だから……♥」

 サヤカが顔を上げ、糸を引く唾液を拭いもせずに微笑む。

「石鹸が無くて水浴びしか出来てない、ミナの本当の身体の匂い……野生の匂いがして、すっごく興奮する……♥」
「や、野生って……私、ケモノじゃないもん……っ」
「ううん、ケモノだよ。……この薄くて柔らかい腋毛も、全部愛してあげる……♥」

 サヤカは再び私の腋に吸い付いた。
 今度は、毛を一本一本味わうように、絡め取るように。
 レロレロレロ……チュプッ……♥

「ああっ、んあっ!♥ そこっ、くすぐったいっ、けど、気持ちいいっ……!♥」

 羞恥心と快感のダブルパンチ。
 見られたくない場所を愛されているという事実が、私の理性を焼き尽くしていく。
 自分の匂い。自分の毛。
 文明社会では「隠すべきもの」とされていたそれらが、ここでは最高のフェロモンになっている。

「ミナのここ……味、濃いね……♥ しょっぱくて、酸っぱくて……癖になる味……♥」
「言わないでぇっ! 味とか言わないでぇっ! 恥ずかしいっ!♥」
「恥ずかしがってるミナ、可愛い……。もっといじめてあげる」

 サヤカの手が、私の下半身へと伸びる。
 葉っぱビキニの隙間から、もう一つのジャングルへ。
 そこも、十日間の放置で自然な状態に戻りつつあった。

「こっちの毛も……ふわふわしてて、気持ちいい……♥」
「ああっ、そこもっ、ボーボーなのにっ……!」
「ツルツルもいいけど、生えてるのもエロくて好きかも。……ミナの全てを、私が独り占めしてるって感じがして」

 サヤカの指が、毛をかき分けて秘部を弄る。
 腋への愛撫と、下への愛撫。
 上下からの野生的な刺激に、私は耐えきれず足をバタつかせた。

「サヤカっ、サヤカっ! 変になっちゃうっ! 無人島でっ、ケモノになっちゃうぅっ!♥」
「なっちゃえよ。……誰にも遠慮はいらないんだから」

 サヤカが私に覆いかぶさり、濃厚なキスをする。
 口の中にも、私の腋の味が広がっていく。
 それが嫌じゃない。むしろ、二人で溶け合っている実感がして、たまらなく愛おしい。

 文明も、ルールも、脱毛サロンもない世界。
 そこで私たちは、ありのままの姿で、お互いの匂いと味を貪り合った。

「いくっ! サヤカっ、イッちゃうッ! 腋舐められてイッちゃうぅぅッ!!♥」
「イッて! 私の舌で、野生に還ってッ!!♥」

 ビクンッ!! ビクビクッ!!♥
 夕暮れの空の下、私は盛大に絶頂した。
 恥ずかしさなんて、波と一緒に彼方へ流されていった。

 ***

 数日後。
 水平線の彼方に、日本の巡視船の姿が見えた時。
 私たちは砂浜で手を振りながら、少しだけ名残惜しい気持ちになっていた。
 助かった安堵感。
 でも、この島での「裸の付き合い」は、もう終わってしまう。

「……帰ったら、脱毛行く?」
「うーん……サヤカが『生えてるのも好き』って言うなら、このままでもいいかな……なんて♥」

 私が照れながら言うと、サヤカは嬉しそうに私の腋をつついた。
 無人島生活は終わるけれど、私たちの関係は、より深く、より濃厚なものに進化した。
 これからは文明社会の中で、二人だけの秘密のジャングルを育んでいくのも、悪くないかもしれない。

(第二十五章 完)
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