5 / 10
王宮で食糧難。嫌がらせで解決
しおりを挟む
皇子が拾ってきたどこの馬の骨とも分からん男。
城中から嫌われるのは当然の事で、まともに食事にありつけるのは皇子がいる時だけだった。
皇子がいない時に食事が供されないのは何時もの事でたまーに来たと思ったらネズミの死骸とか残飯とかだった。
俺は皇子が持ってきた菓子や、酒と共に出される燻製や朝食に並ぶ籠いっぱいのパンや果物を取って置いて皇子が居ない時の食事にした。
それでも、以前の生活に比べればずっと良かった。
美しい温室で愛する人を待つ生活にアルミスはとても満たされていた。
いや今の俺的には全然幸せだと思わねーけどな。
けれどその幸せも長くは続かない。
皇子が散々ごねたせいで婚約者候補止まりだった公爵令嬢はとても賢い女性だった。
この辺は嫌がらせしに来た侍女にいかに令嬢が素晴らしく俺がお邪魔虫かってのを熱く語られて知った事だが。(それ以外にこの温室の外の情報を得る手段は皆無だった)
なんと婚約者候補でありながら城中の人々が俺との仲を大反対する中、皇子を否定する事なく俺の存在ごと肯定し皇子の行動を立派で自立心があると褒め讃え、周囲には彼の心を射止めれなかった自分が悪いのだ。自分だけでも彼の味方になって支えたいと涙ながらに語ったと言う。
一番の被害者でありながらなんと慈悲深い女性なんだと周りの評判はうなぎ登り。(逆に俺への憎しみは増し増し)
皇子は皇子で王宮で唯一自分を認めてくれた美しく賢い令嬢に少しづつ惹かれていった。
元々同じような環境で同じような教育を受けて来た二人だ。アルミスなんかよりずっと話も合う。
媚びる女が嫌いだってのも出て行く前で分かったからアピールポイントを変えて気丈に支える良い女で攻めたのだろう。
皇子が彼女に惹かれ、彼女を愛するのに時間は掛からなかった。
そんな恋する過程を皇子が楽しんでる間の俺?勿論放置だ。
皇子から貰った菓子も底を付き、温室のベリーを少しづつ食べて糊口を凌ぐ中、庭師が温室の外に面した窓の前に偽臭薔薇を大量に植えた。
偽臭薔薇とは、その名の通り薔薇によく似た花で、らっきょう漬けに糠漬けを足したみたいなツーンと酸っぱい独特の臭いがする植物だ。
これは獣の嫌がる臭いで山裾の村などでは森の前によく植えられる。
これは大掛かりな嫌がらせだ。
皇子がもう来ないと確信してのものだろう。
しかし、山あいの領地で育った俺はその実が食べられる事を知っていた。
すげー臭いのは薔薇に似た花だけで根元にボツボツと瘤のように生える実は、匂いの付いた殻さえ剥けばとても美味しくて栄養満点なのだ。
きっとこれを指示した侍女だか令嬢だかはそんな事知らないんだろうけどね。
てか森からずっと遠い都会のこの辺では平民でも知らないか。
これ生ってる位置と見た目が虫の卵っぽくも糞っぽくも見えるし。
けれど食うに欠いた人々は木の根だって齧るのだ。
先人の知恵だね。
この臭い殻ごと干しておけば虫にも喰われないし、かなりの日持ちがする。
水分が抜けて中が干しぶどうのようになるんだ。
俺は王宮の栄養満点の土で育った偽臭薔薇の実を美味しく頂いてなんとか生きていた。
城中から嫌われるのは当然の事で、まともに食事にありつけるのは皇子がいる時だけだった。
皇子がいない時に食事が供されないのは何時もの事でたまーに来たと思ったらネズミの死骸とか残飯とかだった。
俺は皇子が持ってきた菓子や、酒と共に出される燻製や朝食に並ぶ籠いっぱいのパンや果物を取って置いて皇子が居ない時の食事にした。
それでも、以前の生活に比べればずっと良かった。
美しい温室で愛する人を待つ生活にアルミスはとても満たされていた。
いや今の俺的には全然幸せだと思わねーけどな。
けれどその幸せも長くは続かない。
皇子が散々ごねたせいで婚約者候補止まりだった公爵令嬢はとても賢い女性だった。
この辺は嫌がらせしに来た侍女にいかに令嬢が素晴らしく俺がお邪魔虫かってのを熱く語られて知った事だが。(それ以外にこの温室の外の情報を得る手段は皆無だった)
なんと婚約者候補でありながら城中の人々が俺との仲を大反対する中、皇子を否定する事なく俺の存在ごと肯定し皇子の行動を立派で自立心があると褒め讃え、周囲には彼の心を射止めれなかった自分が悪いのだ。自分だけでも彼の味方になって支えたいと涙ながらに語ったと言う。
一番の被害者でありながらなんと慈悲深い女性なんだと周りの評判はうなぎ登り。(逆に俺への憎しみは増し増し)
皇子は皇子で王宮で唯一自分を認めてくれた美しく賢い令嬢に少しづつ惹かれていった。
元々同じような環境で同じような教育を受けて来た二人だ。アルミスなんかよりずっと話も合う。
媚びる女が嫌いだってのも出て行く前で分かったからアピールポイントを変えて気丈に支える良い女で攻めたのだろう。
皇子が彼女に惹かれ、彼女を愛するのに時間は掛からなかった。
そんな恋する過程を皇子が楽しんでる間の俺?勿論放置だ。
皇子から貰った菓子も底を付き、温室のベリーを少しづつ食べて糊口を凌ぐ中、庭師が温室の外に面した窓の前に偽臭薔薇を大量に植えた。
偽臭薔薇とは、その名の通り薔薇によく似た花で、らっきょう漬けに糠漬けを足したみたいなツーンと酸っぱい独特の臭いがする植物だ。
これは獣の嫌がる臭いで山裾の村などでは森の前によく植えられる。
これは大掛かりな嫌がらせだ。
皇子がもう来ないと確信してのものだろう。
しかし、山あいの領地で育った俺はその実が食べられる事を知っていた。
すげー臭いのは薔薇に似た花だけで根元にボツボツと瘤のように生える実は、匂いの付いた殻さえ剥けばとても美味しくて栄養満点なのだ。
きっとこれを指示した侍女だか令嬢だかはそんな事知らないんだろうけどね。
てか森からずっと遠い都会のこの辺では平民でも知らないか。
これ生ってる位置と見た目が虫の卵っぽくも糞っぽくも見えるし。
けれど食うに欠いた人々は木の根だって齧るのだ。
先人の知恵だね。
この臭い殻ごと干しておけば虫にも喰われないし、かなりの日持ちがする。
水分が抜けて中が干しぶどうのようになるんだ。
俺は王宮の栄養満点の土で育った偽臭薔薇の実を美味しく頂いてなんとか生きていた。
0
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第22話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
※第25話を少し修正しました。
※第26話を少し修正しました。
※第31話を少し修正しました。
※第32話を少し修正しました。
────────────
※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!!
※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる