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リツからの試練
まずは小手調べ1
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「さて──、これからの話だが、まずは兵力教化だな。皆はこのリツに従事し、算学のノウハウを身に着けてほしい。オレからは以上だ。リツ、あとは頼んだぞ」
「えっ……?」
ぽかんとしつつも、何をすべきかはすぐに理解した。浮かび上がる透明なスクリーンの前に立ち、元講師は授業さながらに声を張る。
「皆さんもご存じかと思いますが、この教科には様々な分野があります。計算一つとっても単純にこなしていくものから、逆算するもの、工夫しないと苦労するもの、数列を用いたものと幅広くなります。正解するのは当たり前──、スピード“感”ではなく早いスピードで答えられるよう鍛えていきましょう。まずは皆さんの実力を知りたいので、この問題に挑戦していただきましょう──はじめてください」
〝制限時間1分:次の計算をしなさい
397×97-201×36+206×88-108×133+397×79=□〟
式が表示されるなり、周囲からどよめきの声が上がった。焦った様子でペンを走らせたり憮然とした面持ちを浮かべたまま固まったりと、彼らの反応はまちまちである。
「こりゃまたずいぶんすげぇ数を出してきたな──」
「はは……(あなたほどの無茶ぶりはしていないって)」ボスのリアクションを横目にリツは苦笑交じりに、「とりあえず最初はタイムオーバーでもいいので、答えを出してみてください」
師の発言を受け胸を撫で下ろしたのか、戦士たちはシンと静まり返り、おのおの数値を求めていく。一人一人の頭上に浮かぶカウントダウンは次々止まり、全員がゴールしたときのタイムは3分43秒だった。
「先に答えを発表します──正解は66400です。最も早かったのは、ラヴィアフェルズさんの24秒ですね──さすがです」
「おいおい、そんな褒めんなよ。あんたとオレの仲じゃねぇか」
「はは……(どんな仲なんだか)」
浅黒い腕を回され、リツは真っ白な頬を紅潮させながら、「もちろん普通に計算すれば正解に辿り着けますが、この制限時間となると、瞬時に1つ1つの答えが浮かぶような方でない限り無理でしょう。仮になんとか急ぎに急いで求められたとして──、それならもっと大きな数が出てきたらどうするのかという話にもなるわけです。敢えてこういった値を選ぶということは、裏を返せば抜け道があるということに他ならないわけで──。それをいち早く見つけて要領よくやることが肝心です。それでは、解答の一例を紹介いたします──」
「えっ……?」
ぽかんとしつつも、何をすべきかはすぐに理解した。浮かび上がる透明なスクリーンの前に立ち、元講師は授業さながらに声を張る。
「皆さんもご存じかと思いますが、この教科には様々な分野があります。計算一つとっても単純にこなしていくものから、逆算するもの、工夫しないと苦労するもの、数列を用いたものと幅広くなります。正解するのは当たり前──、スピード“感”ではなく早いスピードで答えられるよう鍛えていきましょう。まずは皆さんの実力を知りたいので、この問題に挑戦していただきましょう──はじめてください」
〝制限時間1分:次の計算をしなさい
397×97-201×36+206×88-108×133+397×79=□〟
式が表示されるなり、周囲からどよめきの声が上がった。焦った様子でペンを走らせたり憮然とした面持ちを浮かべたまま固まったりと、彼らの反応はまちまちである。
「こりゃまたずいぶんすげぇ数を出してきたな──」
「はは……(あなたほどの無茶ぶりはしていないって)」ボスのリアクションを横目にリツは苦笑交じりに、「とりあえず最初はタイムオーバーでもいいので、答えを出してみてください」
師の発言を受け胸を撫で下ろしたのか、戦士たちはシンと静まり返り、おのおの数値を求めていく。一人一人の頭上に浮かぶカウントダウンは次々止まり、全員がゴールしたときのタイムは3分43秒だった。
「先に答えを発表します──正解は66400です。最も早かったのは、ラヴィアフェルズさんの24秒ですね──さすがです」
「おいおい、そんな褒めんなよ。あんたとオレの仲じゃねぇか」
「はは……(どんな仲なんだか)」
浅黒い腕を回され、リツは真っ白な頬を紅潮させながら、「もちろん普通に計算すれば正解に辿り着けますが、この制限時間となると、瞬時に1つ1つの答えが浮かぶような方でない限り無理でしょう。仮になんとか急ぎに急いで求められたとして──、それならもっと大きな数が出てきたらどうするのかという話にもなるわけです。敢えてこういった値を選ぶということは、裏を返せば抜け道があるということに他ならないわけで──。それをいち早く見つけて要領よくやることが肝心です。それでは、解答の一例を紹介いたします──」
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