66 / 210
凍てつく
しおりを挟む
これは地球からの警告なのだろうか。それとも政府の陰謀か。
いったい誰が何のために――
☆☆
コンビニで昼ごはんを買った帰りのこと、前を歩いていた若い男性が突然、上から降ってきた氷に押し潰されたのだ。
歩道と氷の隙間から血が溢れてくる。氷の高さは二メートル以上で、横幅は五十センチ以上はあると思われた。
俺は恐る恐る空を見上げた。背筋が震え上がった。数え切れないほどの氷が降ってくる。
辺り一帯から悲鳴が飛び交い、俺は必死に氷から逃げ続けた。
その間にも老若男女が次々に押し潰されていく。溢れ出た血に足を取られ、押し潰されている者もいた。
近くにあったビルに避難する。すでに何十人かはビルに避難していた。
出入り口のガラス越しに氷が降り続いているのが窺える。
何が起きているのかはさっぱり分からないが、今は生き延びることだけを考える。
身体が恐怖で小刻みに震え出す。これほどまでの恐怖は今まで味わったことがない。
血の匂いがビルの中にまで漂ってくる。その強烈な臭いに思わず鼻をつまんだ。
ギシと何かが軋む音がした。反射的に辺りを見回す。
音が大きくなっていく。
このままビルにいては危険だと判断し、俺は意を決してビルの外へ出た。
わずか数秒後、ビルは盛大な音を立てて、崩壊した。
外も建物の中も危険なら、一体どこへ逃げればいいのだろうか。
☆☆
それから約二ヶ月間、氷は降り続いた。
そして――
地球温暖化と過剰な人口増加は、ひとまず食い止められたのである。
いったい誰が何のために――
☆☆
コンビニで昼ごはんを買った帰りのこと、前を歩いていた若い男性が突然、上から降ってきた氷に押し潰されたのだ。
歩道と氷の隙間から血が溢れてくる。氷の高さは二メートル以上で、横幅は五十センチ以上はあると思われた。
俺は恐る恐る空を見上げた。背筋が震え上がった。数え切れないほどの氷が降ってくる。
辺り一帯から悲鳴が飛び交い、俺は必死に氷から逃げ続けた。
その間にも老若男女が次々に押し潰されていく。溢れ出た血に足を取られ、押し潰されている者もいた。
近くにあったビルに避難する。すでに何十人かはビルに避難していた。
出入り口のガラス越しに氷が降り続いているのが窺える。
何が起きているのかはさっぱり分からないが、今は生き延びることだけを考える。
身体が恐怖で小刻みに震え出す。これほどまでの恐怖は今まで味わったことがない。
血の匂いがビルの中にまで漂ってくる。その強烈な臭いに思わず鼻をつまんだ。
ギシと何かが軋む音がした。反射的に辺りを見回す。
音が大きくなっていく。
このままビルにいては危険だと判断し、俺は意を決してビルの外へ出た。
わずか数秒後、ビルは盛大な音を立てて、崩壊した。
外も建物の中も危険なら、一体どこへ逃げればいいのだろうか。
☆☆
それから約二ヶ月間、氷は降り続いた。
そして――
地球温暖化と過剰な人口増加は、ひとまず食い止められたのである。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる