黒き死神が笑う日

神通百力

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生きるために

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 私は目を覚ますと、ダンボールをどかして体を起こした。私には住む家がなく、公園で寝起きしているのだ。この公園には私と同じように住む家がない少年少女が多く暮らしている。
 ふと一人の少女が八百屋のおじさんに声をかけ、店の奥に入っていくのが見えた。きっと店の奥では事に及んでいるはずだ。食べ物を得るために自分の体を売っているのだ。
 ここでは自分の体を売らないと生きていくことはできない。そうしないと食べ物を恵んでもらえない。私も何度か体を売ったことがある。私の体は穢れきっている。
 突然お腹が鳴った。私は公園の向かいにあるパン屋に向かう。
「何でも言うことを聞くから、食べ物を恵んでくれる?」
 開店の準備をしていたパン屋のおじさんに声をかける。パン屋のおじさんにはいつも食べ物を恵んでもらっている。もちろん体を売るのと引き換えにだ。
「ああ、いいよ。さあ、奥へおいで」
 私はおじさんに連れられて店の奥に行く。おじさんに言われるがままに服を脱いだ。
 三十分間も事に及び、私は菓子パンを恵んでもらった。おじさんは満足そうな笑みを浮かべている。
 私はおじさんに礼を述べると、公園に戻り、菓子パンを頬張った。おじさんの作る菓子パンは本当に美味しい。喉の渇きを癒すために、公園の水をがぶ飲みする。
 水をがぶ飲みしていると、突然肩を掴まれた。私は驚いて背後を振り返った。ガラの悪そうな三人の男が突っ立っている。
「君、可愛いね。どうだい、俺たちとやらないか?」
 言うや否や三人の男は私の服を剥いできた。一時間もの間、犯され続けた。誰も私を助けようとはしなかった。それも当然だ。誰も面倒事に関わりたくないのだ。私だってシカトするだろう。治安も何もあったもんじゃない。この街は腐っているのだから。
 三人の男は満足そうに帰っていった。私は服を着直すと、ダンボールに包まって横になった。
 二回もやる羽目になるとは思わなかったが、良しとする。私の体はとっくに汚れているのだし。

 ――どうせ、明日も体を売るのだから。
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