黒き死神が笑う日

神通百力

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ブルマを盗んだ犯人

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「みんな聞いてくれ。浅見あさみのブルマが盗まれた」
 俺はみんなを見渡した。クラス中がざわつき、戸惑いの表情を見せる。それも当然だろう。
「犯人探しの前に浅見に聞きたいことがある。なんでブルマを持ってきているんだ? 男子校だぞ?」
「……盗まれたのはお姉ちゃんのブルマなんです。お姉ちゃんはいつも僕をいじめるんです。その仕返しのためにお姉ちゃんの鞄からブルマを盗みました。お姉ちゃんは体育の授業が好きだから。それなのにまさかブルマを盗まれるなんて」
 浅見は体が震えていた。涙も流している。姉に叱られるかもしれないと怯えているのだろう。ブルマを盗んだだけでなく、盗まれたのだから。
「なるほど、それでブルマを持ってきていたのか。安心しろ、浅見のお姉ちゃんのためにも必ず犯人を見つけてやるからな」
 俺は浅見の頭を撫でた。浅見は安心したような表情を見せる。
「みんな目を瞑ってくれ。盗んだ奴は正直に手を挙げろ。いいな? よし手を挙げろ!」
 クラス全員が目を瞑ったのを確認し、俺は勢いよく手を挙げた。
『先生が犯人かよ!』
 浅見を含めたクラス全員からつっこまれた。
 クラス全員がチラ見していたことに俺は愕然とした。

 その後、俺は学校をクビになった。
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