黒き死神が笑う日

神通百力

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死体仕分師

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 私は工場で死体を仕分けていた。
 目の前には直径三メートルほどの穴があり、鉄板で仕切られていた。左側の鉄板には『死後一週間以内』、右側の鉄板には『死後一ケ月以内』と書かれた紙が貼られている。死後の経過によって死体を仕分けているのだ。台車に山積みになった死体を穴に放り込んでいく。
 私はこの工場で死体仕分師したいしわけしとして働いている。死体仕分師はその名の通り、死体を仕分ける仕事だ。知名度はあまりないが、給料が高いこともあって、密かに人気となりつつある。
 死体を仕分けるだけでいいから、それほど疲れたりはしない。
 直径三メートルほどの穴が死体で埋め尽くされていく。死体を仕分け終え、壁に設置されたスイッチを押した。機械が作動し、四角形の鉄の塊が死体を押しつぶしていく。
 死体は原形をとどめておらず、バラバラになっていた。あとは袋に詰めて別の工場に送るだけだ。加工は各工場に任せている。工場で加工された死体は飲食店に送られる。
 を豚肉や牛肉と偽って客に提供しているのだ。

 多くの人が人間の肉と知らずに食べている。
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