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朝生は数学準備室に辿り着くと横抱きのまま中に入ろうと詩音に扉を開けさせる。
詩音が扉を閉めると、鍵を締めさせた。
そのまま横抱きのままソファーに詩音をゆっくりと丁寧に壊れものを扱うような手付きで降ろす。
「飲み物準備するから待ってて……」
朝生がそう声をかけるとずっと無言で抱えられるままだった詩音はコクンと頷く。
朝生がコーヒーメーカーに豆を準備していると……、大きな深いため息が部屋中に響く。
朝生がビクッと肩を揺らし、今しがた大きなため息を吐いた人物にぎこちなく首を動かしながら視線を移す。
詩音がネクタイと襟元を緩めながら、足を組みソファーに深く身体を預け腕を背もたれにかけながらふんぞり返っていた。
「なぁ……、キヨ。お前なんであのチン毛の事黙ってた?」
詩音が正面にある棚を見据え、低く潜めた声で『キヨ』に問い掛ける。
「あっ、あのね!俺は、ちゃんとしーちゃんのスマホに今日の朝連絡したよっ?!俺だって、今日あのチン毛の事を知らされたんだよっ?!わざと黙ってた訳じゃないんだよー!!」
キヨは詩音の正面に滑り込むようにスライディング土下座をしながら、焦った様子で言い募る。
冷や汗をたらして顔色も悪く、声と身体も若干震えている。
「あ゙ぁっ?!連絡って云うのは届かないと意味が無いんだよっ?!」
低くドスの効いた声を荒げてキヨを怒鳴る『しーちゃん』。
「で、でも……、しーちゃんさぁ。俺からのLineeに全然返信くれないじゃんっ!!既読無視さえもないよねっ?!既読すらされ無いって酷くないっ?!」
キヨは正座したまま、頭を少しあげジト目で非難の視線をしーちゃんに向けながら口を尖らせる。
「はぁ、1件くらいは返してるし見てるだろ……。
お前のLinee無駄な連絡多くて見るのダルイんだよな……。電話しろ~?文明の利器を使えよ……」
そんなキヨを凍てつくような冷たい眼差しで見つめ、呆れた様に口を開く。
「全然無駄な連絡なんてしていないよっ!!しーちゃんが元気にしているか俺は常に不安なの!!
あとしーちゃんがいないと俺はやる気がでないから俺は常に繋がっていたいのっ!!
それに、電話してもしーちゃん出ないじゃん!!
だから俺のLineeには7件に1件くらい返してあげて!
でないと、俺はしーちゃん不足で……、あ゙ぁーー」
キヨが必死につらつらと鼻息荒く言い募り、最後には両手で顔を覆い天を仰ぎだした。
「お前くっそ重い!!」
そんなキヨの様子を凍てつく眼差しを向けるしーちゃんは一言で一刀両断する。
「しーちゃんが冷たいー!!酷いー!!俺はこんなにしーちゃんのことが好きなのにさぁ!!」
詩音の足に縋りつくように正座しながら器用にスネに頬ずりをし始めるキヨ。
そんなキヨを心底呆れた表情で見つつ、楽しそうに笑いを洩らすしーちゃん。
――それがいつもの2人。
『担任』と『生徒』とも違う本当の『キヨ』と『しーちゃん』の関係。
詩音が扉を閉めると、鍵を締めさせた。
そのまま横抱きのままソファーに詩音をゆっくりと丁寧に壊れものを扱うような手付きで降ろす。
「飲み物準備するから待ってて……」
朝生がそう声をかけるとずっと無言で抱えられるままだった詩音はコクンと頷く。
朝生がコーヒーメーカーに豆を準備していると……、大きな深いため息が部屋中に響く。
朝生がビクッと肩を揺らし、今しがた大きなため息を吐いた人物にぎこちなく首を動かしながら視線を移す。
詩音がネクタイと襟元を緩めながら、足を組みソファーに深く身体を預け腕を背もたれにかけながらふんぞり返っていた。
「なぁ……、キヨ。お前なんであのチン毛の事黙ってた?」
詩音が正面にある棚を見据え、低く潜めた声で『キヨ』に問い掛ける。
「あっ、あのね!俺は、ちゃんとしーちゃんのスマホに今日の朝連絡したよっ?!俺だって、今日あのチン毛の事を知らされたんだよっ?!わざと黙ってた訳じゃないんだよー!!」
キヨは詩音の正面に滑り込むようにスライディング土下座をしながら、焦った様子で言い募る。
冷や汗をたらして顔色も悪く、声と身体も若干震えている。
「あ゙ぁっ?!連絡って云うのは届かないと意味が無いんだよっ?!」
低くドスの効いた声を荒げてキヨを怒鳴る『しーちゃん』。
「で、でも……、しーちゃんさぁ。俺からのLineeに全然返信くれないじゃんっ!!既読無視さえもないよねっ?!既読すらされ無いって酷くないっ?!」
キヨは正座したまま、頭を少しあげジト目で非難の視線をしーちゃんに向けながら口を尖らせる。
「はぁ、1件くらいは返してるし見てるだろ……。
お前のLinee無駄な連絡多くて見るのダルイんだよな……。電話しろ~?文明の利器を使えよ……」
そんなキヨを凍てつくような冷たい眼差しで見つめ、呆れた様に口を開く。
「全然無駄な連絡なんてしていないよっ!!しーちゃんが元気にしているか俺は常に不安なの!!
あとしーちゃんがいないと俺はやる気がでないから俺は常に繋がっていたいのっ!!
それに、電話してもしーちゃん出ないじゃん!!
だから俺のLineeには7件に1件くらい返してあげて!
でないと、俺はしーちゃん不足で……、あ゙ぁーー」
キヨが必死につらつらと鼻息荒く言い募り、最後には両手で顔を覆い天を仰ぎだした。
「お前くっそ重い!!」
そんなキヨの様子を凍てつく眼差しを向けるしーちゃんは一言で一刀両断する。
「しーちゃんが冷たいー!!酷いー!!俺はこんなにしーちゃんのことが好きなのにさぁ!!」
詩音の足に縋りつくように正座しながら器用にスネに頬ずりをし始めるキヨ。
そんなキヨを心底呆れた表情で見つつ、楽しそうに笑いを洩らすしーちゃん。
――それがいつもの2人。
『担任』と『生徒』とも違う本当の『キヨ』と『しーちゃん』の関係。
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