ちょろぽよくんはお友達が欲しい

日月ゆの

文字の大きさ
7 / 27

7《キヨ side》

しおりを挟む
 

 しーちゃん。大好き。君だけが俺の世界の全て。

 君に出会った事で俺は愛を知ったと同時に失う怖さも知った。

 毛穴という概念が無いきめ細やかで白くて透き通るような白磁の肌。
 今は栗毛色に染めさせてしまったけれど、本当はシルバーブロンドの月の光をそのままうつした様な髪。
 虹彩が光に当たるたびに色を変えるから、魅入られて時を忘れてしまう大きくて零れそうなヘイゼル色の瞳。

 愛くるしくて、一度口付けて仕舞うとその柔らかさと温かさに酔いしれて離せなくなってしまう。中毒性のある甘い毒の様な小さな桜色の唇。
 しかも、キスで潤みを帯びると艶やかに光り輝く唇は誘うように小さく開く。
 ぷるんとした唇の隙間から覗く真っ赤な舌がとてつもなく美味しい。


 触れ、唇を寄せ、舐めて、吸い立て、歯を立てる。
 君の全てを食んで、トロトロに溶かし俺だけを感じて欲しい。

 そして……、快楽の海にたゆたうように、とろんと蕩けた君の瞳に映るのが俺だけ。
 

 それを感じる瞬間がぞくぞく身体の奥底から追い立てるように『幸福』が俺を満たす。

 「はぁ……、ん……、あぁっ……、キヨ、イカせてっ……」

 あぁ。動く度に、しーちゃんに鼻に抜ける甘い声で縋るように『キヨ』って呼ばれるのも好き。

 悦びで真っ赤に染まる小さな耳へ、情欲に塗れた熱を注ぎ込むように囁く。

 「……はぁっ……、ねぇ、清晴って言って?」
 「んぁ……、あぁっ……、きっよはる……」
 「んっ、俺のしぐれ……、愛してるっ」
 「んっ!ぁあ、……ぁああっ!!」

 俺は……、『清晴』って呼ばれたい。
 君だけの『清晴』になりたいから。
 お願い、俺の『しぐれ』。
 『しぐれ』が生きて俺の隣にいることが『幸せ』。

 でもさ……、
 幾度と無く肌は重ねたけれど、しーちゃんにとって俺は『何』?
 セフレ?
 恋人?
 友人?
 知人?

 『答え』を知るのが怖い。聞いてしまったら、今の曖昧な関係が終わってしまう気がして……。
 ねぇ、しーちゃん?俺達の関係をはっきりさせたら君は――

 だからしーちゃんが逃げられ無いようにしないといけない。

 去年、しーちゃんが突然『友達が欲しい』と言い出して苦手な勉強を始めて定時制高等学校を受験しようとしていた。

 やめてくれ。俺の目の届かないところにいかないで?
 君を失ったら……、俺の世界が終わる。

 だから……、俺の持つ全てを使った。
 俺がいずれ引き継ぐ学校にしーちゃんを入学させた。
 しーちゃんには知り合いからの仕事として、潜入するためって誤魔化した。
 この学校に生徒として入学し、この学校の生徒が暴走しないようにコントロール&監視をしながら架空の『加賀美 詩音』を演じ3年間過ごしてくれ。
 3年間過ごせば報酬と「高校卒業資格」を得られると。

 そんな怪しい仕事ある訳無いし、もしあっても俺がさせない。

 でも、しーちゃんは『ちょろぽよ』だから見事に騙された。

 何故か、しーちゃんは喜んでこの仕事を受けた。

 俺も仕事を紹介した責任をとるために、協力者として教師として潜入する事を伝えたら今迄に見た事が無いほど動揺していた。 
 大きな瞳をさらに開き、じわりと涙で潤ませた表情は、一瞬息が止まるほど可愛かった。
 そのまま欲望のままにキスして、しーちゃんへ襲いかかるのを堪えた俺は偉い!


 君が何故『友達』『高校卒業資格』が欲しいのかはわからない。

 君の欲しいモノは惜しみなく俺が全て捧げるから……、ずっと俺の傍にいて……。
 俺は君以外欲しくはないから……、『しぐれ』。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

王道学園の書記には過保護な彼氏がいるようで

春於
BL
「王道学園の副会長には愛しの彼氏がいるようで」のつづき (https://www.alphapolis.co.jp/novel/987002062/624877237) 王道学園に王道転校生がやってきた だけど、生徒会のメンバーは王道ではないようで… 【月見里学園】 生徒会 〈会長〉御宮司 忍 (おんぐうじ しのぶ) 〈副会長〉香月 絢人 (かづき あやと) 〈書記〉相園 莉央 (あいぞの りお) 〈会計〉柊 悠雅 (ひいらぎ ゆうが) 〈庶務〉一色 彩葉/日彩 (いっしき いろは/ひいろ) 風紀委員 〈風紀委員長〉伊武 征太郎 (いぶ せいたろう) 相園莉央親衛隊 〈親衛隊長〉早乙女 楓真 (さおとめ ふうま) 王道転校生 浅見翔大 (あさみ しょうた) ※他サイトにも掲載しています

灰かぶり君

渡里あずま
BL
谷出灰(たに いずりは)十六歳。平凡だが、職業(ケータイ小説家)はちょっと非凡(本人談)。 お嬢様学校でのガールズライフを書いていた彼だったがある日、担当から「次は王道学園物(BL)ね♪」と無茶振りされてしまう。 「出灰君は安心して、王道君を主人公にした王道学園物を書いてちょうだい!」 「……禿げる」 テンション低め(脳内ではお喋り)な主人公の運命はいかに? ※重複投稿作品※

マネージャー~お前を甲子園に連れて行ったら……野球部のエース♥マネージャー

夏目碧央
BL
 強豪校の野球部に入った相沢瀬那は、ベンチ入りを目指し、とにかくガッツを認めてもらおうと、グランド整備やボール磨きを頑張った。しかし、その結果は「マネージャーにならないか?」という監督からの言葉。瀬那は葛藤の末、マネージャーに転身する。  一方、才能溢れるピッチャーの戸田遼悠。瀬那は遼悠の才能を羨ましく思っていたが、マネージャーとして関わる内に、遼悠が文字通り血のにじむような努力をしている事を知る。

笑わない風紀委員長

馬酔木ビシア
BL
風紀委員長の龍神は、容姿端麗で才色兼備だが周囲からは『笑わない風紀委員長』と呼ばれているほど表情の変化が少ない。 が、それは風紀委員として真面目に職務に当たらねばという強い使命感のもと表情含め笑うことが少ないだけであった。 そんなある日、時期外れの転校生がやってきて次々に人気者を手玉に取った事で学園内を混乱に陥れる。 仕事が多くなった龍神が学園内を奔走する内に 彼の表情に接する者が増え始め── ※作者は知識なし・文才なしの一般人ですのでご了承ください。何言っちゃってんのこいつ状態になる可能性大。 ※この作品は私が単純にクールでちょっと可愛い男子が書きたかっただけの自己満作品ですので読む際はその点をご了承ください。 ※文や誤字脱字へのご指摘はウエルカムです!アンチコメントと荒らしだけはやめて頂きたく……。 ※オチ未定。いつかアンケートで決めようかな、なんて思っております。見切り発車ですすみません……。

先輩たちの心の声に翻弄されています!

七瀬
BL
人と関わるのが少し苦手な高校1年生・綾瀬遙真(あやせとうま)。 ある日、食堂へ向かう人混みの中で先輩にぶつかった瞬間──彼は「触れた相手の心の声」が聞こえるようになった。 最初に声を拾ってしまったのは、対照的な二人の先輩。 乱暴そうな俺様ヤンキー・不破春樹(ふわはるき)と、爽やかで優しい王子様・橘司(たちばなつかさ)。 見せる顔と心の声の落差に戸惑う遙真。けれど、彼らはなぜか遙真に強い関心を示しはじめる。 **** 三作目の投稿になります。三角関係の学園BLですが、なるべくみんなを幸せにして終わりますのでご安心ください。 ご感想・ご指摘など気軽にコメントいただけると嬉しいです‼️

平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています

七瀬
BL
あらすじ 春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。 政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。 **** 初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m

Q.親友のブラコン兄弟から敵意を向けられています。どうすれば助かりますか?

書鈴 夏(ショベルカー)
BL
平々凡々な高校生、茂部正人«もぶまさと»にはひとつの悩みがある。 それは、親友である八乙女楓真«やおとめふうま»の兄と弟から、尋常でない敵意を向けられることであった。ブラコンである彼らは、大切な彼と仲良くしている茂部を警戒しているのだ──そう考える茂部は悩みつつも、楓真と仲を深めていく。 友達関係を続けるため、たまに折れそうにもなるけど圧には負けない!!頑張れ、茂部!! なお、兄弟は三人とも好意を茂部に向けているものとする。 7/28 一度完結しました。小ネタなど書けたら追加していきたいと思います。

全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話

みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。 数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品

処理中です...