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花の妖精と花壇荒らし事件
① 宮川小たんてい団始動
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俺、吉本正義(よしもと まさよし)は、夢への第一歩を踏み出そうとしていた。
武術道場の娘で、男子中学生にも負けない実力者、佐那原朱里(さなはら あかり)。
学校一の優等生で、推理力に優れた有時賢(ありとき けん)。
この二人が宮川小たんてい団に入団してくれたことにより必要なチームの力は整っただろう。
次は、たんてい団を周りの人たちに知ってもらい『困った時にはたんてい団に頼ろう』と思ってもらうことだ。
実は、前々から準備はしてきた。
目標は日本一の探偵。
『名探偵』だ!
五月上旬。
賢の通う塾での事件が解決し、賢がたんてい団に入団した翌日。
俺は、朝から二人に詰め寄られていた。
賢の手にはポスター。
朱里の手にはチラシ。
どちらも宮川小たんてい団を知ってもらうために作ったものだ。
上部には『宮川小たんてい団、依頼募集中』と大きく書き、中央には小説『少年探偵団』のトレードマークをコピーした物を貼り付け、下部には俺、朱里、賢の名前とクラスを書いておいた。
自宅で作ったそれをコンビニのコピー機で大量にコピー。
早朝から学校内の目立つところに張り付けたり朝早くから学校に来ている生徒に配ったりした。
今思うとそれがあまり良い事ではなかったようだ。
特に、俺のクラスの担任、松本香澄(まつもと かすみ)先生にポスターを貼っている所を発見され、何をしているのかと問い詰められた時にチラシを一枚渡して『困ったことがありましたら、ぜひ宮川小たんてい団まで!』と宣伝したのがまずかった様だ。
松本先生に追いかけ回された挙句捕まり、チラシは全て没収。
さらに、貼ったポスターの回収をすることになった。
ちなみに、六年生の教室がある廊下に貼った一枚だけが俺が回収した時にはすでになく、それは登校してきた賢が気付いて回収したとのこと。
チラシは時間が無く回収できなかったのだが、そのうちの一枚が巡り巡って朱里の元に辿り着いたのだという。
そして、現在に至る。
「これはどういう事だ、正義」
怒りの表情で詰め寄る賢。
その後ろで、朱里はあきれたような表情をしていた。
宮川小たんてい団は、まずは人に知られないといけないため宣伝が必要だったと説明。
すると「だったら僕達二人にも声をかけてからやれ!」と、ごもっともな言葉をぶつけられた。
「ほらー、朝の会だぞー、全員席につけー。有時はクラス隣だろー? 戻りなさーい」
朝から俺を追いかけ回して疲れたようで、松本先生はだるそうな様子で教室に入ってきた。
賢は怒りの表情をそのままに教室を出て、朱里はため息をつきながら俺と少し離れた自分の席に座る。
一時的な平和な時間を取り戻した俺。
自分の席に座ると、一つ後ろの席の人が俺の背中を軽く叩いた。
振り向くと、そこには永屋幸太(ながや こうた)がいた。
六年生に進級する時に転校してきた男子。
家が貧乏らしく、いつもヨレヨレだったり少し穴が開いた服を着ている。
「とうした?」と聞くと「他にも何か持ってるなら隠した方が良い」と声をかけられた。
どういう事だ? と一瞬頭が止まっていると、松本先生はこう声を上げた。
「抜き打ちで持ち物チェックやるぞー」
俺の方と、朱里の方を見ている松本先生。
朱里の方は分からないが、俺には見られて困るものが……ある。
「残念ながら、持ち物チェックをやって正解でした」
俺達、宮川小たんてい団は、昼休みの時間に校長室に呼び出されていた。
三人の目の前には、席に座ってこっちを見ている校長先生。
宮川小学校の校長先生は女性で、年齢は四十代くらい。
いつもビシッとスーツを着ている、綺麗な感じの人だ。
その横には松本先生が立っていて、俺から回収した物を校長先生の席のテーブルに並べていく。
没収したチラシと回収したポスター。
そして、持ち物チェックで俺の席から出てきたチラシとポスターのストック、昼休みの時間に校内放送で宣伝しようと考えていた、活動内容やメンバーのクラスと名前などを書いた紙が置かれていた。
その中から、校長先生はチラシを手に取りまじまじと見ている。
「『宮川小たんてい団』ね……。なぜ探偵がひらがななんだ……? んー、面白そうな試みだが、今回の騒動を見るにトラブルを起こす可能性が高そうだ。学校としては活動を認めるのは難しそうだね……」
眉間にしわを寄せる校長先生。
「校長、申し訳ございません。私がちゃんと生徒達を見ていなかったせいで……」
「いえいえ、松本先生は悪くないですよ」
謝る松本先生に、校長先生はそう微笑んだ。
「確認ですが、探偵団では今まで実績はありますか? ボランティア活動をしたとか、人助けをしたとか……」
一瞬、言うか迷うような間を置き、校長先生はこう聞いた。
「……事件を解決したとか」
「はい。今まで二件事件を解決しています」
俺は真剣な表情で校長先生の問いに答える。
嘘はついていないので、私も賢も止めずに俺の言葉を聞いていた。
初めての事件は、朱里の父親が経営する道場で黒帯が無くなり、朱里が黒帯を締めたと疑われ謹慎処分を受けた事件だ。
その時には、俺が道場に潜入捜査し情報を集め、少し強引にではあったが賢に推理を手伝ってもらい事件を解決に導いた。
二件目の事件は、賢が通う塾での定期テストで塾の友人二人に不正の疑惑を掛けられた事件だ。
この事件では俺と朱里が二つある塾のうちの一つに潜入捜査して情報を集め、一人ずつ協力者を集めて、最後には犯人を罠にはめて事件を解決させた。
この話を、校長先生は静かに相槌を打ちながら聞いていた。
「なるほど、警察沙汰になるような話ではないようですが、実績はあるようですね。ところで、三人の中でリーダーは誰ですか? ポスターを貼ったり、チラシを配ったりして、実績について率先して話してくれた吉本君?」
「はい。宮川小たんてい団の団長をしています。他二人は、俺が誘った団員です」
「……そうですか。では、吉本君。先ほども言いましたが、学校としては、君達の活動を認められません。ポスターの掲示やチラシの配布は禁止とします。以上です」
武術道場の娘で、男子中学生にも負けない実力者、佐那原朱里(さなはら あかり)。
学校一の優等生で、推理力に優れた有時賢(ありとき けん)。
この二人が宮川小たんてい団に入団してくれたことにより必要なチームの力は整っただろう。
次は、たんてい団を周りの人たちに知ってもらい『困った時にはたんてい団に頼ろう』と思ってもらうことだ。
実は、前々から準備はしてきた。
目標は日本一の探偵。
『名探偵』だ!
五月上旬。
賢の通う塾での事件が解決し、賢がたんてい団に入団した翌日。
俺は、朝から二人に詰め寄られていた。
賢の手にはポスター。
朱里の手にはチラシ。
どちらも宮川小たんてい団を知ってもらうために作ったものだ。
上部には『宮川小たんてい団、依頼募集中』と大きく書き、中央には小説『少年探偵団』のトレードマークをコピーした物を貼り付け、下部には俺、朱里、賢の名前とクラスを書いておいた。
自宅で作ったそれをコンビニのコピー機で大量にコピー。
早朝から学校内の目立つところに張り付けたり朝早くから学校に来ている生徒に配ったりした。
今思うとそれがあまり良い事ではなかったようだ。
特に、俺のクラスの担任、松本香澄(まつもと かすみ)先生にポスターを貼っている所を発見され、何をしているのかと問い詰められた時にチラシを一枚渡して『困ったことがありましたら、ぜひ宮川小たんてい団まで!』と宣伝したのがまずかった様だ。
松本先生に追いかけ回された挙句捕まり、チラシは全て没収。
さらに、貼ったポスターの回収をすることになった。
ちなみに、六年生の教室がある廊下に貼った一枚だけが俺が回収した時にはすでになく、それは登校してきた賢が気付いて回収したとのこと。
チラシは時間が無く回収できなかったのだが、そのうちの一枚が巡り巡って朱里の元に辿り着いたのだという。
そして、現在に至る。
「これはどういう事だ、正義」
怒りの表情で詰め寄る賢。
その後ろで、朱里はあきれたような表情をしていた。
宮川小たんてい団は、まずは人に知られないといけないため宣伝が必要だったと説明。
すると「だったら僕達二人にも声をかけてからやれ!」と、ごもっともな言葉をぶつけられた。
「ほらー、朝の会だぞー、全員席につけー。有時はクラス隣だろー? 戻りなさーい」
朝から俺を追いかけ回して疲れたようで、松本先生はだるそうな様子で教室に入ってきた。
賢は怒りの表情をそのままに教室を出て、朱里はため息をつきながら俺と少し離れた自分の席に座る。
一時的な平和な時間を取り戻した俺。
自分の席に座ると、一つ後ろの席の人が俺の背中を軽く叩いた。
振り向くと、そこには永屋幸太(ながや こうた)がいた。
六年生に進級する時に転校してきた男子。
家が貧乏らしく、いつもヨレヨレだったり少し穴が開いた服を着ている。
「とうした?」と聞くと「他にも何か持ってるなら隠した方が良い」と声をかけられた。
どういう事だ? と一瞬頭が止まっていると、松本先生はこう声を上げた。
「抜き打ちで持ち物チェックやるぞー」
俺の方と、朱里の方を見ている松本先生。
朱里の方は分からないが、俺には見られて困るものが……ある。
「残念ながら、持ち物チェックをやって正解でした」
俺達、宮川小たんてい団は、昼休みの時間に校長室に呼び出されていた。
三人の目の前には、席に座ってこっちを見ている校長先生。
宮川小学校の校長先生は女性で、年齢は四十代くらい。
いつもビシッとスーツを着ている、綺麗な感じの人だ。
その横には松本先生が立っていて、俺から回収した物を校長先生の席のテーブルに並べていく。
没収したチラシと回収したポスター。
そして、持ち物チェックで俺の席から出てきたチラシとポスターのストック、昼休みの時間に校内放送で宣伝しようと考えていた、活動内容やメンバーのクラスと名前などを書いた紙が置かれていた。
その中から、校長先生はチラシを手に取りまじまじと見ている。
「『宮川小たんてい団』ね……。なぜ探偵がひらがななんだ……? んー、面白そうな試みだが、今回の騒動を見るにトラブルを起こす可能性が高そうだ。学校としては活動を認めるのは難しそうだね……」
眉間にしわを寄せる校長先生。
「校長、申し訳ございません。私がちゃんと生徒達を見ていなかったせいで……」
「いえいえ、松本先生は悪くないですよ」
謝る松本先生に、校長先生はそう微笑んだ。
「確認ですが、探偵団では今まで実績はありますか? ボランティア活動をしたとか、人助けをしたとか……」
一瞬、言うか迷うような間を置き、校長先生はこう聞いた。
「……事件を解決したとか」
「はい。今まで二件事件を解決しています」
俺は真剣な表情で校長先生の問いに答える。
嘘はついていないので、私も賢も止めずに俺の言葉を聞いていた。
初めての事件は、朱里の父親が経営する道場で黒帯が無くなり、朱里が黒帯を締めたと疑われ謹慎処分を受けた事件だ。
その時には、俺が道場に潜入捜査し情報を集め、少し強引にではあったが賢に推理を手伝ってもらい事件を解決に導いた。
二件目の事件は、賢が通う塾での定期テストで塾の友人二人に不正の疑惑を掛けられた事件だ。
この事件では俺と朱里が二つある塾のうちの一つに潜入捜査して情報を集め、一人ずつ協力者を集めて、最後には犯人を罠にはめて事件を解決させた。
この話を、校長先生は静かに相槌を打ちながら聞いていた。
「なるほど、警察沙汰になるような話ではないようですが、実績はあるようですね。ところで、三人の中でリーダーは誰ですか? ポスターを貼ったり、チラシを配ったりして、実績について率先して話してくれた吉本君?」
「はい。宮川小たんてい団の団長をしています。他二人は、俺が誘った団員です」
「……そうですか。では、吉本君。先ほども言いましたが、学校としては、君達の活動を認められません。ポスターの掲示やチラシの配布は禁止とします。以上です」
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