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第三章
マチ湖の精霊は迷惑していた
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「プキュ~?」
[レディ?ここは君の住処なのかな?とても綺麗な湖だね?]
[貴方ゴルドね?ティファと誓約を結んだ竜]
時期でもないのに、こんな所に呼び出してごめんなさいね?
丁度退屈していたから少し相手をしてくれないかしら?
[おや?もしかして、君はこの国の精霊なのかな?]
そうなの。
それも結構昔からこの地にいるのよ?それなのに、誰も私に気づきゃあしない。
まぁ精霊なんて本来そんなものなのだけど。
[そうなのよねぇ。それなのにあんな物がこの地に根付いてしまって困ってたの。人のテリトリーに勝手に入られて正直不愉快だったのよねー]
大樹が来てから、この国も隣の国も更に反対側まで生態や魔力のバランスが崩れてしまって立て直すのにも苦労しているのよ?本当に迷惑!あ、私はサウジスカルのマチ湖の精霊。名前は無いわ。だって誰もつけてくれないんだもの。
[そうなのだね?こんな綺麗なレディを困らせるとは紳士としてなってないね?]
[あはは!紳士?いいえ。アレは雛ね。精霊の雛!でも、大地に根付く前に人に触れてしまったから、もうアレは精霊とは呼べないわね。それにあの精霊はもう消えてしまうしね?]
あの子も可哀想に。
役目を持たない場所に縛り付けられて長い時間を過ごすうちに精霊本来の力を失ってしまったもの。
でも、どちらにせよ結果は変わらなかったのかもしれないけれどね?だって、結局貴方はティファを見つけたもの。
[君はもしや、ハイトやティファの事情を知っているのかな?]
[ええ、知っているわよ?だって私がした事だもの]
[君がした事?君は何をしたんだい?]
[ふふふ]
彼は望まれれば自分は人間になれると思っていたみたいだけど、そんな簡単に人間になんてなれるわけないでしょ?
だから私、彼がちゃんと人間になれるように手引きしてあげたのよ?彼がなりたがっていた、ゼクトリアム彼女の本当の家族になれるように。丁度死にかけた命を助けるついでにハイトの体に雛の核を吸収させた。ちゃんと彼等は約束通り貴方を愛してくれたでしょう?良かったわね?
[それは呆れた。精霊は人間に肩入れしたりしないのではないのかい?]
[人間にじゃないわよ。あの雛が余りに不憫だったから、ちょっとだけ手を貸して様子を見てたの。だってあの子話しかけても、全然私の話を聞かないんですもの]
無理も無いけど。
あんな形で無理矢理大事な核を奪われたら、そりゃ誰だって泣き喚くわよ。人間って本当、やる事えげつないわ。
しかも、最も信頼していた相手に裏切られたのだからね。
レインハートに呪詛をかけようとした時は流石に焦ったけれど。
やめてよ!彼等は私の運命の糸の行き先なんだから。
私にも貴方と同じチャンスはあるのよ?
まだ、その機会が巡って来ないだけで。
私は貴方と違って相手を間違えたりしないのよ。
[ほう?つまり、もしやティファの血筋は元々ハイトと巡り合う運命だったと?]
[どうかしらね?でも、あの子はデズロに助けを求めたでしょう?遠い国で小さく灯る光。だから私、彼をこちらへ呼び寄せたのだもの]
[・・・・・運命の相手かもしれない者を使って?思い切ったのだね?自分も相手を失うかもしれないのに]
そうね。それならばそれで、まぁしょうがないわよね?
でもエルハドは人間離れしてるから大丈夫よ。
それにエルハドは違ったしね?
彼が私のものにならなくて、ちょっと残念だけど。
[君はとても素敵な女性だね。この国がこんなに陽気で活気に溢れているのは君のお陰だろう]
[あら?お上手なのね?あの雛にも貴方の紳士的な態度を見習って欲しいものね?こんな美しい女性が言い寄っているのにちっとも靡きやしないんだから]
[・・・・人の姿になれるのなら、すでにお相手がいるのではないのかい?]
あらあら?心配してくれているのかしら?
この子良い子ねぇ?
精霊一人が消えたって大した事ではないのよ?
問題なのは存在し続けてしまう事なの。
精霊が産まれる数は決められているのだから。
[ハイトは迷惑だったでしょうけど、あの雛を引き取ってくれて正直助かったわ。あのまま放置してたら状況は悪化していたもの。彼が力を失って精霊でなくなれば、カスバールに新しい精霊を誕生させる事が出来る。次は空から落とすのはやめて貰わないと]
[ハハハ!違いないね?次は下から生み出して貰わないといけないね?]
こんなに誰かと会話したのは何百年ぶりかしら?
余り話し過ぎると情が移ってしまうわね。そろそろお引き取り願おうかしら?
[とても楽しかったよ。君の様な素晴らしい女性と話せて幸せな時間だった。また気が向いたら、いつでも声をかけてくれたまえ。私も君ほどではないが時間はたっぷりあるからね?]
[ええ、ゴルド。またお話ししましょう?もしかしたら街でバッタリ会う事もあるだろうから?]
[危険な事は程々に。また会える日を楽しみにしているよ]
ふふふ。
あの雛が来た時は本当に迷惑だったけど、ここしばらくは退屈しない毎日だったわ。
あら?騒がしいと思ったらあの子達。お隣の住人と戦っているわ。
人間って本当。諍いごとが絶えないのねぇ?でも、それもしばらくしたら、なくなるから安心しなさい。
[オスカールの精霊も今頃、冷や冷やしてるでしょうねぇ。
お互い苦労するわね。早い所ハイトに目を覚ましてもらわないとね?]
早く起きないと、あっという間にティファがお婆ちゃんになっちゃうわよ?そもそも貴方達まどろっこしいのよ。
人間の寿命なんて一瞬で終わっちゃうんだから、戦ばかりしてないでサッサと幸せになりなさいよ。散々振り回した私が言うのもどうかと思うけど。
[レディ?ここは君の住処なのかな?とても綺麗な湖だね?]
[貴方ゴルドね?ティファと誓約を結んだ竜]
時期でもないのに、こんな所に呼び出してごめんなさいね?
丁度退屈していたから少し相手をしてくれないかしら?
[おや?もしかして、君はこの国の精霊なのかな?]
そうなの。
それも結構昔からこの地にいるのよ?それなのに、誰も私に気づきゃあしない。
まぁ精霊なんて本来そんなものなのだけど。
[そうなのよねぇ。それなのにあんな物がこの地に根付いてしまって困ってたの。人のテリトリーに勝手に入られて正直不愉快だったのよねー]
大樹が来てから、この国も隣の国も更に反対側まで生態や魔力のバランスが崩れてしまって立て直すのにも苦労しているのよ?本当に迷惑!あ、私はサウジスカルのマチ湖の精霊。名前は無いわ。だって誰もつけてくれないんだもの。
[そうなのだね?こんな綺麗なレディを困らせるとは紳士としてなってないね?]
[あはは!紳士?いいえ。アレは雛ね。精霊の雛!でも、大地に根付く前に人に触れてしまったから、もうアレは精霊とは呼べないわね。それにあの精霊はもう消えてしまうしね?]
あの子も可哀想に。
役目を持たない場所に縛り付けられて長い時間を過ごすうちに精霊本来の力を失ってしまったもの。
でも、どちらにせよ結果は変わらなかったのかもしれないけれどね?だって、結局貴方はティファを見つけたもの。
[君はもしや、ハイトやティファの事情を知っているのかな?]
[ええ、知っているわよ?だって私がした事だもの]
[君がした事?君は何をしたんだい?]
[ふふふ]
彼は望まれれば自分は人間になれると思っていたみたいだけど、そんな簡単に人間になんてなれるわけないでしょ?
だから私、彼がちゃんと人間になれるように手引きしてあげたのよ?彼がなりたがっていた、ゼクトリアム彼女の本当の家族になれるように。丁度死にかけた命を助けるついでにハイトの体に雛の核を吸収させた。ちゃんと彼等は約束通り貴方を愛してくれたでしょう?良かったわね?
[それは呆れた。精霊は人間に肩入れしたりしないのではないのかい?]
[人間にじゃないわよ。あの雛が余りに不憫だったから、ちょっとだけ手を貸して様子を見てたの。だってあの子話しかけても、全然私の話を聞かないんですもの]
無理も無いけど。
あんな形で無理矢理大事な核を奪われたら、そりゃ誰だって泣き喚くわよ。人間って本当、やる事えげつないわ。
しかも、最も信頼していた相手に裏切られたのだからね。
レインハートに呪詛をかけようとした時は流石に焦ったけれど。
やめてよ!彼等は私の運命の糸の行き先なんだから。
私にも貴方と同じチャンスはあるのよ?
まだ、その機会が巡って来ないだけで。
私は貴方と違って相手を間違えたりしないのよ。
[ほう?つまり、もしやティファの血筋は元々ハイトと巡り合う運命だったと?]
[どうかしらね?でも、あの子はデズロに助けを求めたでしょう?遠い国で小さく灯る光。だから私、彼をこちらへ呼び寄せたのだもの]
[・・・・・運命の相手かもしれない者を使って?思い切ったのだね?自分も相手を失うかもしれないのに]
そうね。それならばそれで、まぁしょうがないわよね?
でもエルハドは人間離れしてるから大丈夫よ。
それにエルハドは違ったしね?
彼が私のものにならなくて、ちょっと残念だけど。
[君はとても素敵な女性だね。この国がこんなに陽気で活気に溢れているのは君のお陰だろう]
[あら?お上手なのね?あの雛にも貴方の紳士的な態度を見習って欲しいものね?こんな美しい女性が言い寄っているのにちっとも靡きやしないんだから]
[・・・・人の姿になれるのなら、すでにお相手がいるのではないのかい?]
あらあら?心配してくれているのかしら?
この子良い子ねぇ?
精霊一人が消えたって大した事ではないのよ?
問題なのは存在し続けてしまう事なの。
精霊が産まれる数は決められているのだから。
[ハイトは迷惑だったでしょうけど、あの雛を引き取ってくれて正直助かったわ。あのまま放置してたら状況は悪化していたもの。彼が力を失って精霊でなくなれば、カスバールに新しい精霊を誕生させる事が出来る。次は空から落とすのはやめて貰わないと]
[ハハハ!違いないね?次は下から生み出して貰わないといけないね?]
こんなに誰かと会話したのは何百年ぶりかしら?
余り話し過ぎると情が移ってしまうわね。そろそろお引き取り願おうかしら?
[とても楽しかったよ。君の様な素晴らしい女性と話せて幸せな時間だった。また気が向いたら、いつでも声をかけてくれたまえ。私も君ほどではないが時間はたっぷりあるからね?]
[ええ、ゴルド。またお話ししましょう?もしかしたら街でバッタリ会う事もあるだろうから?]
[危険な事は程々に。また会える日を楽しみにしているよ]
ふふふ。
あの雛が来た時は本当に迷惑だったけど、ここしばらくは退屈しない毎日だったわ。
あら?騒がしいと思ったらあの子達。お隣の住人と戦っているわ。
人間って本当。諍いごとが絶えないのねぇ?でも、それもしばらくしたら、なくなるから安心しなさい。
[オスカールの精霊も今頃、冷や冷やしてるでしょうねぇ。
お互い苦労するわね。早い所ハイトに目を覚ましてもらわないとね?]
早く起きないと、あっという間にティファがお婆ちゃんになっちゃうわよ?そもそも貴方達まどろっこしいのよ。
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