俺の悪役チートは獣人殿下には通じない

空飛ぶひよこ

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その声で①※

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『それにしても、獣人が人間に比べて手先が不器用だというのは、盲点だったな。人化すれば、手の形も完全に人間と同じになるから、器用さも変わらないと思っていた』

「やっぱり普段から人化しなれてないからじゃない? 人化してるのとしてないのとでは、爪の状態とかも違うし」

 獣面状態の獣人の手は、人間同様五本指に分かれていて、きちんと関節もあるけど、毛で覆われている者が多いし、爪の状態も鋭く硬い。人の手より殺傷能力は高いが、細かい作業をするには、恐らく向いていないのだろう。
 逆に言えば、常に人化状態でいれば、人間同様に細かい作業ができるようになる可能性が高い。

「実際、アスティは器用だもんな。ずっと人化してくれてただけあって」

『そうか? エディの前で、そう言われるようなことをした覚えはないのだが』

「いやいや、器用だよ。だって……」

 いつだって、俺の気持ちいい所を指先で器用に愛撫してくれてるし……と言いかけてから、自分がとんでもなく恥ずかしいことを口にしようとしていたことに気づいて、カアッと顔が赤くなった。
 同時に、ちんこと尻の奥が、ずくんとうずく。
 アストルディアの長く太い指が、乳首をこね回し、カリの周りを擦りあげ、尻の中をコリコリ弄ってくれた感覚が、鮮明に脳裏に蘇って、自然と息が荒くなった。

『エディ? どうした?』

「……いや。何でもない」

 ……うう、尻の中からとろっとしたもんが流れ出てきた。後一年弱そこに何も挿れる予定ないんだから、大人しくしときなさい! めっ!
 必死に脳内で素数を数えて、ビンビンなちんこと、だらだらよだれを垂らしている尻の穴を宥めようとしたが、残念ながら一度エロモードになった体は簡単には収まってくれない。
 だって学校にいた時は、当たり前みたいにヤリまくってたのに、もう一ヶ月以上も禁欲中なんだもん。そしてあと10ヶ月以上アスティとヤレないこともわかってるんだもん。
 そんな状態で久しぶりにアスティの声を聞いたから、かつての淡白っぷりが嘘のように、ムラムラしてしまう。
 ……まあ、だからって、他の男や女を代わりにしようだなんては一切思わねぇけど。番であるアストルディアに隠れて浮気した結果、辺境伯領が滅びたりなんかしたら笑えねぇし。あ、最悪の想定したら、性欲が少し収まってきた。このまま萎えろ、萎えろ。

『……クリスの魔道具のおかげで、こうして互いに別の場所にいても言葉を交わすことができるのはありがたいが、やはりお前に触れられないのは辛いな』

 せっかく性欲が収まってきたのを台無しにするようなアストルディアの言葉に、どきりとする。

『エディ。今すぐお前を抱き締めて、口づけたい。互いの舌を絡めて、唾液を混ぜあわせ、お前の口内を存分に貪りたい』

 思わずアストルディアの言葉につられるように、自分の唇を撫でていた。

『かつての慎ましさが嘘のように、赤く煽情的に育った胸の頂きを、指で優しく撫でて、摘んで、転がして』

「……んんっ!」

 アストルディアの言葉に誘導されるように、気がつけば乳首をいじっていて、久しぶりの快感に声が漏れた。
 指輪ごしに、くすりとアストルディアが笑うような声がして、自分がやっていることを見透かされていることに気がつき、羞恥で全身が熱くなる。
 ……て、てか、アストルディア、今笑ってんの!? 今までちゃんと笑っている顔、見たことないのに!? 見せろよ、その顔、俺に!!!

『舌で舐めて、吸いあげたいが、自分で自分の乳首は舐められないからな。指を舐めて唾液で濡らして、舌の代わりにしてごらん。エディ』

 そして始まる、テレフォン・セックス。
 き、貴重な魔道具をこんな風に使っちゃいけないと思います! 何か、すごく変態っぽいし!
 冷静な理性の突っ込みとは裏腹に、正直な体はトロンと蕩けて、舌は指を舐めしゃぶって濡らしていた。あら、不思議。

『ほら、エディ。まずは右の乳首から』

「……んっ……」



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