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始まりは、謎のハートから
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「ーーはい。それじゃあ、契約完了ですね。貴女のように、勤労意欲の溢れ、農業を愛する方がオーナーになって下さって本当によかったです。王もさぞかしお喜びでしょう」
サインした契約書を片手ににっこり微笑む、どこか胡散臭いモノクルイケメンに、私の目は釘付けだった。
具体的には、イケメンにというよりも、その顔の脇に突然現れた、謎の紋様に。
「……王家の契約書って、サインすると常人には見えないものが、見えるようになるのですか?」
「……え? 何をおっしゃっているんですか?」
怪訝そうに眉をひそめる、イケメンの顔の脇に見えるのは……私の認識が正しければ、ハートマーク。
しかも、なんか真っ黒な色をしている。
「え、これが見えているのって、私だけ……っ!」
次の瞬間、やたらきらきらした音楽がどこからか響いた。
突然視界に、胡散臭いイケメンがキャラ崩壊なくらいの笑顔でポーズを浮かべる場面が写真のように流れてきて、ぎょっと後ずさる。
……おい、ちょっと待て。お前、誰だよ。
突っ込む間もなく、続けて現れるのは、本当に「お前誰だよ」な見知らぬイケメン達。
漏れなく、なんか格好つけた謎のポーズをしながら、こちらに意味ありげな視線を送っている。
『ドラゴンの繁殖を画策する王家から、国営牧場のオーナーを任せられた、貴女。托されたドラゴンの卵を育てながら、牧場を経営して行こう!』
脳裏に、謎の声が聞こえる。
男とも女とも、年長とも年少とも言い難い、謎の声が。
『牧場を経営しているうちに接触してくる、イケメンキャラクター達。たくさん交流して、好感度のハートの色を赤くしていこう。ハートの色が変わるごとに、恋愛イベントが発生し、完全に赤く染まったら、結婚もできちゃうゾ☆』
……何だ。今の語尾。センスが古くないか。
いや、そういう突っ込みをしている場合でもないのだけど。
『貴女の選択次第で、エンディングは無限大。さあ、どきどきわくわくな楽しい牧場ライフをお送り下さい♪』
謎の言葉が終わった途端、があっと音楽が最高潮になり、きらきら感マックスの中、再び先ほどのポーズのイケメン達がリフレインした。
最後にはそのまま集合写真に変わり、端から光りに溶けたように消えていく。
「……ど、どうなさいました。いきなり、床に沈み込んで」
全てが終わった後に残されたのは、ドン引き顔の先ほどのモノクルイケメンだけだった。
……え、さっきのもしかしなくても、私だけの幻覚と、幻聴ですか?
サインした契約書を片手ににっこり微笑む、どこか胡散臭いモノクルイケメンに、私の目は釘付けだった。
具体的には、イケメンにというよりも、その顔の脇に突然現れた、謎の紋様に。
「……王家の契約書って、サインすると常人には見えないものが、見えるようになるのですか?」
「……え? 何をおっしゃっているんですか?」
怪訝そうに眉をひそめる、イケメンの顔の脇に見えるのは……私の認識が正しければ、ハートマーク。
しかも、なんか真っ黒な色をしている。
「え、これが見えているのって、私だけ……っ!」
次の瞬間、やたらきらきらした音楽がどこからか響いた。
突然視界に、胡散臭いイケメンがキャラ崩壊なくらいの笑顔でポーズを浮かべる場面が写真のように流れてきて、ぎょっと後ずさる。
……おい、ちょっと待て。お前、誰だよ。
突っ込む間もなく、続けて現れるのは、本当に「お前誰だよ」な見知らぬイケメン達。
漏れなく、なんか格好つけた謎のポーズをしながら、こちらに意味ありげな視線を送っている。
『ドラゴンの繁殖を画策する王家から、国営牧場のオーナーを任せられた、貴女。托されたドラゴンの卵を育てながら、牧場を経営して行こう!』
脳裏に、謎の声が聞こえる。
男とも女とも、年長とも年少とも言い難い、謎の声が。
『牧場を経営しているうちに接触してくる、イケメンキャラクター達。たくさん交流して、好感度のハートの色を赤くしていこう。ハートの色が変わるごとに、恋愛イベントが発生し、完全に赤く染まったら、結婚もできちゃうゾ☆』
……何だ。今の語尾。センスが古くないか。
いや、そういう突っ込みをしている場合でもないのだけど。
『貴女の選択次第で、エンディングは無限大。さあ、どきどきわくわくな楽しい牧場ライフをお送り下さい♪』
謎の言葉が終わった途端、があっと音楽が最高潮になり、きらきら感マックスの中、再び先ほどのポーズのイケメン達がリフレインした。
最後にはそのまま集合写真に変わり、端から光りに溶けたように消えていく。
「……ど、どうなさいました。いきなり、床に沈み込んで」
全てが終わった後に残されたのは、ドン引き顔の先ほどのモノクルイケメンだけだった。
……え、さっきのもしかしなくても、私だけの幻覚と、幻聴ですか?
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