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ハートの色が、変わってないか?

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「ああ、じゃあ、姉さんと違って大したものは出来ませんけど、たまに夕飯くらいなら作りますよ。御相伴してください!」

「本当かい? 僕は一人暮らしだから、いつも料理は自分のものばかりで、誰かが作ってくれる料理に飢えてるんだよね。じゃあ、材料はこっちで手配するから、たまにお願いしようかな」

「ええ、是非是非! ……って言っても、本当大したことは出来ませんけど」

 基本的に料理は、母さんと姉さんの担当だったけど、二人いっぺんに病気で倒れることも少なくなかったから、私もちょくちょく料理はして来た。
 というか、今世ではすっかり二人に甘えてるけど、前世では前世の母さんと交代で料理してたから、まあ、基本的な技術は見についているよね。

 ……ただ、私の料理は、母さんや姉さんのような繊細さは欠片もない、The 男の料理! って感じなんだけど。

 多分、パックさんが自分で作った方がよっぽど、女子仕様な気もするけど、言っちゃったら交換条件になりそうにないので黙っておこう!
 あんまり借りを作りたくないし!

「……ちょ、ちょっと待ってください」

 思いの外簡単に、コカトリスを飼える算段がついたことにホクホクしていると、何故か眉間に皺を寄せたセルドアが割り込んで来た。

「石化確認なら、パックがする必要はないでしょう。私がしますよ。治癒魔法も使えますし、そもそも今回のプロジェクトは私の担当ですし」

 ……え、パックさんじゃなくて、変態モノクル野郎なセルドアが来るの?
 ……それはなんか嫌だなー。

「セルドア魔術師長は、他にも色々任されているお仕事があって、お忙しいでしょう。コカトリスの成育具合も見たいですから、ここは僕が適任かと」

「ご心配なく。元々私は、数日に一度はリッカの様子を見に行くように、王から言いつけられておりますから。それに転移魔法があるから、リッカの元に顔を出すのは簡単ですし」

 ……なんか、面倒臭げな展開になって来たな。
 セルドアの顔を、毎日見るのは微妙なんだけど。
 どうせ顔を合わせないといけないなら、パックさんの方が……うん?

 あれ、パックさんのハートの色、紫に変わってない?
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