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→相談しない

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 ……パックさんに、相談かあ。
 育った境遇も、やりたい仕事も、パックさんと私は似てる。
 だから、相談相手として一番パックさんが適任だとは思うのだけど。

 ………………。

「……本当、全然大したことじゃないですから。気にしないでください」

 →パックさんに家族のことを相談しない

 これだけ、散々情けない姿を色んな人に晒して来たのに、パックさんにまで晒すことはない。
 結論は出てる。私は、いつか家族と向き合うべき時が来るまで、ただ一生懸命牧場のことに専念する。そう決めた。
 正しいも、間違ってるも、他の誰かにこれ以上言ってもらわなくてもいい。誰かに……きっと、間違いなく、家族は例外だけど……何と言われようと、もう揺らがないと決めた。

 だから、パックさんのアドバイスは必要ない。

 私の言葉に、パックさんは少し傷ついたように、眉を垂らして苦笑いをした。

「……僕は、そんなに頼りないかな?」

「そんなんじゃないですって。ただ、本当もう色々済んだことなんですよ」

 パックさんを、頼りないとは全く思わない。寧ろ、この若さで国営畜産場を取り仕切ってる所とか、家畜に対する姿勢とか、とても尊敬している。

 だけど……だからこそ、悔しいなとも思ってしまうのだ。
 ハルクのように、専門外の分野なら、眩しいだけで済む感情が、同じ分野の仕事に従事するパックさん相手だと一層複雑なものになってしまう。

 こんなこと言ったら、身の程知らずだと笑われてしまうかもしれないけどーー負けたくないと、弱い情けない所を晒したくないと、そう思ってしまうのだ。

「悔しいな。……リッカちゃんは、僕以外の前では泣き顔だって見せられるのに、僕には弱音すら晒してくれないんだ」

「え……」

 ーーなんで、それをパックさんが知って……!?

 思わずぎょっとしてパックさんを凝視すると、パックさんはしてやったりとばかりに笑ってた。

「あ。やっぱり、リッカちゃん、他の誰かの前で泣いたんだ」


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