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ありのままの君が欲しい
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言われてすぐに何のことか分からず、暫くしてから昨日のことを心配してくれていたんだと気づく。
……その為に、わざわざ人気のミートパイを(恐らく)並んでまで買ってくれたのね。
「……ありがとうございます。心配して頂いて。でも大丈夫ですよ。私は元気です」
切り替えの早さには、自信がある。昨日はハルクの話を聞いて不覚にも泣いてしまうくらい、うっかり引きずってしまったけど、もう大丈夫だ。……うん。多分。ハミルさんや家族に会うことがなければ、暫くは大丈夫。
「……それより、セルドア様。昨日も言いましたが、私の前では眼帯を取っても大丈夫ですよ? 窮屈なんでしょう?」
感情が増幅されたとしても、今日ならきっと問題はなさそうだし。……うむ。そう考えるとハルクの前で泣いてしまったのは、セルドアの魔力の残滓が残って不安定な感情が増幅された結果だったんだな。
うんうん、きっとそうに違いない。……そういうことにさせてもらおっと。私の中では。
私の言葉に、セルドアはちょっとだけ考えてから、ゆっくり首を横に振った。
「……いえ、やめておきます」
「? 私のことなら、本当に気にしなくても……」
「違いますよ。私自身の為です」
セルドアは小さく微笑みながら、カップに残っていたハーブティーを啜った。
「あれから少し考えてみましたが、私は自分があるがままの状態でいるよりも、リッカがありのままの感情を向けてくれることの方が、嬉しいと言う結論に至りました。私は、私の魔力で影響を受けたものでない、ありのままのリッカの感情が欲しいんです。ありのままの感情で、リッカに私を好いて欲しい。……だから、良いんですよ。窮屈なんて、大したことじゃありません」
……なんか、さらっとすごいこと言われたような。
……その為に、わざわざ人気のミートパイを(恐らく)並んでまで買ってくれたのね。
「……ありがとうございます。心配して頂いて。でも大丈夫ですよ。私は元気です」
切り替えの早さには、自信がある。昨日はハルクの話を聞いて不覚にも泣いてしまうくらい、うっかり引きずってしまったけど、もう大丈夫だ。……うん。多分。ハミルさんや家族に会うことがなければ、暫くは大丈夫。
「……それより、セルドア様。昨日も言いましたが、私の前では眼帯を取っても大丈夫ですよ? 窮屈なんでしょう?」
感情が増幅されたとしても、今日ならきっと問題はなさそうだし。……うむ。そう考えるとハルクの前で泣いてしまったのは、セルドアの魔力の残滓が残って不安定な感情が増幅された結果だったんだな。
うんうん、きっとそうに違いない。……そういうことにさせてもらおっと。私の中では。
私の言葉に、セルドアはちょっとだけ考えてから、ゆっくり首を横に振った。
「……いえ、やめておきます」
「? 私のことなら、本当に気にしなくても……」
「違いますよ。私自身の為です」
セルドアは小さく微笑みながら、カップに残っていたハーブティーを啜った。
「あれから少し考えてみましたが、私は自分があるがままの状態でいるよりも、リッカがありのままの感情を向けてくれることの方が、嬉しいと言う結論に至りました。私は、私の魔力で影響を受けたものでない、ありのままのリッカの感情が欲しいんです。ありのままの感情で、リッカに私を好いて欲しい。……だから、良いんですよ。窮屈なんて、大したことじゃありません」
……なんか、さらっとすごいこと言われたような。
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