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連載2

対決11

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「そんなに聖女になりたいのなら、信奉する神を変えればいいのに。トリアスを信じるのをやめたら、もしかしたら、あなたにも聖女の力が宿ったかもしれないよ?」

 ユーリアが口から出る情報は、初めて聞くものばかりだ。
 その真偽の見極めは後にして、今は少しでも多くの情報を引き出しておきたい。
 敢えてユーリアを挑発するようにそう言い放つと、ユーリアはきっと私をにらみつけた。

「……勘違いしないでちょうだい。私は聖女なんて立場どうでもいいのよ。そんなものにならなくても、私には十分力があるもの」

「成長して飽和しきった【厄】を、自分で消し去ることもできないのに?」

「わざわざ消し去ったりしなくても、【器】さえ用意すれば、【厄】は勝手に消えてくれるわ。役立たずの【器】を道連れにしてね。生きていてもルイス陛下に何の利益ももたらさない役立たずの人間なんて掃いて捨てるほどいるのだから、減ったところで問題はないでしょう?」

「なら、どうして私を生かすの?」

 私の問いかけに、ユーリアが苛立つのが見て取れた。

「だからそれはあなたが羽虫のように付き纏ってくるだろうから……」

「だとしても、私が再び転生して、あなたと対峙するだけの力を蓄えるまでにはずいぶん時間がかかるいはずだよね。さすがに子どものままじゃ、戦えないもの。わざわざ憎い私を生かし続けなければならない労力を考えたら、サクッと殺しちゃって、十数年後に転生した私を再び殺す方が楽なように思うけど」

 正直に言えば、どこにどんな立場で転生するかわからないということを考えると、私をこの亜空間に閉じ込めるという考え方は合理的だとは思う。万が一敵対国の身分の高い立場に生まれたりしたら、今より明らかに倒しにくくなるし。
 けれどそれを認めてしまえば話が終わっちゃうので、敢えて本心ではない考えを口にして、嘲笑を浮かべながらユーリアを煽る。

「ユーリア、あなたそんなに私のことを恐れてるの? 亜空間に監禁して、ずっと監視しないといけないくらいに」

「うぬぼれないで! 私があんたなんかを恐れるわけがないでしょう!」

 怒りで顔を真っ赤にしながら、ユーリアは怒鳴った。

「全てはルイス陛下の為よ! ルイス陛下にそうするように頼まれたから、従っただけ! じゃなきゃ誰があんたなんか……」

 
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