160 / 224
連載2
対決11
しおりを挟む
「そんなに聖女になりたいのなら、信奉する神を変えればいいのに。トリアスを信じるのをやめたら、もしかしたら、あなたにも聖女の力が宿ったかもしれないよ?」
ユーリアが口から出る情報は、初めて聞くものばかりだ。
その真偽の見極めは後にして、今は少しでも多くの情報を引き出しておきたい。
敢えてユーリアを挑発するようにそう言い放つと、ユーリアはきっと私をにらみつけた。
「……勘違いしないでちょうだい。私は聖女なんて立場どうでもいいのよ。そんなものにならなくても、私には十分力があるもの」
「成長して飽和しきった【厄】を、自分で消し去ることもできないのに?」
「わざわざ消し去ったりしなくても、【器】さえ用意すれば、【厄】は勝手に消えてくれるわ。役立たずの【器】を道連れにしてね。生きていてもルイス陛下に何の利益ももたらさない役立たずの人間なんて掃いて捨てるほどいるのだから、減ったところで問題はないでしょう?」
「なら、どうして私を生かすの?」
私の問いかけに、ユーリアが苛立つのが見て取れた。
「だからそれはあなたが羽虫のように付き纏ってくるだろうから……」
「だとしても、私が再び転生して、あなたと対峙するだけの力を蓄えるまでにはずいぶん時間がかかるいはずだよね。さすがに子どものままじゃ、戦えないもの。わざわざ憎い私を生かし続けなければならない労力を考えたら、サクッと殺しちゃって、十数年後に転生した私を再び殺す方が楽なように思うけど」
正直に言えば、どこにどんな立場で転生するかわからないということを考えると、私をこの亜空間に閉じ込めるという考え方は合理的だとは思う。万が一敵対国の身分の高い立場に生まれたりしたら、今より明らかに倒しにくくなるし。
けれどそれを認めてしまえば話が終わっちゃうので、敢えて本心ではない考えを口にして、嘲笑を浮かべながらユーリアを煽る。
「ユーリア、あなたそんなに私のことを恐れてるの? 亜空間に監禁して、ずっと監視しないといけないくらいに」
「うぬぼれないで! 私があんたなんかを恐れるわけがないでしょう!」
怒りで顔を真っ赤にしながら、ユーリアは怒鳴った。
「全てはルイス陛下の為よ! ルイス陛下にそうするように頼まれたから、従っただけ! じゃなきゃ誰があんたなんか……」
ユーリアが口から出る情報は、初めて聞くものばかりだ。
その真偽の見極めは後にして、今は少しでも多くの情報を引き出しておきたい。
敢えてユーリアを挑発するようにそう言い放つと、ユーリアはきっと私をにらみつけた。
「……勘違いしないでちょうだい。私は聖女なんて立場どうでもいいのよ。そんなものにならなくても、私には十分力があるもの」
「成長して飽和しきった【厄】を、自分で消し去ることもできないのに?」
「わざわざ消し去ったりしなくても、【器】さえ用意すれば、【厄】は勝手に消えてくれるわ。役立たずの【器】を道連れにしてね。生きていてもルイス陛下に何の利益ももたらさない役立たずの人間なんて掃いて捨てるほどいるのだから、減ったところで問題はないでしょう?」
「なら、どうして私を生かすの?」
私の問いかけに、ユーリアが苛立つのが見て取れた。
「だからそれはあなたが羽虫のように付き纏ってくるだろうから……」
「だとしても、私が再び転生して、あなたと対峙するだけの力を蓄えるまでにはずいぶん時間がかかるいはずだよね。さすがに子どものままじゃ、戦えないもの。わざわざ憎い私を生かし続けなければならない労力を考えたら、サクッと殺しちゃって、十数年後に転生した私を再び殺す方が楽なように思うけど」
正直に言えば、どこにどんな立場で転生するかわからないということを考えると、私をこの亜空間に閉じ込めるという考え方は合理的だとは思う。万が一敵対国の身分の高い立場に生まれたりしたら、今より明らかに倒しにくくなるし。
けれどそれを認めてしまえば話が終わっちゃうので、敢えて本心ではない考えを口にして、嘲笑を浮かべながらユーリアを煽る。
「ユーリア、あなたそんなに私のことを恐れてるの? 亜空間に監禁して、ずっと監視しないといけないくらいに」
「うぬぼれないで! 私があんたなんかを恐れるわけがないでしょう!」
怒りで顔を真っ赤にしながら、ユーリアは怒鳴った。
「全てはルイス陛下の為よ! ルイス陛下にそうするように頼まれたから、従っただけ! じゃなきゃ誰があんたなんか……」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3,723
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。