215 / 225
連載2
幸せの条件5
しおりを挟む
経験はなくても、アシュリナは政略結婚に備えて閨の知識は学ばされていたし、ディアナとしても母様からちゃんと性教育を受けている。兄様が思うほど、無知じゃない。
「全部わかっているけど、それでも兄様ならいいの。前にも言ったでしょう。私は兄様からなら、何をされてもいいって」
「…………」
兄様は頬を染めて黙り込んだ後、視線を逸らしたまま再び私は向き直った。
「…………お前は、全然わかっていない」
「何をわかってないっていうの?」
「異性として俺に向き合うことの危険性を、だ」
「危険性?」
「ああ……俺は、お前が思っている以上に心が狭い男だぞ。一度そういう関係になれば、もう二度とお前を離せない」
「離せなくていいよ。私、兄様と離れたくないから」
「そ、それに俺は一度タカが外れたら、きっと暴走するぞ! きっとお前は俺に幻滅するはずだ」
「幻滅なんかするはずないよ。情けなかろうが、格好悪かろうが、どんな兄様だって私は大好きなんだから」
「そ、そ、それに、えと、俺は地位も財産も持っては……」
「ーーねえ、兄様。そんなに私とそういう関係になりたくないの?」
ああいえばこう言う兄様に、何だかちょっと腹が立ってきた。……結構勇気をふりしぼったのに、その返事がこれなんてあんまりだ。
「っそんなわけあるか! お前は一体俺が何年我慢して……」
「じゃあ、なんでさっきから無理な理由ばかり探してるの? やっぱり私を妹としてしか見れないなら、早くそう言って。下手に誤魔化される方が辛いから」
「…………」
兄様はしばらくあちこちに視線をさまよわせて黙り込んだ後、苦々しげな表情で俯いた。
「……ディアナ。お前は知らないだろうが、俺は今まで恋愛経験が皆無というわけじゃない」
「………え?」
「短い期間ではあるが、お前の知らないところで、告白された町の女の子と恋人関係になったことはあった」
頭をガンと、殴られたような衝撃だった。
……そんな素振り、ちっとも見せなかったのにいつの間に?
どうして今まで、私に教えてくれなかったの。
血の繋がった兄妹だと思っていた時なら祝福できたのに、何で今さらそんなことを言うの。
言いたいことは山ほどあるのに、唇が震えて言葉にならなくて。
目からは自然と涙がにじんできた。
私より、兄様の近い所にいた女の人が存在していたことが、ただただショックだった。
「ディアナ。俺は……お前を諦めたかった」
「全部わかっているけど、それでも兄様ならいいの。前にも言ったでしょう。私は兄様からなら、何をされてもいいって」
「…………」
兄様は頬を染めて黙り込んだ後、視線を逸らしたまま再び私は向き直った。
「…………お前は、全然わかっていない」
「何をわかってないっていうの?」
「異性として俺に向き合うことの危険性を、だ」
「危険性?」
「ああ……俺は、お前が思っている以上に心が狭い男だぞ。一度そういう関係になれば、もう二度とお前を離せない」
「離せなくていいよ。私、兄様と離れたくないから」
「そ、それに俺は一度タカが外れたら、きっと暴走するぞ! きっとお前は俺に幻滅するはずだ」
「幻滅なんかするはずないよ。情けなかろうが、格好悪かろうが、どんな兄様だって私は大好きなんだから」
「そ、そ、それに、えと、俺は地位も財産も持っては……」
「ーーねえ、兄様。そんなに私とそういう関係になりたくないの?」
ああいえばこう言う兄様に、何だかちょっと腹が立ってきた。……結構勇気をふりしぼったのに、その返事がこれなんてあんまりだ。
「っそんなわけあるか! お前は一体俺が何年我慢して……」
「じゃあ、なんでさっきから無理な理由ばかり探してるの? やっぱり私を妹としてしか見れないなら、早くそう言って。下手に誤魔化される方が辛いから」
「…………」
兄様はしばらくあちこちに視線をさまよわせて黙り込んだ後、苦々しげな表情で俯いた。
「……ディアナ。お前は知らないだろうが、俺は今まで恋愛経験が皆無というわけじゃない」
「………え?」
「短い期間ではあるが、お前の知らないところで、告白された町の女の子と恋人関係になったことはあった」
頭をガンと、殴られたような衝撃だった。
……そんな素振り、ちっとも見せなかったのにいつの間に?
どうして今まで、私に教えてくれなかったの。
血の繋がった兄妹だと思っていた時なら祝福できたのに、何で今さらそんなことを言うの。
言いたいことは山ほどあるのに、唇が震えて言葉にならなくて。
目からは自然と涙がにじんできた。
私より、兄様の近い所にいた女の人が存在していたことが、ただただショックだった。
「ディアナ。俺は……お前を諦めたかった」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつもりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。