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ルカ・ポアネスという不良
ルカ・ポアネスという不良29
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こ、この聞き覚えがあり過ぎる中性的な声は……。
「――デイビッド?」
「俺以外誰がいんだよ」
て、おおい、私の第六勘ーー! ちゃんと仕事しろ!
……いや、違うか。ちゃんと仕事はしているか。デイビッドほど凶悪な存在何か、なかなかいないもんな……。うん。私の勘は正しいよ。
取りあえず目下の脅威が去ったことに胸を撫で下ろす。……良かった。ここで最上級の魔物とか出てこんくて。
「……ああ、良かった。デイビッドを探してたんだ…っ!」
しかし、臨戦態勢を解いて、改めてデイビッドに向き直った私は、次の瞬間固まった。
そんな私の態度に、デイビッドは怪訝そうに眉を顰めた。
「あん? 今度はどうしやがった?」
「――お……」
「お?」
「男だ……」
……え、これデイビッド?
思わず、驚愕も露わにデイビッドを見つめてしまう。
鬘を外しフードが付いた男物の訓練着に身を包んだデイビッドは、中性的ではあるが、どう見ても男にしか見えなかった。
男だということは脳内認識をしていたし、鬘を外している所も、上半身裸な場面も目撃しているから、ちゃんとデイビッドが男だと理解しているつもりだった。
だけど、ちゃんと男の格好をしたデイビッドを見るのは、これが初めてで。
自分が今まで、なんだかんだ言って、デイビッドを男でも女でもない、「デイビッド」という性別を持つ珍種の生き物だと認識していたという現実に、気付かされずにはいられなかった。
デイビッドは男。
そう改めて認識した途端、ざわりと胸がざわめいた。
そんな私にデイビッドはため息を吐いて、近づいて来る。
近づくその姿に、何故か心臓の音が早くなった。
デイビッドはその手を真っ直ぐに私の方へ伸ばし――……
「何を今さら寝ぼけたこと言ってやがんだ。ボケ。俺は最初から男だっつーの」
――私のほっぺをいつものごとく思い切り引っ張った。
「……いはひ……」
「痛くしているからな。……おーおー、相変わらずよく伸びるほっぺだな」
「ちょっ痛い痛い痛いっ!!! 千切れちゃう、千切れちゃうから、ひっぱっちゃらめぇ――っ!」
慌ててデイビッドの手を振り払って、受難に晒される私のぷりちーほっぺちゃんを解放させる。
デイビッドは特に抵抗することもなく、存外あっさりと私の頬から手を離した。
……うう。私が不甲斐ないばっかりに、いつもいつもすまないねぇ。ほっぺちゃん……。
ひりつく頬を摩りながら、自身のほっぺに謝る。…うん。私のほっぺはいい子だから、「それは言わない約束でしょ、おとっつぁん」と返してくれている! ……はず!
そんな私をニヤニヤ笑いながら見ているデイビッドと、「大丈夫カ、マスター!? 痛クナイカ!?」とオロオロ慌てふためくサーラム。
……うん、びっくりする程、いつも通りの状況だ。いつもの、私とデイビッドのやり取りだ。
先程感じていた胸のざわめきは、気が付けば、綺麗さっぱり消え去っていた。
……なんだったのだろう。先程の感情は。
なんか、深く考えちゃ、いけない気がする。
「――で、何のようなんだ?俺を探してたって」
「……あぁ、そうそう。ちょっと待ってね」
デイビッドの問いに、私は腕に抱えていたバスケットを漁る。
取り出すのは、包装紙に包んだサンドイッチと、お茶を詰めた水筒。
デイビッドは私が取り出した物に目を丸くした。
「デイビッドが毎晩森で訓練しているってキエラがいうから、いっぺんくらい散歩ついでに差し入れ持っててみよーかな、思って。ついでに、武術大会までのコンディションとか、状況とか確認しときたいし」
べ、別に、ちょっとした気まぐれで、深い意味なんかないんだけどね! ……と続けて言おうかと思ってやめる。
ルカや精霊ズと違って、私がツンデレ拗らせても、誰得?てな感じだからな。
……まぁ、でもけして深い意味はないんだよ。深い意味なんか、全く。
「――デイビッド?」
「俺以外誰がいんだよ」
て、おおい、私の第六勘ーー! ちゃんと仕事しろ!
……いや、違うか。ちゃんと仕事はしているか。デイビッドほど凶悪な存在何か、なかなかいないもんな……。うん。私の勘は正しいよ。
取りあえず目下の脅威が去ったことに胸を撫で下ろす。……良かった。ここで最上級の魔物とか出てこんくて。
「……ああ、良かった。デイビッドを探してたんだ…っ!」
しかし、臨戦態勢を解いて、改めてデイビッドに向き直った私は、次の瞬間固まった。
そんな私の態度に、デイビッドは怪訝そうに眉を顰めた。
「あん? 今度はどうしやがった?」
「――お……」
「お?」
「男だ……」
……え、これデイビッド?
思わず、驚愕も露わにデイビッドを見つめてしまう。
鬘を外しフードが付いた男物の訓練着に身を包んだデイビッドは、中性的ではあるが、どう見ても男にしか見えなかった。
男だということは脳内認識をしていたし、鬘を外している所も、上半身裸な場面も目撃しているから、ちゃんとデイビッドが男だと理解しているつもりだった。
だけど、ちゃんと男の格好をしたデイビッドを見るのは、これが初めてで。
自分が今まで、なんだかんだ言って、デイビッドを男でも女でもない、「デイビッド」という性別を持つ珍種の生き物だと認識していたという現実に、気付かされずにはいられなかった。
デイビッドは男。
そう改めて認識した途端、ざわりと胸がざわめいた。
そんな私にデイビッドはため息を吐いて、近づいて来る。
近づくその姿に、何故か心臓の音が早くなった。
デイビッドはその手を真っ直ぐに私の方へ伸ばし――……
「何を今さら寝ぼけたこと言ってやがんだ。ボケ。俺は最初から男だっつーの」
――私のほっぺをいつものごとく思い切り引っ張った。
「……いはひ……」
「痛くしているからな。……おーおー、相変わらずよく伸びるほっぺだな」
「ちょっ痛い痛い痛いっ!!! 千切れちゃう、千切れちゃうから、ひっぱっちゃらめぇ――っ!」
慌ててデイビッドの手を振り払って、受難に晒される私のぷりちーほっぺちゃんを解放させる。
デイビッドは特に抵抗することもなく、存外あっさりと私の頬から手を離した。
……うう。私が不甲斐ないばっかりに、いつもいつもすまないねぇ。ほっぺちゃん……。
ひりつく頬を摩りながら、自身のほっぺに謝る。…うん。私のほっぺはいい子だから、「それは言わない約束でしょ、おとっつぁん」と返してくれている! ……はず!
そんな私をニヤニヤ笑いながら見ているデイビッドと、「大丈夫カ、マスター!? 痛クナイカ!?」とオロオロ慌てふためくサーラム。
……うん、びっくりする程、いつも通りの状況だ。いつもの、私とデイビッドのやり取りだ。
先程感じていた胸のざわめきは、気が付けば、綺麗さっぱり消え去っていた。
……なんだったのだろう。先程の感情は。
なんか、深く考えちゃ、いけない気がする。
「――で、何のようなんだ?俺を探してたって」
「……あぁ、そうそう。ちょっと待ってね」
デイビッドの問いに、私は腕に抱えていたバスケットを漁る。
取り出すのは、包装紙に包んだサンドイッチと、お茶を詰めた水筒。
デイビッドは私が取り出した物に目を丸くした。
「デイビッドが毎晩森で訓練しているってキエラがいうから、いっぺんくらい散歩ついでに差し入れ持っててみよーかな、思って。ついでに、武術大会までのコンディションとか、状況とか確認しときたいし」
べ、別に、ちょっとした気まぐれで、深い意味なんかないんだけどね! ……と続けて言おうかと思ってやめる。
ルカや精霊ズと違って、私がツンデレ拗らせても、誰得?てな感じだからな。
……まぁ、でもけして深い意味はないんだよ。深い意味なんか、全く。
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