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第十四話 夜空にまたたく白銀の星(2)
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ギルドに着くと、莉彩は一度マスターに確認を取るため諒達を待たせて一度奥に引っ込んだ。
その間諒はここまで少女を背負って半虫の息状態のれんを落ち着かせていた。
「お姉ちゃん、大丈夫?」
「・・・何とか・・・だからそんな顔しないで。ね?」
「・・・うん、ありがとう。お姉ちゃん」
無邪気にれんに背負ってもらうことを希望した少女も、疲れ切ったれんを見てさすがに罪悪感が出てしまったようで、彼女に水を飲ませたりパタパタと手を振って風を送ろうとしたりしていた。
「それより諒さん。もうギルドに来て大丈夫なんですか?」
「ああ、どうやらそうらしい」
誠也との一件で「Sランクが勧誘に失敗した」という話が広がったらしい。
あれ以来諒の話題を出す者こそいれど、勧誘してこようという奴はいなくなっていた。
おかげでこうしてまたギルドにも顔を出せるようにもなった。
「お待たせしました。マスターから許可もいただいたので、皆さんこちらに来てください」
話していると莉彩が戻って来た。想像よりかは大分早い。意外と暇なのだろうか。
今度は諒が少女を背負う。家ではあれだけ譲らなかったが、れんの様子を見て今回は彼女も遠慮してくれたようだ。
その代わり移動中れんとずっと手をつないでいたが。
本当にどういうことなのだろう。れんとつないだ手を嬉しそうに振りながら上機嫌に鼻歌を歌っているのが背負っているとすごく伝わって来た。まだ出会って間もないはずだが、一体れんは何をしたのだろうか。
「さあ、ここがマスターの部屋です。どうぞ入ってください」
「失礼します」
「・・・失礼します」
莉彩は先に諒達を行かせ、彼女は最後に部屋に入る。
マスターの部屋は彼の持つ権威を考えればあまり豪華とはいえない。広さこそあるが中央の会議用で使われるテーブル、少し奥にある仕事用の机、後は壁にずらっと並んだ本棚くらいしか内装は無く、装飾の類はほとんど見られなかった。
そして奥の机に座っていた男は諒達の声に気が付くと立ち上がって豪快な笑いを見せる。
「久しぶりだな、諒、それにれんも」
「そうですね、まさかこんな形でお会いするとは思いませんでした」
ギルドマスター、神木修平(かみきしゅうへい)。いつ見てもただの中年のオヤジにしか見えないが、間違いなくギルドのトップに君臨するのがこの男だ。
意外にもれんはこの男と接点があるらしく、修平の挨拶に小さく頭を下げる。
修平は挨拶が済むとすぐにその視線は諒の背中にいる少女に向けられた。
「その子が噂の少女か?」
「はい、あまりに情報がなくて困ってるんです。それでマスターならなんとかできないかなと」
「ふむ、まあ取り敢えず詳しい事情を聞くとしよう。何とかするのはそれからだ」
修平の質問には莉彩が答えた。
しかしその問いにあまり答えは気にしていなかったのか、それには微妙な反応を示すにとどまる。
れんと手をつないで上機嫌にしている少女に修平は首をかしげるが、まずは話を聞かせてくれとテーブルに座るように指示する。
そこで諒は少女を降ろす。少女は諒から離れると磁力でもあるかのようにすぐにれんに抱き着く。そんなに諒の背中は気に入らなかったのだろうか。
それはソファに座っても変わらず、横からやはりれんの手を握りしめ、幸せそうに彼女の肩に頭を置いていた。
「・・・とりあえずそれも含めて話してくれ」
「・・・わかりました」
あまりの懐かれぶりに修平も驚いているようだった。
説明を求められるが、諒達もほとんど情報を持っているわけではない。連れてきた本人であるれんも含めて微妙な情報しか出てこず、修平は難しそうにうなっていた。
「君、もう一度聞くが、本当に思い出せることはないのか?」
「・・・うん、何もわかんない」
少女は常にれんにくっついて満面の笑顔を浮かべているが、記憶の話になると表情を曇らせていた。
何もわからないような状態は誰だって不安だ。今までれんへ見せる笑顔で隠れていたが、これが彼女の本心なのだろう。
れんに甘え切っているのも、もしかするとそこに原因があるのかもしれない。
修平は莉彩から受け取った迷子やギルドにも届く捜索依頼を眺めながら何か考えていた。
捜索依頼は騎士団とギルド双方に届くことがほとんどだ。ここに無いということは、騎士団に聞いても分からない可能性は高い。
最終的に修平は莉彩と同じ結論を出したようだ。紙の束をテーブルに置き、再度れんと少女に視線を向ける。
「調査はギルドの方で担当しよう。れん、進展があるまでその子はお前が面倒見てやれ」
「・・・へ!?」
修平のいきなりの言葉にれんは聞いたこともないような声を上げる。
諒も声には出ないが気持ちは同じだった。まさかそんなあっさりその結論に行くとは思っていなかった。
「情報が無いなら探すしかないし、その子をどうするかとなれば、それだけ懐いているれんに頼むのが適任だろう。君もれんと一緒にいたいだろう?」
「うん!大好きだよ、れんお姉ちゃん!」
「・・・ありがとう」
恥ずかしげもなく好意を向けられてれんはぎこちない笑顔で返す。
確かにこんな状態で二人を離すのは得策ではないかもしれない。れんはまだしも少女がその時どういう反応を示すのか、想像に難くない。
「・・・わかりました、やってみます」
れんは空いている手で少女の頭を撫でて大きく頷いた。
逃げられないことを理解したのだろう。その目には彼女なりの決意があった。
「だが、依頼にその子は連れていけないぞ。れんが留守の間はどうするんだ?」
「ああ、それならその間はギルドで面倒を見てやる。丁度人も欲しかったところだ。少々幼いが、まあ大丈夫だろう」
ギルドに置いていた方が調査の際も役に立つことが多い。
そういう理由もあってれんが留守の間は少女をギルドに預けることになった。当初少女は反発していたが、れんの説得でしぶしぶ承諾した。
結局何も分からなかったが、やることは決まった。
「さて、それじゃあれん。その子に名前をつけてくれ」
「・・・え・・・私が?」
「連れてきたのはお前だろう。さすがに名前が無いのは不便だし、思い出すまで他の名前をつけてやれ」
「・・・そう言われても・・」
またも突然の提案にれんは困惑して諒に視線を向ける。
諒は「頑張れ」という意味を込めて頷く。
「・・・名前って言っても」
意を決してれんは少女に名前を与えるべく彼女を見る。
その視線に気づいた少女も嬉しそうにれんを見返す。
「・・・ん?どうかしたか?」
少しの間そうした後、なぜかれんの視線は再び諒に注がれる。
助けを求めるようなものでもなく、諒は不思議に思って聞き返すが、れんから返事は無かった。
やがてれんは何か結論が出たように諒から視線を外し、もう一度少女と視線を合わせる。
「・・・ゆいちゃん・・・でどうですか?」
「・・・ゆい・・・それが、私の名前?」
「うん・・嫌かな?」
諒達は口を出さず二人のやり取りを見守ることにした。
少女は「ゆい・・・ゆい・・」と何度もその名前をつぶやく。
自分の記憶と合わせているのだろうか。その表情は何かを探るように真剣だった。
「・・・嫌じゃないよ。お姉ちゃんが付けてくれた名前だもん」
「・・・ありがとう」
結局諦めたようだが、代わりにゆいは笑顔を浮かべる。
「決まりだな、よろしく頼むぞ、ゆい」
「うん、おじさん」
ゆいの名前も決まり、修平は愉快そうに笑う。「おじさん」発言には思うところがあったのか、わずかに顔をしかめていた気もしたが、すぐに元の表情に戻った。
もう少し話し合い、少女の名前は「白銀由衣(しろがねゆい)」に決まった。
「なんで白銀なんですか?」
「なんでって、白いワンピースと銀の長い髪がその子の特徴だからな。いいセンスだろう」
名字を決めたのは修平だったが、本人と由衣自身は満足しているようだ。
決まったその名前を見て由衣は目を輝かせていた。
「あと、どこからゆいって名前が出てきたんだ?」
「・・・秘密です」
れんは恥ずかしそうに諒から顔を逸らした。
首をかしげる諒に、莉彩は心当たりがあるのか小さくふふっと笑った。
「あとは由衣の装いも何とかしないとな。莉彩、二人について行ってやれ。こういうのは得意だろう?」
「はい、任せてください」
「諒はもう帰れ。ここから男の出る幕は無いからな」
「そんなばっさり」
少し反抗するがそれは事実だ。ここまで来れば諒にはやることもできることも少ない。
あとの事はれんと莉彩に任せ、諒は先に帰ることにした。
その間諒はここまで少女を背負って半虫の息状態のれんを落ち着かせていた。
「お姉ちゃん、大丈夫?」
「・・・何とか・・・だからそんな顔しないで。ね?」
「・・・うん、ありがとう。お姉ちゃん」
無邪気にれんに背負ってもらうことを希望した少女も、疲れ切ったれんを見てさすがに罪悪感が出てしまったようで、彼女に水を飲ませたりパタパタと手を振って風を送ろうとしたりしていた。
「それより諒さん。もうギルドに来て大丈夫なんですか?」
「ああ、どうやらそうらしい」
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あれ以来諒の話題を出す者こそいれど、勧誘してこようという奴はいなくなっていた。
おかげでこうしてまたギルドにも顔を出せるようにもなった。
「お待たせしました。マスターから許可もいただいたので、皆さんこちらに来てください」
話していると莉彩が戻って来た。想像よりかは大分早い。意外と暇なのだろうか。
今度は諒が少女を背負う。家ではあれだけ譲らなかったが、れんの様子を見て今回は彼女も遠慮してくれたようだ。
その代わり移動中れんとずっと手をつないでいたが。
本当にどういうことなのだろう。れんとつないだ手を嬉しそうに振りながら上機嫌に鼻歌を歌っているのが背負っているとすごく伝わって来た。まだ出会って間もないはずだが、一体れんは何をしたのだろうか。
「さあ、ここがマスターの部屋です。どうぞ入ってください」
「失礼します」
「・・・失礼します」
莉彩は先に諒達を行かせ、彼女は最後に部屋に入る。
マスターの部屋は彼の持つ権威を考えればあまり豪華とはいえない。広さこそあるが中央の会議用で使われるテーブル、少し奥にある仕事用の机、後は壁にずらっと並んだ本棚くらいしか内装は無く、装飾の類はほとんど見られなかった。
そして奥の机に座っていた男は諒達の声に気が付くと立ち上がって豪快な笑いを見せる。
「久しぶりだな、諒、それにれんも」
「そうですね、まさかこんな形でお会いするとは思いませんでした」
ギルドマスター、神木修平(かみきしゅうへい)。いつ見てもただの中年のオヤジにしか見えないが、間違いなくギルドのトップに君臨するのがこの男だ。
意外にもれんはこの男と接点があるらしく、修平の挨拶に小さく頭を下げる。
修平は挨拶が済むとすぐにその視線は諒の背中にいる少女に向けられた。
「その子が噂の少女か?」
「はい、あまりに情報がなくて困ってるんです。それでマスターならなんとかできないかなと」
「ふむ、まあ取り敢えず詳しい事情を聞くとしよう。何とかするのはそれからだ」
修平の質問には莉彩が答えた。
しかしその問いにあまり答えは気にしていなかったのか、それには微妙な反応を示すにとどまる。
れんと手をつないで上機嫌にしている少女に修平は首をかしげるが、まずは話を聞かせてくれとテーブルに座るように指示する。
そこで諒は少女を降ろす。少女は諒から離れると磁力でもあるかのようにすぐにれんに抱き着く。そんなに諒の背中は気に入らなかったのだろうか。
それはソファに座っても変わらず、横からやはりれんの手を握りしめ、幸せそうに彼女の肩に頭を置いていた。
「・・・とりあえずそれも含めて話してくれ」
「・・・わかりました」
あまりの懐かれぶりに修平も驚いているようだった。
説明を求められるが、諒達もほとんど情報を持っているわけではない。連れてきた本人であるれんも含めて微妙な情報しか出てこず、修平は難しそうにうなっていた。
「君、もう一度聞くが、本当に思い出せることはないのか?」
「・・・うん、何もわかんない」
少女は常にれんにくっついて満面の笑顔を浮かべているが、記憶の話になると表情を曇らせていた。
何もわからないような状態は誰だって不安だ。今までれんへ見せる笑顔で隠れていたが、これが彼女の本心なのだろう。
れんに甘え切っているのも、もしかするとそこに原因があるのかもしれない。
修平は莉彩から受け取った迷子やギルドにも届く捜索依頼を眺めながら何か考えていた。
捜索依頼は騎士団とギルド双方に届くことがほとんどだ。ここに無いということは、騎士団に聞いても分からない可能性は高い。
最終的に修平は莉彩と同じ結論を出したようだ。紙の束をテーブルに置き、再度れんと少女に視線を向ける。
「調査はギルドの方で担当しよう。れん、進展があるまでその子はお前が面倒見てやれ」
「・・・へ!?」
修平のいきなりの言葉にれんは聞いたこともないような声を上げる。
諒も声には出ないが気持ちは同じだった。まさかそんなあっさりその結論に行くとは思っていなかった。
「情報が無いなら探すしかないし、その子をどうするかとなれば、それだけ懐いているれんに頼むのが適任だろう。君もれんと一緒にいたいだろう?」
「うん!大好きだよ、れんお姉ちゃん!」
「・・・ありがとう」
恥ずかしげもなく好意を向けられてれんはぎこちない笑顔で返す。
確かにこんな状態で二人を離すのは得策ではないかもしれない。れんはまだしも少女がその時どういう反応を示すのか、想像に難くない。
「・・・わかりました、やってみます」
れんは空いている手で少女の頭を撫でて大きく頷いた。
逃げられないことを理解したのだろう。その目には彼女なりの決意があった。
「だが、依頼にその子は連れていけないぞ。れんが留守の間はどうするんだ?」
「ああ、それならその間はギルドで面倒を見てやる。丁度人も欲しかったところだ。少々幼いが、まあ大丈夫だろう」
ギルドに置いていた方が調査の際も役に立つことが多い。
そういう理由もあってれんが留守の間は少女をギルドに預けることになった。当初少女は反発していたが、れんの説得でしぶしぶ承諾した。
結局何も分からなかったが、やることは決まった。
「さて、それじゃあれん。その子に名前をつけてくれ」
「・・・え・・・私が?」
「連れてきたのはお前だろう。さすがに名前が無いのは不便だし、思い出すまで他の名前をつけてやれ」
「・・・そう言われても・・」
またも突然の提案にれんは困惑して諒に視線を向ける。
諒は「頑張れ」という意味を込めて頷く。
「・・・名前って言っても」
意を決してれんは少女に名前を与えるべく彼女を見る。
その視線に気づいた少女も嬉しそうにれんを見返す。
「・・・ん?どうかしたか?」
少しの間そうした後、なぜかれんの視線は再び諒に注がれる。
助けを求めるようなものでもなく、諒は不思議に思って聞き返すが、れんから返事は無かった。
やがてれんは何か結論が出たように諒から視線を外し、もう一度少女と視線を合わせる。
「・・・ゆいちゃん・・・でどうですか?」
「・・・ゆい・・・それが、私の名前?」
「うん・・嫌かな?」
諒達は口を出さず二人のやり取りを見守ることにした。
少女は「ゆい・・・ゆい・・」と何度もその名前をつぶやく。
自分の記憶と合わせているのだろうか。その表情は何かを探るように真剣だった。
「・・・嫌じゃないよ。お姉ちゃんが付けてくれた名前だもん」
「・・・ありがとう」
結局諦めたようだが、代わりにゆいは笑顔を浮かべる。
「決まりだな、よろしく頼むぞ、ゆい」
「うん、おじさん」
ゆいの名前も決まり、修平は愉快そうに笑う。「おじさん」発言には思うところがあったのか、わずかに顔をしかめていた気もしたが、すぐに元の表情に戻った。
もう少し話し合い、少女の名前は「白銀由衣(しろがねゆい)」に決まった。
「なんで白銀なんですか?」
「なんでって、白いワンピースと銀の長い髪がその子の特徴だからな。いいセンスだろう」
名字を決めたのは修平だったが、本人と由衣自身は満足しているようだ。
決まったその名前を見て由衣は目を輝かせていた。
「あと、どこからゆいって名前が出てきたんだ?」
「・・・秘密です」
れんは恥ずかしそうに諒から顔を逸らした。
首をかしげる諒に、莉彩は心当たりがあるのか小さくふふっと笑った。
「あとは由衣の装いも何とかしないとな。莉彩、二人について行ってやれ。こういうのは得意だろう?」
「はい、任せてください」
「諒はもう帰れ。ここから男の出る幕は無いからな」
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