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元カレと友達と③
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「今日はチョコモカに、チョコチップ、ホイップ、マカダミアナッツ、ミルクソースも追加よ」
「…このお嬢様、そのうちトッピングというトッピング、全部乗せとかしそうだな」
颯太とソフィア達が遭遇してから十日ほど経った昼、ヒューズとソフィアはまたコーヒーショップにやって来ていた。
「で?今日は知花まだこの時間講義だけど?」
本来なら許されない筈である接客態度だが、人が少ない時間帯なのを良いことに、太一はドリンクを作りながら二人と会話していた。
「それを知っているから、この時間に来たのだけど?」
「……何?何か知花のことで聞きたいことでもあるのか?悪いけど、スリーサイズとかなら絶対答えないけど?」
「そんなの、知ってるからいいわ」
「知ってるのかよ!?」
冗談のつもりだったのに、先に知られていた事実に太一はショックを受けていた。
二人分の注文を作り終え、受取口へとドリンクを置く。
「…そんなことよりあの、狐のような男の話を聞きたいの」
「狐?」
「この前、居たでしょ?あの茶髪の一見爽やかそうなのに、実は腹黒そうな奴」
「お嬢様…意外とお口が悪うございますね?…っていうか、意外と鋭いな」
「…あぁいうのは、宮内にいっぱい居たから見慣れているのよ」
すると入口のガラス扉が開き、店内へと他の客が入って来た。
「…あと一時間でシフトも終わるから、その後なら」
ソフィアは頷くと、ヒューズを連れ店内への席で太一を待つことにした。
***
「此処で話すか」
バイトを終えた太一に連れられるまま、ソフィアとヒューズは近くの公園までやって来ていた。
近くのベンチにソフィアを座らせると、その隣に設置されていた自動販売機で太一が缶コーヒーを買い蓋を開けて一口飲んだ。
「…で、主に聞きたいのは先輩の何の話?」
「知花と何のトラブルがあったのか、聞きたいわ」
太一の表情が途端に曇る。
知花にあれこれ聞けるのに、それをせずに太一に聞いている時点である程度は予想がついたが、改めて言われると気分が良いものではない。
もう一口コーヒーを飲み、大きく溜め息をついた。
「…あんま気分が良い話じゃない。特に女の子には気持ち悪い話だけど?」
「あら、心配してくれるの?意外と優しいのね?けど、大丈夫よ。割とドロドロとした人間関係は見慣れているから」
しれっと答えるソフィアから、ヒューズに視線を移すが、黙って彼女の隣に佇んで止める様子もない。
誤魔化すのも、やっぱり無しというのも通用しない状況に、太一はゆっくりと口を開いた。
「…知花が高槻先輩と付き合い出したのは、丁度三年生が引退した後だ。元々モテてた高槻先輩だから、一年の間で可愛いって話題になってた知花と付き合い出しても、誰も何も言わなかったんだ。…それなのに二ヵ月位経ってから、知花の周りで不穏なことが起き始めた」
太一は缶コーヒーをギュッと握り、その内容を淡々と語りだした。
知花が颯太と付き合いだして起こったのは所謂『いじめ』であった。
最初は物を隠される、壊されるという類の物。
特に被害が多かったのは、入っていたバスケ部の知花の私物。
酷い時は一週間の内にバッシュが二度無くなった。
当然、教師達はメンバーを疑い始め、部内の空気も悪くなると、今度は知花に直接暴言が吐かれるようになった。
やがて嫌がらせ行為はエスカレートしていき、SNSでも知花のありもしない噂が撒かれる事態にまでなっていた。
「犯人は分からなかったの?」
どう聞いても犯罪だ。
もう学校内で教師達がどうこう出来る範疇を越していた。
「……知花の家、結構金持ちなの知ってる?」
「どの程度かは分かりませんが、まあ、それなりに裕福なのだと察しています」
「本人は身の丈に合った生活すんのが好きだけど、それとこれとは別で、知花の親が怒ってな。調べ上げて、容赦なく書き込んだ奴を訴えたんだよ」
学校が対応を躊躇している間に、知花の両親はあっさりと犯人を突き止めた。
犯人は複数だった。
しかも教師達も睨んでいた通り、部員が大半、更に高槻颯太の元カノという、明らかな嫉妬によるものだと判断された。
それからは被害者・学校・加害者と話し合いが行われ、加害無いようにより停学、退学処分が行われ、最終的に訴えの方は知花の両親が取り下げるという形で決着をみせたのだ。
「そうだったの…けど、解決方法としては一番、後腐れないわね」
確かにきちんと各々処分を受けているように思える。
しかし、太一の表情は晴れない。
「いや…」
太一が握った缶がパキッと音を立て窪む。
「黒幕が捕まってない」
「…このお嬢様、そのうちトッピングというトッピング、全部乗せとかしそうだな」
颯太とソフィア達が遭遇してから十日ほど経った昼、ヒューズとソフィアはまたコーヒーショップにやって来ていた。
「で?今日は知花まだこの時間講義だけど?」
本来なら許されない筈である接客態度だが、人が少ない時間帯なのを良いことに、太一はドリンクを作りながら二人と会話していた。
「それを知っているから、この時間に来たのだけど?」
「……何?何か知花のことで聞きたいことでもあるのか?悪いけど、スリーサイズとかなら絶対答えないけど?」
「そんなの、知ってるからいいわ」
「知ってるのかよ!?」
冗談のつもりだったのに、先に知られていた事実に太一はショックを受けていた。
二人分の注文を作り終え、受取口へとドリンクを置く。
「…そんなことよりあの、狐のような男の話を聞きたいの」
「狐?」
「この前、居たでしょ?あの茶髪の一見爽やかそうなのに、実は腹黒そうな奴」
「お嬢様…意外とお口が悪うございますね?…っていうか、意外と鋭いな」
「…あぁいうのは、宮内にいっぱい居たから見慣れているのよ」
すると入口のガラス扉が開き、店内へと他の客が入って来た。
「…あと一時間でシフトも終わるから、その後なら」
ソフィアは頷くと、ヒューズを連れ店内への席で太一を待つことにした。
***
「此処で話すか」
バイトを終えた太一に連れられるまま、ソフィアとヒューズは近くの公園までやって来ていた。
近くのベンチにソフィアを座らせると、その隣に設置されていた自動販売機で太一が缶コーヒーを買い蓋を開けて一口飲んだ。
「…で、主に聞きたいのは先輩の何の話?」
「知花と何のトラブルがあったのか、聞きたいわ」
太一の表情が途端に曇る。
知花にあれこれ聞けるのに、それをせずに太一に聞いている時点である程度は予想がついたが、改めて言われると気分が良いものではない。
もう一口コーヒーを飲み、大きく溜め息をついた。
「…あんま気分が良い話じゃない。特に女の子には気持ち悪い話だけど?」
「あら、心配してくれるの?意外と優しいのね?けど、大丈夫よ。割とドロドロとした人間関係は見慣れているから」
しれっと答えるソフィアから、ヒューズに視線を移すが、黙って彼女の隣に佇んで止める様子もない。
誤魔化すのも、やっぱり無しというのも通用しない状況に、太一はゆっくりと口を開いた。
「…知花が高槻先輩と付き合い出したのは、丁度三年生が引退した後だ。元々モテてた高槻先輩だから、一年の間で可愛いって話題になってた知花と付き合い出しても、誰も何も言わなかったんだ。…それなのに二ヵ月位経ってから、知花の周りで不穏なことが起き始めた」
太一は缶コーヒーをギュッと握り、その内容を淡々と語りだした。
知花が颯太と付き合いだして起こったのは所謂『いじめ』であった。
最初は物を隠される、壊されるという類の物。
特に被害が多かったのは、入っていたバスケ部の知花の私物。
酷い時は一週間の内にバッシュが二度無くなった。
当然、教師達はメンバーを疑い始め、部内の空気も悪くなると、今度は知花に直接暴言が吐かれるようになった。
やがて嫌がらせ行為はエスカレートしていき、SNSでも知花のありもしない噂が撒かれる事態にまでなっていた。
「犯人は分からなかったの?」
どう聞いても犯罪だ。
もう学校内で教師達がどうこう出来る範疇を越していた。
「……知花の家、結構金持ちなの知ってる?」
「どの程度かは分かりませんが、まあ、それなりに裕福なのだと察しています」
「本人は身の丈に合った生活すんのが好きだけど、それとこれとは別で、知花の親が怒ってな。調べ上げて、容赦なく書き込んだ奴を訴えたんだよ」
学校が対応を躊躇している間に、知花の両親はあっさりと犯人を突き止めた。
犯人は複数だった。
しかも教師達も睨んでいた通り、部員が大半、更に高槻颯太の元カノという、明らかな嫉妬によるものだと判断された。
それからは被害者・学校・加害者と話し合いが行われ、加害無いようにより停学、退学処分が行われ、最終的に訴えの方は知花の両親が取り下げるという形で決着をみせたのだ。
「そうだったの…けど、解決方法としては一番、後腐れないわね」
確かにきちんと各々処分を受けているように思える。
しかし、太一の表情は晴れない。
「いや…」
太一が握った缶がパキッと音を立て窪む。
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