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来訪者は突然に③
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夕刻、川辺のコンクリートブロックの端を子供達がなぞる様に駆ける。
そんな和やかな風景に、ハーヴィットは目を細め呟いた。
「…この国は平和だな。女子供が場所も時間も気にすることなく暮らせるなんて。何が我々と違うのだろうか」
知花の前を歩くソフィアとハーヴィットは、いずれ国の王と王妃になる者。
きっと異世界であろうと、争わずに平和に過ごしていけたらと願っているはずだ。
突然立ち止まったハーヴィットが、真剣な眼差しでソフィアへと告げる。
「ソフィア姫、私はエクシアルと戦争する気はない。当然、現王も心の内では同じ考えだ。だが…恥ずかしい話、我が国は元老院が実権を握っている状態だ。貴女が嫁いで来たとしても、苦労を掛けることも多いと思う。だが、私はいつまでも彼等の好きにはさせないと誓う。いつか…貴女が心から笑って、ヴェスタの民と触れ合える、そんな国を作るつもりだ。どうか、夫として愛してほしいとまでは願わない。だが、二つの国をより良く、国民が幸せに暮らしていけるようなパートナーとして、傍についていてはくれないだろうか?」
ルビー色の瞳がオレンジ色の夕日と混じり合い、まるで燃えているように見えた。
「……つまり、夫婦としては期待はしていないということですか?」
「いや…そこまでは言っていない。だが…好きでもない男と、愛し合う夫婦のように振舞うのは辛いだろう…?私も気持ちまで強制したいとは思わない…」
きっとソフィアなら愛し合う夫婦の真似事など容易くこなす。
実際知花はソフィアと共に暮らし始めてから、緊張をしたことがない。
危機感も緊張感もない知花だが、それでも今目の前にいるソフィアと普段のソフィアが違うことくらい分かるし、ソフィアが人懐っこく振舞ってくれるからこそ、知花は気を遣わずに済んでいる。
今のソフィアは凛と背筋を伸ばし、美しく、正に人々が求める王女像だろう。
けれど、美しい紫の目に映している世界が、知花にはわからない。
いつもの彼女のように好奇心旺盛な輝く光が見えないからだ。
その姿が孤独に見えて、無性に不安になり両手を握りしめたが、すぐさまその手をつつかれる。
「?」
顔を上げた先にいるのは、眉を下げたヒューズだ。
声には出さないけれど、唇の動きが「大丈夫」と動く。
「姫。少しハーヴィット殿下をあちら側へ案内して参ります。姫は知花とそこで休んでいてください」
ヒューズが指を指したのは川辺のベンチだ。
「後は任せた」と耳元で囁かれ、ヒューズがハーヴィットを連れていく。
知花はそっとソフィアを導き、ゆっくりとベンチへと座らせる。
「……ごめんなさいね。こんな姿、知花に見せるなんて」
同じく知花も隣に座ると、首を横に振った。
大きく息を吸い込んだソフィアが太陽が沈み始めた空を見上げる。
「ねぇ、知花。私は何のために居ると思う?」
ソフィアが居る意味…けれど、それは言葉のままではない。
きっと彼女が問いたいのは『王女・ソフィア』がいる意味だ。
真っ先に頭に浮かぶのは、今回のような政略結婚の道具。
国の利益のため、国交のために血で結び付き合うのが、一番の理由ではないかと知花は答えた。
「この国ではそういう前向きな考え方をするのね。そうね…血が混じれば、同志になり得るかもしれないわね…。けど、私のいた世界は違うわ…この命一つで、沢山の民の命を救うためよ。いざという時は、この首を迷うことなく差し出せと、私はそう教わって来た」
喉の奥を酷く冷たい空気が通り過ぎた気がした。
そして、それとは真逆のものが身体の奥にくすぶり、熱く、痛かった。
「今までヴェスタとの争いで、沢山の国民が死んだわ。けど、それは彼等も同じ。憎まれて当然…けど、それでも怖いのよ。たった一人敵の元へ送られ、指を刺され、罵られ、話したこともない人に一方的に嫌われるのは。私が彼等の大事な人を殺した訳じゃなくても、彼等にとっては同じなのよね」
責任を取らされるのが若干、十六歳の少女だなんて間違っていると思う。
きっと誰しも頭では分かってはいるのに、ヒューズが以前話してくれたように、王やソフィアの兄達もどうしようも出来ないことなのだ。
「今度行われる会議では、エクシアル・ヴェスタに中立国としてグラスタリアが参加して、幾つかの平和に向けての協定が結ばれるわ。私とハーヴィット殿下の結婚もそのパフォーマンスみたいなものよ。元々王族だもの、愛のある結婚が出来るとは思っていない」
オレンジ色に染まりかけ空の色を、アメジストの瞳が映し出して揺らいだ。
「けど…それでも…味方は欲しい。一人ぼっちは嫌なの…我儘でしょう?」
彼女には珍しく不器用に笑う。
膝に置かれた小さな手が震えているのを認めると、知花はそっと手を重ねる。
「ソフィアちゃんはまだ十六歳の女の子でしょう?だったら、もっと我儘言ったっていい」
知花の甘やかす言葉に少し困ったように眉を下げると、声には決してしないけれど小さな唇が「帰りたくない」と動いた。
エクシアルに行きたい日本人に、日本に残りたいエクシアル人。
お互い本当に欲しいものが、自分が居るべき場所に無い。
「…本当、私らしくないわね」
「そんなソフィアちゃんも、ソフィアちゃんでしょう?」
知花がそう笑うとソフィアは一瞬目を見開き、そのアメジスト色の瞳を大きく揺らすと、同じように笑った。
「知花には敵わないわね」
こつんと小さな額が合わさり二人が笑い合っていると、二人が座る川辺のベンチの近くを三歳位の男の子が駆けていく。
子供が駆けて来た先を振り返ると、大きな荷物を抱え走りながらベビーカーを押す母親が、声を張り上げてその子を追いかけているようだ。
けれど、そんな声にお構いなしに子供はズンズン進む。
「あぁ…うちの麻衣と一緒のタイプかぁ…。大変なんだよね…自分が置いていった癖に、必死に追いかけるとその先で泣いてるの…」
「ふふっ。しかたないわ、母親の元へ連れて行ってあげましょう」
ソフィアがベンチから立ち上がり、その子供に話しかけようとしたその瞬間、その子供が川辺のコンクリートブロックに躓く瞬間が見えた。
「危ないっ!!」
知花の声がソフィアの耳に届いた時、咄嗟に子供の腕を掴む。
が、倒れ込む子供の体重に引かれソフィアの細腕が引っ張られた。
次にソフィアの視界に映ったのは、オレンジ色に染まりかけた空を映す水面だった。
(このままじゃ、子供までっ!!)
その細い腕の力を振り絞り、自らの身体とは反対側に、子供を突き飛ばす。
次の瞬間、水が弾ける音と共に、ソフィアは川へと落ちていった。
そんな和やかな風景に、ハーヴィットは目を細め呟いた。
「…この国は平和だな。女子供が場所も時間も気にすることなく暮らせるなんて。何が我々と違うのだろうか」
知花の前を歩くソフィアとハーヴィットは、いずれ国の王と王妃になる者。
きっと異世界であろうと、争わずに平和に過ごしていけたらと願っているはずだ。
突然立ち止まったハーヴィットが、真剣な眼差しでソフィアへと告げる。
「ソフィア姫、私はエクシアルと戦争する気はない。当然、現王も心の内では同じ考えだ。だが…恥ずかしい話、我が国は元老院が実権を握っている状態だ。貴女が嫁いで来たとしても、苦労を掛けることも多いと思う。だが、私はいつまでも彼等の好きにはさせないと誓う。いつか…貴女が心から笑って、ヴェスタの民と触れ合える、そんな国を作るつもりだ。どうか、夫として愛してほしいとまでは願わない。だが、二つの国をより良く、国民が幸せに暮らしていけるようなパートナーとして、傍についていてはくれないだろうか?」
ルビー色の瞳がオレンジ色の夕日と混じり合い、まるで燃えているように見えた。
「……つまり、夫婦としては期待はしていないということですか?」
「いや…そこまでは言っていない。だが…好きでもない男と、愛し合う夫婦のように振舞うのは辛いだろう…?私も気持ちまで強制したいとは思わない…」
きっとソフィアなら愛し合う夫婦の真似事など容易くこなす。
実際知花はソフィアと共に暮らし始めてから、緊張をしたことがない。
危機感も緊張感もない知花だが、それでも今目の前にいるソフィアと普段のソフィアが違うことくらい分かるし、ソフィアが人懐っこく振舞ってくれるからこそ、知花は気を遣わずに済んでいる。
今のソフィアは凛と背筋を伸ばし、美しく、正に人々が求める王女像だろう。
けれど、美しい紫の目に映している世界が、知花にはわからない。
いつもの彼女のように好奇心旺盛な輝く光が見えないからだ。
その姿が孤独に見えて、無性に不安になり両手を握りしめたが、すぐさまその手をつつかれる。
「?」
顔を上げた先にいるのは、眉を下げたヒューズだ。
声には出さないけれど、唇の動きが「大丈夫」と動く。
「姫。少しハーヴィット殿下をあちら側へ案内して参ります。姫は知花とそこで休んでいてください」
ヒューズが指を指したのは川辺のベンチだ。
「後は任せた」と耳元で囁かれ、ヒューズがハーヴィットを連れていく。
知花はそっとソフィアを導き、ゆっくりとベンチへと座らせる。
「……ごめんなさいね。こんな姿、知花に見せるなんて」
同じく知花も隣に座ると、首を横に振った。
大きく息を吸い込んだソフィアが太陽が沈み始めた空を見上げる。
「ねぇ、知花。私は何のために居ると思う?」
ソフィアが居る意味…けれど、それは言葉のままではない。
きっと彼女が問いたいのは『王女・ソフィア』がいる意味だ。
真っ先に頭に浮かぶのは、今回のような政略結婚の道具。
国の利益のため、国交のために血で結び付き合うのが、一番の理由ではないかと知花は答えた。
「この国ではそういう前向きな考え方をするのね。そうね…血が混じれば、同志になり得るかもしれないわね…。けど、私のいた世界は違うわ…この命一つで、沢山の民の命を救うためよ。いざという時は、この首を迷うことなく差し出せと、私はそう教わって来た」
喉の奥を酷く冷たい空気が通り過ぎた気がした。
そして、それとは真逆のものが身体の奥にくすぶり、熱く、痛かった。
「今までヴェスタとの争いで、沢山の国民が死んだわ。けど、それは彼等も同じ。憎まれて当然…けど、それでも怖いのよ。たった一人敵の元へ送られ、指を刺され、罵られ、話したこともない人に一方的に嫌われるのは。私が彼等の大事な人を殺した訳じゃなくても、彼等にとっては同じなのよね」
責任を取らされるのが若干、十六歳の少女だなんて間違っていると思う。
きっと誰しも頭では分かってはいるのに、ヒューズが以前話してくれたように、王やソフィアの兄達もどうしようも出来ないことなのだ。
「今度行われる会議では、エクシアル・ヴェスタに中立国としてグラスタリアが参加して、幾つかの平和に向けての協定が結ばれるわ。私とハーヴィット殿下の結婚もそのパフォーマンスみたいなものよ。元々王族だもの、愛のある結婚が出来るとは思っていない」
オレンジ色に染まりかけ空の色を、アメジストの瞳が映し出して揺らいだ。
「けど…それでも…味方は欲しい。一人ぼっちは嫌なの…我儘でしょう?」
彼女には珍しく不器用に笑う。
膝に置かれた小さな手が震えているのを認めると、知花はそっと手を重ねる。
「ソフィアちゃんはまだ十六歳の女の子でしょう?だったら、もっと我儘言ったっていい」
知花の甘やかす言葉に少し困ったように眉を下げると、声には決してしないけれど小さな唇が「帰りたくない」と動いた。
エクシアルに行きたい日本人に、日本に残りたいエクシアル人。
お互い本当に欲しいものが、自分が居るべき場所に無い。
「…本当、私らしくないわね」
「そんなソフィアちゃんも、ソフィアちゃんでしょう?」
知花がそう笑うとソフィアは一瞬目を見開き、そのアメジスト色の瞳を大きく揺らすと、同じように笑った。
「知花には敵わないわね」
こつんと小さな額が合わさり二人が笑い合っていると、二人が座る川辺のベンチの近くを三歳位の男の子が駆けていく。
子供が駆けて来た先を振り返ると、大きな荷物を抱え走りながらベビーカーを押す母親が、声を張り上げてその子を追いかけているようだ。
けれど、そんな声にお構いなしに子供はズンズン進む。
「あぁ…うちの麻衣と一緒のタイプかぁ…。大変なんだよね…自分が置いていった癖に、必死に追いかけるとその先で泣いてるの…」
「ふふっ。しかたないわ、母親の元へ連れて行ってあげましょう」
ソフィアがベンチから立ち上がり、その子供に話しかけようとしたその瞬間、その子供が川辺のコンクリートブロックに躓く瞬間が見えた。
「危ないっ!!」
知花の声がソフィアの耳に届いた時、咄嗟に子供の腕を掴む。
が、倒れ込む子供の体重に引かれソフィアの細腕が引っ張られた。
次にソフィアの視界に映ったのは、オレンジ色に染まりかけた空を映す水面だった。
(このままじゃ、子供までっ!!)
その細い腕の力を振り絞り、自らの身体とは反対側に、子供を突き飛ばす。
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