七色の魔弾使い

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トラブル

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キャロット達と別れて少し進むと、前方に魔物が現れた。

「ふむ、ようやく魔物の登場だな」

闇から現れる様に出現した。

「角の生えたウサギ、ホーンラビットとスライムですね」

ルビーが火の魔法であっさりと殲滅した。

「もう少し観察させよ?」
「ザコでも魔物は魔物よ。さっさと倒すに越したことはないわよ」

シオンの言葉にルビーはあっさりと言った。

「そうですよ。早く進みましょう?」

マリンも同意したので、突き当りまで行くと引き返すのだった。

「今の所、変わった事も無いですし、キャロットさん達も先に進んだ様で、今の所追いついてはいないね」


周囲を警戒しながら探索を続けるシオン達は、地図上、行き止まりも進んで確認しているため、歩みは遅いのだ。

すでにダンジョンに入って1時間が経過していた。

「少し妙だぞ?」

シオンの言葉に他のメンバーも頷いた。

「ああ、僕もようやく気付いたよ」
「ええ、恥ずかしながら私もよ」

メンバー全員が警戒態勢を最大限に上げた。
いくらゆっくりと進んでいるといっても、クラス全員がダンジョンに入っているんだ。10分前に入ったキャロットにも、あれから追いついていない。

「これだけの人数がダンジョンに入っているんだ、弱いとはいえ魔物も出現する。なのに──」


「「音がしない!?」」


こういったダンジョンでは音は反響して響くものなのだ。それなのに音が聞こえてこない。

シオン達全員が武器を構えて、臨戦態勢を取った。

「ここからは最短ルートで2階層の階段のゴールまで行くぞ!」

少し駆け足で通路を進んでいった。
しばらく進むと、1階層の中央の大広間にたどり着いた。すぐに入らずに通路で様子を見る。

「ねぇ、シオン?僕の勘だと、この大広間に何かがあると思うんだ」

アッシュが言ってきた。

「奇遇だな。オレもそう思っていた所だ」

二人の言う通り、大広間の中央に光の結界の様なものの中に閉じ込められているクラスメイト達がいた。

どうしてわかったとルビーとマリンは思ったがシオンが説明した。

「大人数が合流出来る場所って限られるからな」

なるほどと思い、マリンを待機させてシオン、アッシュ、ルビーが大広間に足を踏み入れた。

マリンには罠に掛かった時の支援とし、最悪外部への連絡係として待機させた。

「みんな!無事か!?」

シオンが大声で叫ぶと光の中にいたクラスメイト達は光の壁を叩きながら危険を教えた。

声は光の壁に阻まれ、小さかったが側まで寄れば、聞こえた。

「変な魔導士がいるんだ!気を付けて!」

!?

その瞬間、シオン達はバッと後ろに飛び去ると、その場に光の蔓(つる)の様なものが現れて、シオン達を束縛しようとした。

「これは見事ですね~流石はダンジョン攻略組は他の生徒と実力が違いますよ」

声の方を見ると黒いローブに身を包み、白い仮面を付けた魔導士がいた。



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