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第3章:幼少期・剣魔大会編

女神降臨!!!

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「お前達!止まれ!!!!このガキをぶっ殺すぞ!!!」

大型のナイフを首元へ突き付けられ、絶体絶命のシオン!どうする!?レイン達!

「「あ゛っ!?」」

レインとレグルスが同時に殺気を放った!

ガタガタッ…………

「お、俺に手を出すと……こ、このガキが……」

震える黒服に、さらにカレン、アルデバラン、ガイも殺気を放つ!

「「「あ゛あん?」」」

ひっ!?と、全身から汗を出しながらガクブルッと震える黒服に、カレンは言った。

「ナイフを捨てよ。我が盟友女神セレスティーナの寵愛を受ける愛し子を傷付ける者は、我リューシンが許さぬ!」

カレンの全身から神気が溢れ、カレンの身体の頭上に女神リューシンの姿を形取った。それはホログラムみたいに、それなりに【大きく】映し出された。


「あああ゛………………女神?リューシン…………様?」

黒服は余りの事にナイフを落とし、気を失った。そして、女神リューシンの姿を目にした黒服達はこぞって膝を着き、手を合わせて許しをこうた。

「すみません!すみません!すみません!すみません!すみません!すみません!すみません!すみません!」
「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」

勝利の女神であるリューシンの姿は、どこでも精巧な彫刻の女神像があちこちで建てられているので、誰でも姿を知っているのだ。

そして、昔から女神リューシン様はお忍びで剣魔大会を見に来ていると言う都市伝説も、一般常識で伝わっていた。それが、黒服達の戦意を折るのに十分であったのだ。この世界で勝利の女神リューシンを冒涜する者など皆無なのだから………

「流石に女神リューシン様の姿を使うのはやり過ぎじゃないか?」

「いいや、ちょうど良いよ。女神リューシン様を怒らせたら、もう生涯は惨めに生きるしか無いからね」

????

「えっ!あっ?ちょっ!?待ってよ!俺達、全然訳わかんないんだけど!?」

ガイが平然としているレインとレグルスに詰め寄った。

「これは秘密なんだけどね。カレンは女神リューシン様の娘(設定)なんだ」
「そして、シオンの中には女神セレスティーナ様が宿っているんだぜ!」

レインとレグルスの言葉にガイとアルデバランは驚愕した。

「………マジで訳わかんないんだが?」
「僕もガイと同じ気持ちなんだけど!?」

二人ともカレンの女神の姿を見たとはいえ、信じられない様子だった。

「今は時間がないのじゃ!急いでシオンを連れて会場に戻るのじゃ!」
「そうだね。シオンはまだ目覚めない?」

シオンを見ると─

むにゃむにゃ……もう食べられない………すぴー!

イラッ!

「おい、イラッと来たのは俺だけか?」
「う~ん、誰のせいでこんな大変な事になったんだろうね?」

「よし、殺すのじゃ!」

いやいやいや!それはダメよ!?気持ちはわかるけど!?

「はぁ~、取り敢えず背負って連れていくぞ!グランさんが頑張っているんだ!」
「ああ!急ごう!」

カレンは眠っているシオンを背負い、試合会場へと向かった。

「アルデバランさん、こいつらをお願いします!」

「わたったよ。でも、後から説明してもらうからなーーー!」

「「はーい!」」

子供達は来た道を戻っていった。

「さて、こいつらを拘束するか」
「ああ、手伝うぜ!」

ガイとアルデバランは黒服達を縛っていった。黒服達は完全に怯えて、抵抗をしなかった。

後に、剣魔大会で賑わう街の外でこんな騒ぎを起こせばどうなるか?剣魔大会が終わってからわかるのであった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】

愚者の声
「さくさく行きますよ~」






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