異世界転生戦記！少女は能力を封印されて、異世界で勝ち上がっていく(仮)

第５章：邪神復活編

里帰り！

アクエリアス領に入ると、検問の所でちょっとした騒ぎが起こった。

「その紋様の馬車は………！？」

「お仕事お疲れ様です。通って良いかな？」

検問の兵士がアクエリアス公爵家の馬車に気付き、大声で敬礼した。

「お帰りなさいませ！レイン様！シオン様！」

！？

「何だと！？」

その声を聞いた兵士長が飛んで来た。

「おお！間違いない！お帰りなさいませ！お待ちしておりました！」

兵士長はあらかじめ用意してあった騎馬隊を護衛に馬車を護衛しながら街へ入るのだった。

「ちょっと！別に護衛なんていらないよ？」
「いえ！レイン様、シオン様がお強いのは存じております。我々、一般兵士よりもとっても強いでしょう。これはパレードなのですよ」

はて？パレードですと！？

「はい！レイン様は次期当主として、そして領民はシオン様の発明した数々の品によりとても感謝しております。不敬ですが、レイン様よりシオン様の方が民からの支持は高いのですよ？そんなお二人が、久々に里帰りされたのです。大勢の領民に知って貰わなければなりません！」

レインは当たり前の様に、シオンはなんだかなーという顔で馬車は進んでいった。

「シオン様はもう少し、自分の立場を認識するべきですわよ？」

カウスが前にも言った様に、シオンに注意した。

「ん～？何の事かな？」

まったく無警戒なシオンにこめかみを抑えるカウス。そこにアイギスがフォローを入れた。

「シオン、カウスさんの言う通りですよ！」
「アイギスちゃんまで何だよ～」

そんな様子をカレンが笑いながら見守っていた。

「まぁ～シオンじゃしのぅ？シオンよ、御主が発明した物の売上を知っておるのか？」

シオンはある程度の利益があるのは知っていたが、自分の利用出来るだけの金額しか把握していなかった。いや、作るだけ作って後は効果があった、評判が良かった意外に興味がなかったのだ。

「その様子じゃと知らんじゃろう？もし、御主を拐い、発明品を作らせ続ければ莫大なお金を稼げるじゃろう。そして、御主が作った物の大半が市民向けの物じゃ。市民でも手の出る価格の美容品に食材、薬剤など数多ある。それが民衆の感謝と支持に繋がっておるのじゃよ」

カウスとアイギスはそうそうと何度も頷いて同意していた。

「はぁ～わかりました。気を付けますよ」

シオンは両手を上げて降参したポーズで答えた。

「こっちがはぁ～じゃ、本当にわかっておるのかのぅ？」

こうして、シオン達はアクエリアス家へと向かうのだった。

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「「「お帰りなさいませ！」」」

アクエリアス家の門を潜ると、両サイドにメイド達が揃って出迎えてくれた。

「ほぇ～、うちってこんなにメイドさん居たんだ」
「これっ！失礼じゃぞ？」

メイドの１人が前に出てきた。
シオンの側付きメイドのアルカナである。

「カレン様、シオン様の事ですから仕方がありません。お疲れ様でしょうが待合室で奥様がお待ちです。旦那様も間もなくお戻りになられます」

アルカナの案内で待合室へ向かうと─

「お帰りなさーい！シオン、レイン！それにカレンもね！」

シオンはお母様に抱き締められて身動きが出来ない。

「お母様、ただいま戻りました！」
「母上殿、帰ったのじゃ！」

二人は挨拶をするが、カウスとアイギスは感激の余り声が出なかった。

「英雄王の妻にして、水の女神の2つ名のレイラ様に会えて光栄ですわ♪」
「あの御方が、生きる伝説の………ジーン」

意外にミーハーな二人はぽーとレイラを見つめていた。

「あなた達が、剣魔大会を戦うチームメイトにしてクラスメイトのアイギスさんとカウスさんね？カウスさんは久しぶりかしら？」

「私の事を覚えておいででしたか！」
「ええ、アルデバランの結婚式以来かしら？」

ピキッーン

「はい……そうですわね」

？

急に元気が無くなったカウスを余所に、シオン達の歓迎会が始まるのだった。



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【後書き】

愚者の声
「誰かを忘れているような？」