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ストレス発散ですよ?
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ふぅ~~~
シオンは仁王立ちして、目を閉じ両手を腰に当てて深呼吸をして、集中力を高めていた。
はぁぁぁぁ!!!!!
小さく気合いを入れつつ両手に力を込めた。
カッ!!!!
目を開き、瞬間的に力を爆発させた。
「アッタタタタタタタタタタタタタッ!!!アチョウ!!!!!!!!!!!」
訓練室に吊るしてあったサンドバックに、目にも止まらない速さで、拳の連打を繰り出していた。一呼吸で数え切れないほどの連打をした後、最後は廻し蹴りを決めると、サンドバッグは真ん中から切れて、中から砂がこぼれ落ちた。
「フシューーーーーー」
大きく息を吐くとまた、先ほどの構えに戻った。
パチパチッ
パチパチッ
静かな訓練室に拍手が鳴った。
「…………なんの御用ですか?」
シオンは普通の令嬢では絶対に着ることのない、『胴着』姿であった。空手とか柔道とかで着る服ね。
「素晴らしい攻撃だったぞ」
拍手をしたのは紅さんだった。いったいいつからいたのやら。
「それはどうも」
「しかし、シオンが絵だけではなく、格闘も出来るとは知らなかった!素晴らしい武術だったぞ!」
大絶賛する紅さんに、シオンは首を傾げた。
「いいえ?別に武術は出来ないですよ?」
「うん?武術だろ?今のは???」
シオンは壊れたサンドバッグを指差して言った。
「あれは、ストレス発散の道具に過ぎませんよ?」
「えっ?」
「ええっ!?」
お互いに別の意味での戸惑いが生じた。
「絵を集中して描くと、肩が凝ったりイライラしてきたりするので、定期的にこうやってストレスを発散しているのです」
ドヤァ~と、腰に手を当ててドヤァ顔で言うシオンに、紅は思った。バカと天才は紙一重だと言う言葉が脳裏を駆け巡った。
ストレス発散って言っている割に、また集中していたような?まぁ、物を殴ることは発散にはいいだろうが…………なんだかなー?
「ああ、ポンコツ姫がどんどん規格外の怪物になっていくわ………」
ちょうどフィーネもやってきて、ハラハラと涙を流しながら遠い目をした。
「失礼ね!私は至って普通の令嬢よ!規格外な令嬢って言うのはメリッサちゃん達の事を言うのよ!」
シオンは真面目に答えたつもりだが、失礼な事を言っている自覚がなかった。
「確かに、あれからメリッサの伸びしろは素晴らしいな。剣術だけなら大人顔負けぐらいの技量を数ヶ月で身に付けた。後は実戦経験を積めばルークと互角に渡り合えるだろう」
剣聖のスキル持ちのお兄様と互角だと!?
「ほら見たことか!私は至って普通でしょう?」
フィーネも驚いている状態だった。
「それ本当に?」
「アタイが嘘を言うはずがないだろう?贔屓目もしてないぞ?」
フィーネは信じられず、中庭の方へ飛んでいった。
「あっ、待ちなさいよ~」
シオンも後に続いた。
中庭に着くとメリッサにフィーネが詰め寄っていた。
「本当に剣聖のスキルを持つルークと互角になったの!?」
「えっ、あっ……まだ10本勝負で2本しか………」
!?
いやいや!?
それでも十分に凄いよ!?
「なんだお前達、メリッサの実力を聞いたのか?そんなに驚くものでもないだろう?メリッサも剣聖のスキルを持っているんだから?」
……………なんだと?
シオンは仁王立ちして、目を閉じ両手を腰に当てて深呼吸をして、集中力を高めていた。
はぁぁぁぁ!!!!!
小さく気合いを入れつつ両手に力を込めた。
カッ!!!!
目を開き、瞬間的に力を爆発させた。
「アッタタタタタタタタタタタタタッ!!!アチョウ!!!!!!!!!!!」
訓練室に吊るしてあったサンドバックに、目にも止まらない速さで、拳の連打を繰り出していた。一呼吸で数え切れないほどの連打をした後、最後は廻し蹴りを決めると、サンドバッグは真ん中から切れて、中から砂がこぼれ落ちた。
「フシューーーーーー」
大きく息を吐くとまた、先ほどの構えに戻った。
パチパチッ
パチパチッ
静かな訓練室に拍手が鳴った。
「…………なんの御用ですか?」
シオンは普通の令嬢では絶対に着ることのない、『胴着』姿であった。空手とか柔道とかで着る服ね。
「素晴らしい攻撃だったぞ」
拍手をしたのは紅さんだった。いったいいつからいたのやら。
「それはどうも」
「しかし、シオンが絵だけではなく、格闘も出来るとは知らなかった!素晴らしい武術だったぞ!」
大絶賛する紅さんに、シオンは首を傾げた。
「いいえ?別に武術は出来ないですよ?」
「うん?武術だろ?今のは???」
シオンは壊れたサンドバッグを指差して言った。
「あれは、ストレス発散の道具に過ぎませんよ?」
「えっ?」
「ええっ!?」
お互いに別の意味での戸惑いが生じた。
「絵を集中して描くと、肩が凝ったりイライラしてきたりするので、定期的にこうやってストレスを発散しているのです」
ドヤァ~と、腰に手を当ててドヤァ顔で言うシオンに、紅は思った。バカと天才は紙一重だと言う言葉が脳裏を駆け巡った。
ストレス発散って言っている割に、また集中していたような?まぁ、物を殴ることは発散にはいいだろうが…………なんだかなー?
「ああ、ポンコツ姫がどんどん規格外の怪物になっていくわ………」
ちょうどフィーネもやってきて、ハラハラと涙を流しながら遠い目をした。
「失礼ね!私は至って普通の令嬢よ!規格外な令嬢って言うのはメリッサちゃん達の事を言うのよ!」
シオンは真面目に答えたつもりだが、失礼な事を言っている自覚がなかった。
「確かに、あれからメリッサの伸びしろは素晴らしいな。剣術だけなら大人顔負けぐらいの技量を数ヶ月で身に付けた。後は実戦経験を積めばルークと互角に渡り合えるだろう」
剣聖のスキル持ちのお兄様と互角だと!?
「ほら見たことか!私は至って普通でしょう?」
フィーネも驚いている状態だった。
「それ本当に?」
「アタイが嘘を言うはずがないだろう?贔屓目もしてないぞ?」
フィーネは信じられず、中庭の方へ飛んでいった。
「あっ、待ちなさいよ~」
シオンも後に続いた。
中庭に着くとメリッサにフィーネが詰め寄っていた。
「本当に剣聖のスキルを持つルークと互角になったの!?」
「えっ、あっ……まだ10本勝負で2本しか………」
!?
いやいや!?
それでも十分に凄いよ!?
「なんだお前達、メリッサの実力を聞いたのか?そんなに驚くものでもないだろう?メリッサも剣聖のスキルを持っているんだから?」
……………なんだと?
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