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知らない所で『豪運』って………

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兄ルークの言葉にシオンはどういう事よ!と、ルークの胸元を掴んで揺らした。

「お、落ち受け!?シオン………あうあう」
「シオン、落ち着いて!それに、どうしてメリッサちゃんに剣聖のスキルがあった事を知らなかったの?こんなレアスキルを持っていたら噂や話題になるでしょう?」

フィーネの言っていることは当然だった。

「私も最初は剣士のスキルでしたよ?」

うん?
どういうことやねん???

「ここで修行していたらスキルが『進化』して剣聖になったんです」

な、なんですとーーーー!!!!!!!

「スキルが進化ってどういうことよ!!!?」

私なんて豪運っていう訳のわからんスキルなのに!

「落ち着きなさいよ。シオン!取り敢えず、ルーク君説明を続けて?」
「あ、ああ………スキルっていうのは、使い込めば進化して、上級スキルにレベルアップするんだ」

ふむふむ………

「普通なら剣士から剣豪などになって、最高クラスの剣聖になるんだけど、メリッサは一気に剣聖になったから驚いたよ。ある日急に斬激が強くなったから蒼さんに鑑定して貰ったら判明したんだ」

マジで!?

「あ、そうそう、ランちゃんも魔術師のスキルから大魔導のスキルに進化していたわ。賢者のレインより、強力な攻撃魔法をバンバン使ってレインを圧倒していたな」

ほわい?
ランちゃんも!?

「わ、私のスキルも進化するのかな?」

一抹の期待を込めて聞いてみた。

「…………そ、そうだな!きっとシオンも凄いスキルに進化するさっ!」
「そうですよ!シオンのスキルは凄いんですから!」

「「あ、あはははははっ!!!!!」」

グサグサッ!?

二人の慰めの言葉が辛いデス…………シクシク

「でも、まぁ、シオンのスキルが凄いのは事実だな!アタイも初めてのスキルだが、普通はどんな天才でもこんな短時間でスキルが進化する訳がないからな。シオンのスキル『豪運』が、仲間達にも効果を与えているようだ」

またまた、なんだってーーーーー!!!!!
と、叫ぶシオンがいた。

「私のスキルなのに、自分より周りに効果があるってどういう事よ!」

プンスカと怒るシオンは可愛い♪………じゃない、怒るシオンを紅さんはなだめながら言った。

「まぁまぁ、シオンのスキルは、シオンが大切な人だと思う者にしか効果がないようだし、嬉しいじゃないか?それだけ大事に思っているってことだろ?」

!?

そんな恥ずかしいこと言わないでよ!

「シオン、そんなに俺のことを………」
「シオンってば、そんなに私の事を………」

ジーンと感動するルークとメリッサであった。



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