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予想外だよ!?
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アリスを巻き込み、シオンは作画に没頭した。
場所を部屋に移動して、様々なポーズを取らせて下書きを描いた。
「はぁはぁ、良いよ!凄く良いわ!悪役令嬢とヒロインのツーショットが素晴らしい!!!」
シオンは目の前にいる、理想の悪役令嬢のスカーレットと、少し気弱なヒロイン気質のアリスの隣り合わせの絡みに興奮していた。
「シオンさんの言っている事はわかりませんが、その過程で生まれる芸術はわかりますわ!」
「あの~~そろそろ授業に…………」
なんとか抜け出そうとするが………
「あっ、アリス!手を上げて、腰に廻して」
「えっ、あっはい?こうですか?」
シオンはペンを立てて、ジーと見詰めた。
「うん!そうそう、少しそのままでいてね♪」
と、いう具合にシオンに良いように言いくるめられていた。
その頃──
「と、言うわけで、かくかくしかじかと言う事情でして──」
メリッサの説明に頭を抱えるジークとライトだった。いかに王子だとしても女子寮に入る訳にはいかないからだ。男子禁制なのである。
「あのポンコツ姫は、まったく…………」
「余り言いたくないが、同感だな」
この数年で、シオンに対して遠慮が無くなった二人であった。
「取り敢えず先生に事情を説明しようか」
「………そうだな。はぁ~」
どう説明すればいいのか頭を悩ませる二人であったが、ホームルーム前に職員室へ行き、担任の先生を訪ねた。
「失礼します。Sクラスの担任の先生はいらっしゃいますか?」
もうすぐクラスへ行く時間だった教師はすぐに対応してくれた。
「はい、私が担任のクリスです。どうしました?もうすぐホームルームが始まりますよ?」
担任のクリス先生は若い女性であった。長い金髪を後ろでまとめていて、眼鏡が似合う知的な女性という印象だった。
「実はシオンと一部の女子生徒についてなんですが………」
???
「あの有名な芸術家のシオン・バーニングハートさんがどうしました?」
「女子寮で、なんか創作意欲が沸いたとかで、一部の女子生徒を被写体にして絵を描いているそうなんです」
!?
「なんですって!?」
うん、そうなるよなー?
「それで、初日なのに授業に出られないと言っているみたいで………申し訳ないのですが、女子寮には男性は入れませんので、先生にお願いできないかな?と思いまして」
「なるほど!わかりましたわ!!!」
あれ?なんかテンション上がってない?
クリス先生は急に立ち上がると、メリッサに生徒名簿の挟んだクラス教師の黒色のファイルを渡すと走っていった。
「えっ?えっ?ちょっっ!!!?」
走りながらクリス先生は言った。
「時間になっても戻らない場合は、そのファイルに書いてある通りにホームルームを進めて下さいね~~~」
「なっーーー!?」
クリス先生はそのまま走って行った。
呆然とする三人だったが予鈴のチャイムが鳴り、教室へ戻るのだった。
「ねぇ?あれって………」
「言うな。わかっているから………」
そう、あの目は『シオン信者』の目だ。狂信的信者じゃないことを祈るしかない。
シオンの作品と作風に、熱狂的なファンが年々増えているのだ。それが担任教師だったというだけだよ。
うん、それだけの事だ…………
「あの~~?それでこれ、どうしよう?」
腹黒王子のジークはメリッサの肩を叩いた。
「クリス先生はメリッサにそれを託した。だから………がんばれ!担任代理」
!?
メリッサはライトを診るが目を逸らされた。
「えっ?マジで???」
思わず素がでるメリッサであった。
場所を部屋に移動して、様々なポーズを取らせて下書きを描いた。
「はぁはぁ、良いよ!凄く良いわ!悪役令嬢とヒロインのツーショットが素晴らしい!!!」
シオンは目の前にいる、理想の悪役令嬢のスカーレットと、少し気弱なヒロイン気質のアリスの隣り合わせの絡みに興奮していた。
「シオンさんの言っている事はわかりませんが、その過程で生まれる芸術はわかりますわ!」
「あの~~そろそろ授業に…………」
なんとか抜け出そうとするが………
「あっ、アリス!手を上げて、腰に廻して」
「えっ、あっはい?こうですか?」
シオンはペンを立てて、ジーと見詰めた。
「うん!そうそう、少しそのままでいてね♪」
と、いう具合にシオンに良いように言いくるめられていた。
その頃──
「と、言うわけで、かくかくしかじかと言う事情でして──」
メリッサの説明に頭を抱えるジークとライトだった。いかに王子だとしても女子寮に入る訳にはいかないからだ。男子禁制なのである。
「あのポンコツ姫は、まったく…………」
「余り言いたくないが、同感だな」
この数年で、シオンに対して遠慮が無くなった二人であった。
「取り敢えず先生に事情を説明しようか」
「………そうだな。はぁ~」
どう説明すればいいのか頭を悩ませる二人であったが、ホームルーム前に職員室へ行き、担任の先生を訪ねた。
「失礼します。Sクラスの担任の先生はいらっしゃいますか?」
もうすぐクラスへ行く時間だった教師はすぐに対応してくれた。
「はい、私が担任のクリスです。どうしました?もうすぐホームルームが始まりますよ?」
担任のクリス先生は若い女性であった。長い金髪を後ろでまとめていて、眼鏡が似合う知的な女性という印象だった。
「実はシオンと一部の女子生徒についてなんですが………」
???
「あの有名な芸術家のシオン・バーニングハートさんがどうしました?」
「女子寮で、なんか創作意欲が沸いたとかで、一部の女子生徒を被写体にして絵を描いているそうなんです」
!?
「なんですって!?」
うん、そうなるよなー?
「それで、初日なのに授業に出られないと言っているみたいで………申し訳ないのですが、女子寮には男性は入れませんので、先生にお願いできないかな?と思いまして」
「なるほど!わかりましたわ!!!」
あれ?なんかテンション上がってない?
クリス先生は急に立ち上がると、メリッサに生徒名簿の挟んだクラス教師の黒色のファイルを渡すと走っていった。
「えっ?えっ?ちょっっ!!!?」
走りながらクリス先生は言った。
「時間になっても戻らない場合は、そのファイルに書いてある通りにホームルームを進めて下さいね~~~」
「なっーーー!?」
クリス先生はそのまま走って行った。
呆然とする三人だったが予鈴のチャイムが鳴り、教室へ戻るのだった。
「ねぇ?あれって………」
「言うな。わかっているから………」
そう、あの目は『シオン信者』の目だ。狂信的信者じゃないことを祈るしかない。
シオンの作品と作風に、熱狂的なファンが年々増えているのだ。それが担任教師だったというだけだよ。
うん、それだけの事だ…………
「あの~~?それでこれ、どうしよう?」
腹黒王子のジークはメリッサの肩を叩いた。
「クリス先生はメリッサにそれを託した。だから………がんばれ!担任代理」
!?
メリッサはライトを診るが目を逸らされた。
「えっ?マジで???」
思わず素がでるメリッサであった。
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