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大捜索!
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シオンの絵が盗まれてから2日目の夜になろうとしていた。
1日目は即座に国王様の所にも連絡があり、緊急の検問が設けられ、多くの警備隊及び騎士団まで派遣され、王都の中や外には多くの騎士達が動き廻り、周囲に住む住民達は何事だと不安そうに見守った。
そして、シオンが絵を盗まれたのを知ったのは2日目の朝になってからだった。
「さぁ!野郎ども!盗まれた私の絵を見つけるわよ!」
大切な使用人を傷付けられた落とし前を着ける為にシオンが動きだした。シオンの後ろには少しゲンナリしているメリッサの他に、やる気を出している王子達がいた。
「わかっているな?」
「ああ、どちらが先にシオンの絵を見つけるか勝負だぞ」
王子達はお互いの拳と拳を合わせてやる気を漲らせていた。それは、シオンが絵を見つけたら何でも一つお願いを聞いてあげるから手伝ってと言ったからだった。
腰に手を当ててビシッと指を差しているシオンにメリッサが声を掛けた。
「それでシオン?どうやって絵を探すの?」
シオンは振り向くとチッチッチッと指を鳴らした。
「フィーネ!出番よ。状態保存の魔法の魔力を追って探してちょうだい!」
「えっ、そんな事できないわよ?」
「えっ?」
「えっ?」
シオンとフィーネはお互いに顔を見合わせた。
「どうしてできないのよ!紛いなりにも女神でしょう!」
「自分ができない事を押し付けないでよ!」
ギャー!
ギャー!
と、揉めている二人に、小龍の【カーマイン】と【マリン】が服を引っ張った。
「ねぇ、もしかしてこの二匹は絵の場所に案内しようとしているんじゃない?」
!?
「そうなの?」
クゥクゥと鳴きながら頷いた。
「フィーネより役立つよ!」
「むっきーーー!!!!今に見てなさいよ!」
フィーネはペチペチとシオンを叩いた。
「まぁ、シオンだしな」
「失敗しても周りのフォローがあればな」
シオンの考えなしの作戦は、なんやかんやで上手くいくのだった。そこへ話をややこしくする人物が現れた。
「話は聞かせてもらいましたわ!私(わたくし)も協力させて頂きますわ!」
スカーレットの登場である。
「ありがとう!悪者を懲らしめにいきましょう!」
こうしてシオン達は小龍に案内され、行動を開始するのだった。
・
・
・
・
・
・
・
「クソッ、捜索が思った以上に早かったな」
「まぁ、そう言うな。あのまま王都に戻らず国境に向かっていたら捕まっていたんだ。ラッキーだったと思おうぜ?」
シオンの絵を盗んだのは、名の通った盗賊団であった。絵を盗んだ後、すぐに隣国へと逃げる予定だったが、絵に魔法が掛けられているため、追跡を警戒し一度王都の人混みに紛れて、ほとぼり冷めるまで潜伏する事にしたのだった。
前金でしばらくは暮らしていける金銭もあったからだ。
「しかし、見ればみるほど不思議な絵だな」
「ああ、素人の俺達でも凄い絵だってわかるからな」
状態保存の魔法が掛けられているため、額縁を外して絵を丸めて持ち運ぶことが出来なかったのだ。
そうなると隠して運ぶ事が難しくなる。
故に、隠れ家に隠れてしばらく様子を見る事にしたのだった。
彼らが地獄をみるのはもう少し後である。
1日目は即座に国王様の所にも連絡があり、緊急の検問が設けられ、多くの警備隊及び騎士団まで派遣され、王都の中や外には多くの騎士達が動き廻り、周囲に住む住民達は何事だと不安そうに見守った。
そして、シオンが絵を盗まれたのを知ったのは2日目の朝になってからだった。
「さぁ!野郎ども!盗まれた私の絵を見つけるわよ!」
大切な使用人を傷付けられた落とし前を着ける為にシオンが動きだした。シオンの後ろには少しゲンナリしているメリッサの他に、やる気を出している王子達がいた。
「わかっているな?」
「ああ、どちらが先にシオンの絵を見つけるか勝負だぞ」
王子達はお互いの拳と拳を合わせてやる気を漲らせていた。それは、シオンが絵を見つけたら何でも一つお願いを聞いてあげるから手伝ってと言ったからだった。
腰に手を当ててビシッと指を差しているシオンにメリッサが声を掛けた。
「それでシオン?どうやって絵を探すの?」
シオンは振り向くとチッチッチッと指を鳴らした。
「フィーネ!出番よ。状態保存の魔法の魔力を追って探してちょうだい!」
「えっ、そんな事できないわよ?」
「えっ?」
「えっ?」
シオンとフィーネはお互いに顔を見合わせた。
「どうしてできないのよ!紛いなりにも女神でしょう!」
「自分ができない事を押し付けないでよ!」
ギャー!
ギャー!
と、揉めている二人に、小龍の【カーマイン】と【マリン】が服を引っ張った。
「ねぇ、もしかしてこの二匹は絵の場所に案内しようとしているんじゃない?」
!?
「そうなの?」
クゥクゥと鳴きながら頷いた。
「フィーネより役立つよ!」
「むっきーーー!!!!今に見てなさいよ!」
フィーネはペチペチとシオンを叩いた。
「まぁ、シオンだしな」
「失敗しても周りのフォローがあればな」
シオンの考えなしの作戦は、なんやかんやで上手くいくのだった。そこへ話をややこしくする人物が現れた。
「話は聞かせてもらいましたわ!私(わたくし)も協力させて頂きますわ!」
スカーレットの登場である。
「ありがとう!悪者を懲らしめにいきましょう!」
こうしてシオン達は小龍に案内され、行動を開始するのだった。
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「クソッ、捜索が思った以上に早かったな」
「まぁ、そう言うな。あのまま王都に戻らず国境に向かっていたら捕まっていたんだ。ラッキーだったと思おうぜ?」
シオンの絵を盗んだのは、名の通った盗賊団であった。絵を盗んだ後、すぐに隣国へと逃げる予定だったが、絵に魔法が掛けられているため、追跡を警戒し一度王都の人混みに紛れて、ほとぼり冷めるまで潜伏する事にしたのだった。
前金でしばらくは暮らしていける金銭もあったからだ。
「しかし、見ればみるほど不思議な絵だな」
「ああ、素人の俺達でも凄い絵だってわかるからな」
状態保存の魔法が掛けられているため、額縁を外して絵を丸めて持ち運ぶことが出来なかったのだ。
そうなると隠して運ぶ事が難しくなる。
故に、隠れ家に隠れてしばらく様子を見る事にしたのだった。
彼らが地獄をみるのはもう少し後である。
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