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対面!

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火炎魔法が着弾し、王城は大理石でできているため燃え広がらなかったが、周囲の絨毯や調度品を焼いた。

「大丈夫!紅さん!!!」

シオンの叫び声に煙から姿を現した紅さんは明るい声で大丈夫だと言った。

「…………いきなり、随分な挨拶じゃない?」

不敵に笑いながら部屋に居る人物に話し掛けた。

「いえいえ、お礼には及びませんよ。これからもっと『おもてなし』をさせて頂きますので」

悪びれる訳でもなく嫌味で言い返すクロウが居た。

「クロウ!これはどういうつもりだ!」

激怒した国王様が大声で怒鳴った。

「父上、これは処刑ですよ。私の敵を殺して当然でしょう?」

やれやれと言った感じでため息を付いた。
そしてクロウは手の平をこちらに向けた。

「クロウ!血迷ったか!?」
「私は至って正気ですよ。父上こそ、この得体の知らない者達に頭を下げて、情けなくないのですか?」

国王はクロウを見据えながら反論した。

「ここにいらっしゃる方々は──」
「知っていますよ。古龍と大精霊ですよね?ここは人間の治める国だ!部外者は国から出ていって貰おうか!!!」

紅さんは腕を組んで言った。

「クククッ、なかなか骨のある小僧じゃないか?確かにお前の言う事は正論だ。私達が表にでるのは好ましい事ではない。だが──」

紅さんや蒼さんはクロウの後ろにいる黒い影を見て続けた。

「お前はどうなんだ?得体の知れない者が取り憑いているようだがなっ!」

紅さんは、さっきのお返しとばかりにノーモーションで火炎魔法を放った。

ドーーーーーン!!!!!

クロウ王子はまともに喰らい反対側の窓際まで吹き飛んだ。

「紅さん!やり過ぎ!?」

王子を殺っちゃったら牢屋行きだよーーー!!!!

シオンは自分の未来を想像して青くなった。
うん、何処かズレているシオンである。

「大丈夫よ。さっ、部屋に入りましょう」

流石に王子の自室と言う事で、かなり広い部屋であった。

パンパンッ

クロウは埃を払いながら起き上がった。
全然、ダメージがないようである。

「まったく、これだから野蛮な獣は嫌いなんだ」

クロウは憎しみのこもった目で睨み付けた。

「ふっ、私を獣とは言うではないか小僧」

クロウの身体から黒いオーラのようなものが膨れ上がった。

「ちょうどいい!貴様らを殺して私が王位に着くとしよう!お前達に古龍や大精霊が付いてるとしても、私には【神】が付いているのだからな!」

クロウが手を振ると部屋の中が真っ暗な空間に変わった。

「えっ!?」
「なんだこれは!?」

明らかに元の部屋以上の広い空間に変わっていた。

「これは空間魔法?でもこれは──」

魔術に長けた蒼さんは冷静に分析していた。

「ここは私が創り出した空間だ。ここなら思う存分に戦えるだろう?」

いつの間にか空中に浮いていたクロウが襲い掛かってきた。





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