28 / 44
バトル開始!
しおりを挟む
シオン達は悪魔が召喚されている部屋に着くと、妖精に時を止める秘術の解除をお願いした。
「ルゥ、お願いね」
「任せて!」
妖精は普通の人間には聞き取れない古代呪文を唱え始めた。
時間にして5分ほどだろうか、手を前にかざした妖精は全身で汗をかきながら呪文を唱え続けた。
そして───
パリンッとガラスが割れるような音と共に、時を止める秘術が解除された。
「みんな!行動開始だよ!」
「「了解!!!!!」」
周囲のエルフ達はシオン達を見て驚いた顔をした。
第一段階としてエルフの説得はレオナが担当することになっていた。
「れ、レオナ?お主どうして、いつ戻ったのだ・・・?」
「族長!話は後です!風の精霊よ!私の声を届けたまえ!!!!!」
レオナの声はエルフの里全体に響いた。
『事情は妖精のルゥから聞きました。私はレオナ。すでに時を止める秘術で10年の歳月が経っています。私は仲間と共に、この大悪魔を倒す準備をしてから時を止める秘術を解除しました。里のみんなはすぐに里の外に逃げて下さい』
時間停止が解けたエルフは混乱していた。本人達にしてみればたった今、悪魔を封印した感覚だからだ。
「10年も、世界の時は進んでいるのか?」
「話は後です!すぐに里を出て下さい!聖王国の教皇様が森の入口で保護してくれる手筈になっています。妖精のルゥ!みんなの避難誘導をお願い!」
「了解です!ささっ、こちらなのです!」
まだ混乱している族長を始めとしたエルフ達を強制的に移動させた。
「レオナ!死んでしまった仲間はいるの?」
「そういえば、多くは身体がだるそうにしているが、死んだエルフはいないようだ」
「それはよかった。後はこの悪魔を倒すだけだね」
時が動き始めてから魔法陣から少しづつ身体が出てきている大悪魔を睨みつけた。
「クククッ、今さら騒ごうがムダだ。絶望せよ!もうすぐだ」
ライオンの頭の悪魔は勝ち誇ったように言った。
「まだ動けない状態で何を勝ち誇っているのよ?バカなの?」
シオンは挑発するかの様に言った。
「………人間の小娘が。そんなに我に喰われたいか?」
「あいにくと、ライオンに食べられる予定は無いのよ。それに私は強いよ!みんな、作戦プランAを開始する!」
「「了解!!!」」
仲間達はエルフ達を誘導しながら、指定の位置に移動した。そして、魔法陣の部屋にはシオンと大悪魔ヴァプラだけが残った。
「まだ出られないの?ゆっくりなのね。その様子だと完全に出るには後5分ほどは掛かりそうかしら?」
「だからなんだ?貴様の命が残り5分と言う事だ。精々神にでも祈るんだなぁ~」
「そうね。なら動けない貴方を一方的にボコボコにしても良心が痛まないわね」
シオンはぁ~ナムナムと祈りながら悪魔の周りを正方形に簡易結界を張り、水魔法で悪魔を溺れさせた。
「ぐおっ!?ゴボゴボッッッ」
悪魔の全身が『聖水』で溺れさせられている状態が完成した。
全身から黒い煙が発生しており、全身を火傷しているようなダメージを受けていた。
『ボコッッ!?ま、まさか聖水を魔法で生み出すだとっ!?目の前の小娘は【聖女】とかいうヤツなのか!?』
大悪魔とはいえ、まともに聖水を浴びて、更には口から聖水を飲まされている為に、内部からもダメージを受けていた。
ヴァプラはすでに出てきている腕を使い暴れまくった。
長い4本の腕を無作為に振り回すが、結界には届かず、聖水の水の中をもがき続けるしか出来なかった。
さらに運はシオンに味方していた。
召喚が完全に終了するまでは、大悪魔といえども、魔力を行使する事が出来なかったのである。
こうして大悪魔ヴァプラは僅か約5分間でかなりのダメージを受けたのであった。
『流石にこれだけでは倒し切れないか………』
遂に全身の召喚が完了し、すぐにヴァプラは魔力を放出してシオンの結界を打ち破った。
結界が壊れた事で、水槽の水が周囲に流れ落ちるかのように流れていった。
「ハァハァ、貴様!許さんぞ!!!!」
全身の痛みに耐えながら怒りをシオンにぶつけた。
「あれ~?これからなのにもうお疲れ?」
ブチッとヴァプラはシオンの挑発にキレた。
魔力で巨大な戦斧を召喚させてシオンに斬り掛かった。
(刃が両方についているやつね)
ドカンッッと強力なパワーで地面ごと切り裂いたが、シオンはマジック・ボートに乗り回避した。
そして、そのまま外に飛び出た。
「遅いわよ!」
「おのれぇ!!!!!!」
身体の全てが召喚されたヴァプラの下半身はケンタウロスのようなライオンの獣の身体であった。自慢の脚力で建物を破壊しながらシオンを追って飛び出した。
激しい破壊音と共に外に飛び出たヴァプラの目にはシオンしか映っていない。
「貴様の身体を細切れにして殺してやるわ!」
怒りに任せて戦斧を振り上げた。
ドッカーーーーーン!!!!!!!
大きな音が響いた。
それはヴァプラの戦斧が地面に叩きつけられた音ではなかった。
単純な落とし穴に落ちたのだ。
「ぐぉっ、何が起きた?」
完全に視界の外からの予想外な出来事に、何が起きたのか脳がすぐに理解することができなかったのである。
「ルゥ、お願いね」
「任せて!」
妖精は普通の人間には聞き取れない古代呪文を唱え始めた。
時間にして5分ほどだろうか、手を前にかざした妖精は全身で汗をかきながら呪文を唱え続けた。
そして───
パリンッとガラスが割れるような音と共に、時を止める秘術が解除された。
「みんな!行動開始だよ!」
「「了解!!!!!」」
周囲のエルフ達はシオン達を見て驚いた顔をした。
第一段階としてエルフの説得はレオナが担当することになっていた。
「れ、レオナ?お主どうして、いつ戻ったのだ・・・?」
「族長!話は後です!風の精霊よ!私の声を届けたまえ!!!!!」
レオナの声はエルフの里全体に響いた。
『事情は妖精のルゥから聞きました。私はレオナ。すでに時を止める秘術で10年の歳月が経っています。私は仲間と共に、この大悪魔を倒す準備をしてから時を止める秘術を解除しました。里のみんなはすぐに里の外に逃げて下さい』
時間停止が解けたエルフは混乱していた。本人達にしてみればたった今、悪魔を封印した感覚だからだ。
「10年も、世界の時は進んでいるのか?」
「話は後です!すぐに里を出て下さい!聖王国の教皇様が森の入口で保護してくれる手筈になっています。妖精のルゥ!みんなの避難誘導をお願い!」
「了解です!ささっ、こちらなのです!」
まだ混乱している族長を始めとしたエルフ達を強制的に移動させた。
「レオナ!死んでしまった仲間はいるの?」
「そういえば、多くは身体がだるそうにしているが、死んだエルフはいないようだ」
「それはよかった。後はこの悪魔を倒すだけだね」
時が動き始めてから魔法陣から少しづつ身体が出てきている大悪魔を睨みつけた。
「クククッ、今さら騒ごうがムダだ。絶望せよ!もうすぐだ」
ライオンの頭の悪魔は勝ち誇ったように言った。
「まだ動けない状態で何を勝ち誇っているのよ?バカなの?」
シオンは挑発するかの様に言った。
「………人間の小娘が。そんなに我に喰われたいか?」
「あいにくと、ライオンに食べられる予定は無いのよ。それに私は強いよ!みんな、作戦プランAを開始する!」
「「了解!!!」」
仲間達はエルフ達を誘導しながら、指定の位置に移動した。そして、魔法陣の部屋にはシオンと大悪魔ヴァプラだけが残った。
「まだ出られないの?ゆっくりなのね。その様子だと完全に出るには後5分ほどは掛かりそうかしら?」
「だからなんだ?貴様の命が残り5分と言う事だ。精々神にでも祈るんだなぁ~」
「そうね。なら動けない貴方を一方的にボコボコにしても良心が痛まないわね」
シオンはぁ~ナムナムと祈りながら悪魔の周りを正方形に簡易結界を張り、水魔法で悪魔を溺れさせた。
「ぐおっ!?ゴボゴボッッッ」
悪魔の全身が『聖水』で溺れさせられている状態が完成した。
全身から黒い煙が発生しており、全身を火傷しているようなダメージを受けていた。
『ボコッッ!?ま、まさか聖水を魔法で生み出すだとっ!?目の前の小娘は【聖女】とかいうヤツなのか!?』
大悪魔とはいえ、まともに聖水を浴びて、更には口から聖水を飲まされている為に、内部からもダメージを受けていた。
ヴァプラはすでに出てきている腕を使い暴れまくった。
長い4本の腕を無作為に振り回すが、結界には届かず、聖水の水の中をもがき続けるしか出来なかった。
さらに運はシオンに味方していた。
召喚が完全に終了するまでは、大悪魔といえども、魔力を行使する事が出来なかったのである。
こうして大悪魔ヴァプラは僅か約5分間でかなりのダメージを受けたのであった。
『流石にこれだけでは倒し切れないか………』
遂に全身の召喚が完了し、すぐにヴァプラは魔力を放出してシオンの結界を打ち破った。
結界が壊れた事で、水槽の水が周囲に流れ落ちるかのように流れていった。
「ハァハァ、貴様!許さんぞ!!!!」
全身の痛みに耐えながら怒りをシオンにぶつけた。
「あれ~?これからなのにもうお疲れ?」
ブチッとヴァプラはシオンの挑発にキレた。
魔力で巨大な戦斧を召喚させてシオンに斬り掛かった。
(刃が両方についているやつね)
ドカンッッと強力なパワーで地面ごと切り裂いたが、シオンはマジック・ボートに乗り回避した。
そして、そのまま外に飛び出た。
「遅いわよ!」
「おのれぇ!!!!!!」
身体の全てが召喚されたヴァプラの下半身はケンタウロスのようなライオンの獣の身体であった。自慢の脚力で建物を破壊しながらシオンを追って飛び出した。
激しい破壊音と共に外に飛び出たヴァプラの目にはシオンしか映っていない。
「貴様の身体を細切れにして殺してやるわ!」
怒りに任せて戦斧を振り上げた。
ドッカーーーーーン!!!!!!!
大きな音が響いた。
それはヴァプラの戦斧が地面に叩きつけられた音ではなかった。
単純な落とし穴に落ちたのだ。
「ぐぉっ、何が起きた?」
完全に視界の外からの予想外な出来事に、何が起きたのか脳がすぐに理解することができなかったのである。
66
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】出来の悪い王太子殿下の婚約者ですって? 私達は承諾しておりません!
綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
恋愛
真実の愛は策略で生まれる ~王太子殿下の婚約者なんて絶対に嫌ですわ~
勉強は出来ず、実技も酷い。顔だけしか取り柄のない一番最初に生まれた王子というだけで、王太子の地位に就いた方。王国を支える3つの公爵家の令嬢達は、他国にも名の知れた淑女であり、王太子レオポルドの婚約者候補に名を連ねた。
「絶対にお断りだわ」
「全員一緒に断りましょうよ」
ちょうど流行している物語の主人公のように演出し、道化を演じて退場していただきましょう。王家も貴族のひとつ、慣習や礼儀作法は守っていただかないと困ります。公爵令嬢3人の策略が花開く!
ハッピーエンド確定、6話完結
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、ノベルアップ+
※2022/05/25、小説家になろう 恋愛日間20位
※2022/05/25、カクヨム 恋愛週間27位
※2022/05/24、小説家になろう 恋愛日間19位
※2022/05/24、カクヨム 恋愛週間29位
※2022/05/23、小説家になろう 恋愛日間27位
※2022/05/21、完結(全6話)
※2022/05/21、カクヨム 恋愛週間41位
※2022/05/20、アルファポリス HOT21位
※2022/05/19、エブリスタ 恋愛トレンド28位
婚約破棄された令嬢、気づけば王族総出で奪い合われています
ゆっこ
恋愛
「――よって、リリアーナ・セレスト嬢との婚約は破棄する!」
王城の大広間に王太子アレクシスの声が響いた瞬間、私は静かにスカートをつまみ上げて一礼した。
「かしこまりました、殿下。どうか末永くお幸せに」
本心ではない。けれど、こう言うしかなかった。
王太子は私を見下ろし、勝ち誇ったように笑った。
「お前のような地味で役に立たない女より、フローラの方が相応しい。彼女は聖女として覚醒したのだ!」
今、目の前で娘が婚約破棄されていますが、夫が盛大にブチ切れているようです
シアノ
恋愛
「アンナレーナ・エリアルト公爵令嬢、僕は君との婚約を破棄する!」
卒業パーティーで王太子ソルタンからそう告げられたのは──わたくしの娘!?
娘のアンナレーナはとてもいい子で、婚約破棄されるような非などないはずだ。
しかし、ソルタンの意味ありげな視線が、何故かわたくしに向けられていて……。
婚約破棄されている令嬢のお母様視点。
サクッと読める短編です。細かいことは気にしない人向け。
過激なざまぁ描写はありません。因果応報レベルです。
悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません
れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。
「…私、間違ってませんわね」
曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話
…だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている…
5/13
ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます
5/22
修正完了しました。明日から通常更新に戻ります
9/21
完結しました
また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います
追放された悪役令嬢、規格外魔力でもふもふ聖獣を手懐け隣国の王子に溺愛される
黒崎隼人
ファンタジー
「ようやく、この息苦しい生活から解放される!」
無実の罪で婚約破棄され、国外追放を言い渡された公爵令嬢エレオノーラ。しかし彼女は、悲しむどころか心の中で歓喜の声をあげていた。完璧な淑女の仮面の下に隠していたのは、国一番と謳われた祖母譲りの規格外な魔力。追放先の「魔の森」で力を解放した彼女の周りには、伝説の聖獣グリフォンをはじめ、可愛いもふもふ達が次々と集まってきて……!?
自由気ままなスローライフを満喫する元悪役令嬢と、彼女のありのままの姿に惹かれた「氷の王子」。二人の出会いが、やがて二つの国の運命を大きく動かすことになる。
窮屈な世界から解き放たれた少女が、本当の自分と最高の幸せを見つける、溺愛と逆転の異世界ファンタジー、ここに開幕!
側妃に追放された王太子
基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」
正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。
そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。
王の代理が側妃など異例の出来事だ。
「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」
王太子は息を吐いた。
「それが国のためなら」
貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。
無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。
偽りの断罪で追放された悪役令嬢ですが、実は「豊穣の聖女」でした。辺境を開拓していたら、氷の辺境伯様からの溺愛が止まりません!
黒崎隼人
ファンタジー
「お前のような女が聖女であるはずがない!」
婚約者の王子に、身に覚えのない罪で断罪され、婚約破棄を言い渡された公爵令嬢セレスティナ。
罰として与えられたのは、冷酷非情と噂される「氷の辺境伯」への降嫁だった。
それは事実上の追放。実家にも見放され、全てを失った――はずだった。
しかし、窮屈な王宮から解放された彼女は、前世で培った知識を武器に、雪と氷に閉ざされた大地で新たな一歩を踏み出す。
「どんな場所でも、私は生きていける」
打ち捨てられた温室で土に触れた時、彼女の中に眠る「豊穣の聖女」の力が目覚め始める。
これは、不遇の令嬢が自らの力で運命を切り開き、不器用な辺境伯の凍てついた心を溶かし、やがて世界一の愛を手に入れるまでの、奇跡と感動の逆転ラブストーリー。
国を捨てた王子と偽りの聖女への、最高のざまぁをあなたに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる