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学園編
作戦会議
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大変お待たせ致しました。
3話連続投稿します。
完結近くまで書き上がりましたので、また毎日更新していきます!
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
シオンは泣いた事が恥ずかしくて、顔を真っ赤にしながら俯いていた。
「少しは落ち着いたか?」
シオンは無言で頷いた。
「今日は長旅で疲れただろう。屋敷でゆっくりして、明日からイージス領内を見て周ればいい。積もる話もあるだろうしな」
「ありがとう…………」
空気を替えようとペルセウスも言った。
「自分も師匠や先生達に会いたいですね。新しい栽培方法も考えたので試してみたいし!」
有名な高ランク冒険者であるゼファーとその仲間の植物学者達である。
「ペルセウスには、薬草の栽培もだが領主の仕事も覚えて貰わないとな」
「はい!両方とも頑張ります!でも今は────」
皆が頷いた。
「古龍種・火炎龍王フレイム。その封印された場所が問題だ」
「見つかったのですか!?」
お父様は頷いた。
「まだ発表はしていないがね。北にある活火山の中央で眠っているそうだ。ここからなら登山も含めて3日ほどの距離だが………」
お父様の歯切りが悪かった。
「寝込みを襲うのは無理そうだ。少数ならともかく、険しい山を重たい鎧を着て登るのは不可能だ。しかもフレイムが復活して火山が噴火したら全滅だしな。故に、フレイムを平地で迎え討つ事にした」
シオンの父親であるジークはテーブルに地図を広げた。
「このイージス領から北の火山に行く手前に森が広がっているだろう。魔物もいるが、この森に兵を隠して待機させる。そして森の前に広がる平原に兵の主力を待機させる。フレイムは翼で空を飛ぶ!目覚めたフレイムは空腹の為に近くの村や街を襲うと予想される為に、目立つ所に大量の兵(人)が居れば、そこに向かっていくはずだ」
ジークは1度説明を止めると、指で進路を指した。
「主力の兵は千人単位で分けて配置する。フレイムのブレスで全滅するのを防ぐ為だ。もしブレスを放った時は、全兵力で防御結界を張り防ぐ予定だ。そして、フレイムが降りてきた所を集中攻撃で『翼』を狙う!」
「翼…………ですか?」
シオンは聞き返した。
「ああ、どんな龍でも皮膚は硬い鱗で覆われている。翼は空を飛ぶために柔軟で柔らかい。弓や魔法、攻城兵器の岩などでダメージを与えれると思う。さらに言えば、機動力を奪うのが1番の理由だな。飛んで逃げられては、我々には追う手がないからね」
なるほど。
そこでシオンが補足した。
「翼を傷付けて飛べなくなった所で森に隠した兵で一気に総攻撃するのですね!」
「そうだ。平原の主力兵士は魔術師と弓隊がメインだ。森の兵には抜刀部隊を配置し、地面に墜ちた所を斬り込む!」
ふむふむ…………
話を聞く限りでは不可能ではないようだが…………
ここまで無言で聞いていたカイルが口を開いた。
「少し兵力が足りんかも知れぬ。ジーク殿、王宮からフレイム討伐の兵力はどれくらいと聞いておる?」
「はい、国中の戦える者を集めて約5万と聞いています」
「ならば兵士を千人単位ではなく、3千人単位にするべきじゃな。フレイムのブレスの威力を甘く見てはいかん。過剰なほどでやっとじゃと思うのじゃ」
長年のカンと言うのはバカにできない。ジークは急いで編成の修正を行うのだった。
『さて、アリエル様ですら封印がやっとの古代種…………念には念を入れとかねばならぬな』
体調の悪いカイルは、昔からのコネを使い独自に動いていた。
3話連続投稿します。
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シオンは泣いた事が恥ずかしくて、顔を真っ赤にしながら俯いていた。
「少しは落ち着いたか?」
シオンは無言で頷いた。
「今日は長旅で疲れただろう。屋敷でゆっくりして、明日からイージス領内を見て周ればいい。積もる話もあるだろうしな」
「ありがとう…………」
空気を替えようとペルセウスも言った。
「自分も師匠や先生達に会いたいですね。新しい栽培方法も考えたので試してみたいし!」
有名な高ランク冒険者であるゼファーとその仲間の植物学者達である。
「ペルセウスには、薬草の栽培もだが領主の仕事も覚えて貰わないとな」
「はい!両方とも頑張ります!でも今は────」
皆が頷いた。
「古龍種・火炎龍王フレイム。その封印された場所が問題だ」
「見つかったのですか!?」
お父様は頷いた。
「まだ発表はしていないがね。北にある活火山の中央で眠っているそうだ。ここからなら登山も含めて3日ほどの距離だが………」
お父様の歯切りが悪かった。
「寝込みを襲うのは無理そうだ。少数ならともかく、険しい山を重たい鎧を着て登るのは不可能だ。しかもフレイムが復活して火山が噴火したら全滅だしな。故に、フレイムを平地で迎え討つ事にした」
シオンの父親であるジークはテーブルに地図を広げた。
「このイージス領から北の火山に行く手前に森が広がっているだろう。魔物もいるが、この森に兵を隠して待機させる。そして森の前に広がる平原に兵の主力を待機させる。フレイムは翼で空を飛ぶ!目覚めたフレイムは空腹の為に近くの村や街を襲うと予想される為に、目立つ所に大量の兵(人)が居れば、そこに向かっていくはずだ」
ジークは1度説明を止めると、指で進路を指した。
「主力の兵は千人単位で分けて配置する。フレイムのブレスで全滅するのを防ぐ為だ。もしブレスを放った時は、全兵力で防御結界を張り防ぐ予定だ。そして、フレイムが降りてきた所を集中攻撃で『翼』を狙う!」
「翼…………ですか?」
シオンは聞き返した。
「ああ、どんな龍でも皮膚は硬い鱗で覆われている。翼は空を飛ぶために柔軟で柔らかい。弓や魔法、攻城兵器の岩などでダメージを与えれると思う。さらに言えば、機動力を奪うのが1番の理由だな。飛んで逃げられては、我々には追う手がないからね」
なるほど。
そこでシオンが補足した。
「翼を傷付けて飛べなくなった所で森に隠した兵で一気に総攻撃するのですね!」
「そうだ。平原の主力兵士は魔術師と弓隊がメインだ。森の兵には抜刀部隊を配置し、地面に墜ちた所を斬り込む!」
ふむふむ…………
話を聞く限りでは不可能ではないようだが…………
ここまで無言で聞いていたカイルが口を開いた。
「少し兵力が足りんかも知れぬ。ジーク殿、王宮からフレイム討伐の兵力はどれくらいと聞いておる?」
「はい、国中の戦える者を集めて約5万と聞いています」
「ならば兵士を千人単位ではなく、3千人単位にするべきじゃな。フレイムのブレスの威力を甘く見てはいかん。過剰なほどでやっとじゃと思うのじゃ」
長年のカンと言うのはバカにできない。ジークは急いで編成の修正を行うのだった。
『さて、アリエル様ですら封印がやっとの古代種…………念には念を入れとかねばならぬな』
体調の悪いカイルは、昔からのコネを使い独自に動いていた。
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