悪役令嬢の追放エンド………修道院が無いじゃない!(はっ!?ここを楽園にしましょう♪

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②ヒロイン&王子side

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国王は頭を抱えていた。

「まさか、我が息子がこれほどの過ちを犯すとは!」

側にいた王妃も国王を慰める。

「前々から、シオンさんに相談を受けてはいましたが、本当に心変わりしていたのですね………」

「確かにエリックが夢中の令嬢は、聖属性の使い手であり、民に癒しを施している聖女と言う話しだが………ありえんだろう!?」

「ええ、内密に婚約破棄の打診をして然るべき手順を踏んだのならまだ救いはあったのですが………」

高位の貴族令嬢を王族主催のパーティーで、王族自らが陥れるなど前代未聞であり、今後、貴族達の信頼が損なわれるのは目に見えていた。

「しかし、起こった事を嘆くより今後の対策が必要ですぞ?」

宰相が口を挟んだ。

「分かっておるわ!これで下手をすればアクエリアス公爵家と全面戦争だぞ!」

アクエリアス公爵家の当主が娘を溺愛していることは有名な話である。娘が【冤罪】であることはすでに調べが付いていた。身の危険を感じたシオン令嬢が、前もって国王夫妻に監視の密偵を付けて貰うよう申請していたため、王族小飼の密偵がシオンを見張っていたのだ。

婚約破棄の時に言われたアリア男爵令嬢に行った嫌がらせなどシオンは何もしていない事は明白であった。

「しかし…………」

アクエリアス公爵に頭を下げようにも、婚約破棄の後が不味かった。
ただでさえ名誉を傷付けたにも関わらず、罪人として実家に帰らせず、修道院へ連れていってしまった。王子に付けていた私兵を使って。

これではもう、どんな謝罪をしてもアクエリアス公爵でなくても許さないだろう。

国王は何度目かのため息を付いた。

「それにしても、我々の愚息が揃って骨抜きにされるとは思ってもみませんでした。まったく面目次第もありません!」

王族を護る最高峰の騎士である王国騎士団長は頭を下げた。

「よい!もう済んでしまった事だ。宰相の言う通り、これからの事を考えなければならない!」

とはいえ、現状はアクエリアス公爵に頭を下げて、どこまで妥協点を探れるのかが問題である。

そこへ、話題に上がっていた人物が到着した。

「失礼致します!アクエリアス公爵様が御到着致しました!」

伝令の騎士を下がらせると、アクエリアス公爵が優雅にやって来た。

「アクエリアス公爵、国王のお呼びに参上致しました」

家来の敬礼をとる公爵に、国王はすぐに頭を下げた!

「デルタ・アクエリアス公爵よ!この度は大変申し訳な─」

「おや?私は来るところを間違えましたか?」

シオンの父、デルタ公爵は国王の言葉を遮っていった。

「え、いや?ここであって─」

「私は我が天使、シオンの謝罪の為に呼ばれたと思ったのだが…………【首】が足りないではありませんか?」

はて?

責任者である愚息達の親は揃っているのだが…………

「デルタ公爵よ?何を言っている?全員揃っておるぞ?」

宰相も追及するがデルタ公爵は言った。

「いや、足りないでしょう?私に謝罪するのなら、我が天使を傷付けた【者達】の【首】を持って(用意して)来るのが筋でしょう!」

!?

「なっ!?」

デルタ公爵の言葉に一同は絶句した!?

「さて、罪人共の首が無いのであれば時間の無駄ですな。次に呼び出す時はしっかり【用意】してから呼んで頂きたい!私も忙しい身なのですからな!」

デルタ公爵は一切の謝罪聞かずに出ていってしまった。

「…………ここまでとはな」

デルタ公爵が居なくなった後、騎士団長が口を開いた。

「せめて我が愚息の首だけでも用意するべきでした。将来、御護りする未来の王妃様を、無実の罪なのに断罪に加担した者を、我が家に置いて置くわけにはいけないので」

騎士団長は拳を強く握りながら吐き出した。

「人の親と言う者は、どうしても子供が可愛いものです。最後まで諦めずに説得しましょう。…………ただ上に立つ者として、いよいよと言う時は決断しなければなりませんが」

王妃様の言葉に頷く国王達であった。

「エリック達はあれからどうしておる?」

王族主催のパーティーから勝手をやらかした者達は、各家にて謹慎を言い渡されていた。

「エリック王子は国王陛下に面会を求めています。…………シオン令嬢が無実だと証拠を見せても信じていませんが………」

「息子達を誑かした男爵令嬢は、騎士団から何名か護衛の名目で男爵家へ派遣して見張っている。男爵令嬢の周囲の評価は意外と高く、男を誑かせるような者ではないと報告がきています」

今まではそうでも、学園という檻の中で高位の貴族男子を狙ったのは明白だ。事実、下級貴族は学園で良い物件の男を探すのが普通だからだ。今回問題になったのは、婚約者を無実の罪で排除して、大貴族であるアクエリアス公爵家を敵に廻した事にある。

「若い者の過ちでは済まされん!すでに帝国からも事実確認の連絡が来ている!」

「帝国からですか?」

宰相が頷き、報告した。

「アクエリアス公爵婦人は、帝国の姫君である事は知っているだろう?帝国の皇太子は、シオン令嬢を妃にしたいと言ってきたのだ!」

!?

「それは!?」

騎士団長も事の重大差に気付いた。

本来であれば、隣国との友好関係の為に喜ばしい事であるが、問題を起こして怒り浸透なアクエリアス公爵家がシオン令嬢を帝国に嫁にやれば、有事の際に帝国側へ付く事が容易に予想されるのだ。

「シオン令嬢を帝国へやる訳にはいかん!何とかしてアクエリアス公爵の怒りを鎮めて、妥協案を探らなければ!」

こうして、王国最大の危機に頭を悩ませる首脳陣であった。

しかし、気付いていなかった。北方修道院へ送られたシオンが、すでにやらかしていることに。

森の入口で情報の規制を行っている事もあったが、シオンの行動が知られるのは、もっと後になってからである。



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