悪役令嬢の追放エンド………修道院が無いじゃない!(はっ!?ここを楽園にしましょう♪

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帝国の策略!

シオン達が頑張ってトンカン!トンカン!と、建築をして数日経ったある日、カイルの指示により南の方で動きがあった。

「ヒューズ将軍!兵の移動が完了しました!」

「うむ!わかった!」

グランロード帝国の将軍であるヒューズ将軍は齢50歳になるが、鍛え抜かれた肉体は並みの兵の比ではなかった。

「これより!威力軍事演習を始める!皆の者!王国の兵がやってくる可能性がある!演習と思わず、本当の戦だと思い気合いを入れろ!」

「「「オオオオオオオォォォォォォ!!!!!」」」

集まった5千の兵士を前にヒューズ将軍は少し前の事を思い出していた。








「王国の南の方で軍事演習ですか?」

カイルの父である皇帝を前に、将軍は聞き返した。

「そうだ。王国の意識を南に釘付けにして、アクエリアス公爵領から目を反らせるのが目的だ。無論、王国が討って出てきた場合は迎撃せよ!援軍を送る!」

少し前に、カイル皇太子と側近が王国を滅ぼすぞ!と息巻いて軍を招集しようとしたが、今回は皇帝直々の命令であった。

「質問を失礼します。この時期に王国に圧力を掛けるのは理解しました。しかし、それほどアクエリアス公爵家が大事なのでしょうか?」

ヒューズ将軍の質問は当然だった。もし、戦争に発展しても帝国に利益がないのである。まぁ、勝ち取った領地は増えるかも知れないが、そこまでの価値があるのだろうか?
今回の軍事演習は全てアクエリアス家の為に起こそうとしているのだ。

「お忍びでアクエリアス領へ向かったカイルから手紙が届けられた。…………龍族が空を飛んでやって来たのだ」

!?

「龍族ですか?」

龍族とは遥か昔に人間と戦い、他の大陸へ移住したというのがこの国の常識であった。そして滅多に出会う事のない種族である。

「そうだ。そして、我が親類であるレイラから魔道具が届けられた。この魔道具は内密に頼む」

皇帝は通信球を将軍に見せた。

「これは………?」

通信球が光だして、向こうの景色が映し出された。

!?

「失礼します!父上!ちゃんとこちらの映像は見えていますか?」

「ああ見えている。お前も見えているな?」
「はい、ヒューズ将軍が見えますね。将軍だけに教えたのですね?」

流石のヒューズ将軍も驚き狼狽えた。

「これはまさか、遠くの者と会話が出来る魔道具なのか!?」

察しの良い将軍に皇帝は頷いた。

「この魔道具を使い、カイルのいるアクエリアス領の映像を見せてもらったのだ。そして驚くべき状況に、私はアクエリアス領と同盟を締結させたいと思ったのだ」

「いち、公爵家と同盟ですか?王国とではなく?」

普通ならあり得ないことである。

「そうだ。アクエリアス家はすでに龍族と手を結んでいる。…………もしアクエリアス家が本気を出せば帝国は負けるだろう」

!?

「皇帝陛下!それは!?」

軍事大国として名を轟かせている大国が、一貴族と戦い負けるという。どういうことなんだ!?

「同じ戦場を数多く共にした、信用あるヒューズ将軍だからこそ言っているんだ。こんな事は他の奴には言えん!」

「それほどまでなのですか?アクエリアス家とは?」

ヒューズ将軍の言葉に通信球を通じてカイルが代弁した。

「ヒューズ将軍、私は今アクエリアス領の首都に来ています。これを見てください」

テレビのリポーターみたいにカイルは高層ビルを映した。

「なんだ!その建物は!?」

見たこともない異形の建物に驚きの声を上げた。

「神の搭とも見える世界樹で出来た建物です。そして私が妻に欲している、アクエリアス公爵家令嬢シオンが魔法で建てたものです」

「なんと!これを魔法で!?」

ヒューズ将軍も薄々わかってきた。負けるとは思っていないが、油断出来ない相手だということがわかったのだ。もし戦争になった場合は帝国は多大な被害を受けるだろう。なら、カイル皇太子を婿養子にでもやり、抱き抱えた方が得策である。

「これで理解できただろう?今はアクエリアス家に少しでも恩を売る事が大事だ」

皇帝はアクエリアス家が行おうとしていた行動を説明した。

「なんと!領民全ての移動とは!?そんな事が可能なのですか!」
「可能なのだ。我が息子が惚れているシオン令嬢は、緑聖魔術という植物の魔法の使い手らしい。先ほどのように建物を短時間で作る事ができ、何もない草原を麦畑に変える事も出来るのだ」

そこで初めてヒューズ将軍が事の重大性に気付いた。

「で、では飢饉が起こっても?」
「現に数年前にアクエリアス領で起こった飢饉をシオン令嬢が静めている。領民の絶大な支持を得ているのだ。王国のバカな王子が婚約破棄をしてくれたお陰で、カイルにもチャンスがやってきたという訳だ」

ヒューズ将軍も納得した感じで、命令の意味を理解した。

「それほどの人物なのですか、シオン令嬢というのは…………」
「我が皇族の血も引き、王妃教育まで受けている人物などそうはいないからな。恐らく、アクエリアス家は【独立】する。その時までに同盟の打診をしておきたい」

「そしてカイル皇太子が婿になればアクエリアス領も帝国の物となり、王国の領地を削り弱体化させる事が出来るのですな?」

ヒューズ将軍の言葉に皇帝はニヤリッと笑うのだった。












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