悪徳領主の娘に転生しました。『魔法学園恋愛編!』たぶん!

naturalsoft

文字の大きさ
4 / 94

入学前の準備です。

しおりを挟む
シオンは若手の領主となって敏腕に働いていた。しかし、シオンも学業や貴族のマナーレッスンなど多忙であるため、腕の良い執政官を王国は派遣してシオンの側で働かせていた。

「う~む………流石は領主様だ。税収も右肩上がりだし、民からも取れる所から取って、一般市民には負担の少ないやり方で税収を行っている。領主様にしか出来ない植物の魔法で、飢饉も起こらないし、まだまだ発展していくぞ」

何人かいる実務の執政官は、シオンの政策を見ながら、忙しくもやりがいのある仕事に満足していた。

ドーーーーーン!!!!!

大きな爆発音と共に、執務室が揺れた。

「またか………これさえ無ければ………」

なまじ実力のある者が集まっているので、ケンカなど始まると、こうして魔法合戦が始まってしまうのだ。無論、被害が出ないように『遊んで』いるのだが、一般的な人種には恐怖でしか無かった。

「こら~!逃げちゃダメでしょう!」

四大精霊のシルフィードが魔法を投げながら追っていた。

「ば、バカ!逃げるに決まっているでしょう!死んじゃうわよ!?」

いつものように、イタズラをして怒ったシルフィードに追い掛けられるシオンであった。

「まったく、いつまで経っても成長せんのぅ………」

追われるシオンを見ながら軽くため息を付くウンディーネがいた。

「はははっ!元気があっていいじゃねえか!」

男勝りな口調のイフリートが楽しそうに見ていた。

「ちょっと!こっちに来ないでよ!?私は関係ないからねっ!」

シオンと一緒に逃げるノームがいた。

これが、ここ最近のシルクード領の日常であった。

「もうすぐ入学式だと言うのに。落ち着きのない奴じゃ!」
「まぁ、ここ最近は平和だから良いじゃないか?」

イフリートは屋敷の庭でウンディーネとお茶を飲んでいた。

「まだ魔王軍の動きが確認できていない。いつでも対応できるように身構えておらねば、いざというとき動けぬぞ?」
「まぁ、あたい達はそれで痛い目に合ったからな。気を付けるさ!それより─」

イフリートは魔術を使い、周囲に声が聞こえないようにした。

「それより、シオンが入学するに当たって、魔王の配下、もしくは魔王崇拝者が隠れて入学してくるって話はマジなのか?」

先ほどとは違い、真剣な顔でウンディーネに問いただす。

「まだわからん。しかし何人もの魔王軍幹部を倒しているのじゃ。敵も危険視しているじゃろう。そして合法的に近付ける場所と言えば、シオンが入学する学園しかないじゃろう?」

「確かに、魔王軍も情報収集をしているのならこの場所の事もわかっているだろうな」

ズズッと、紅茶を飲むイフリート。

「うむ、このシルクード領はすでに水脈を使って、魔物など何処にいるのか妾なら把握できる。しかし、姿を偽って人間として過ごしている者は流石にわからぬ」

腕を組んで、考えるウンディーネだった。
そして、シオンが入学する学園に危険な場所がないか、安全対策に力を入れていたのだ。

「あのシオンが易々と殺られる訳はないが、危険は排除しておいた方が良いしな」
「そうじゃな。特に交流関係にも眷属を派遣して見守るようにしておるのじゃ」

少し過保護かも知れないが、1番怖いのはシオンの親しい人物が人質になることだろう。

「あたいもできる限り、周囲に気を付けておくから、定期的に報告を頼むぜ。探索系は苦手なんでな」

ウンディーネは頷くとシオンの居ないところで、入念な準備をしていくのだった。









「ふふふっ…………ねぇ?シオン。もう一度言ってくれないかしら?」

現在進行形で、シオンの命が危なかった!?

「え、えーと?なんか言ったっけ?」

目を反らしながら言った。

「出会った時は同じくらいだったのに、シルフィーってロリ枠で定着したわよね?だったかしら?」

ゾック!?

覚えているじゃん!
なんて、ツッコミする余力など無かった。

「シオン!あんた、シルフィードが気にしている事をいったの!?」

「だって!気にしているなんて知らなかったのよ!いつも白いワンピースを着て、空を飛んでいるから、気にしてないと思ったのよ!」
「バカッ!シルフィードは大人の体型な時からあの服装でいることが多かったわよ!」

「えっ?マジで?」

田舎のお姉さんが夏に着ている姿を想像した。

「でもシルフィーって胸が………」

ペッタン……こ…………!?

「あら?今、何を言い掛けたのかしら♪」

ゴゴゴゴッ!!!!

「ひぃっ!?どうしてバカシオンは思った事をすぐ口に出すのよ!!!」

ノームの罵倒を気にする余裕もなく、シルフィードにお仕置きされるシオンだった。

「うぎゃーーーーー!!!!!!」


口は災いの元である。








しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

「ご褒美ください」とわんこ系義弟が離れない

橋本彩里(Ayari)
恋愛
六歳の時に伯爵家の養子として引き取られたイーサンは、年頃になっても一つ上の義理の姉のミラが大好きだとじゃれてくる。 そんななか、投資に失敗した父の借金の代わりにとミラに見合いの話が浮上し、義姉が大好きなわんこ系義弟が「ご褒美ください」と迫ってきて……。 1~2万文字の短編予定→中編に変更します。 いつもながらの溺愛執着ものです。

英雄魔術師様とのシークレットベビーが天才で隠し通すのが大変です

氷雨そら
恋愛
――この魔石の意味がわからないほど子どもじゃない。 英雄魔術師カナンが遠征する直前、フィアーナと交わした一夜で授かった愛娘シェリア。フィアーナは、シェリアがカナンの娘であることを隠し、守るために王都を離れ遠い北の地で魔石を鑑定しながら暮らしていた。けれど、シェリアが三歳を迎えた日、彼女を取り囲む全ての属性の魔石が光る。彼女は父と同じ、全属性の魔力持ちだったのだ。これは、シークレットベビーを育てながら、健気に逞しく生きてきたヒロインが、天才魔術師様と天才愛娘に翻弄されながらも溺愛される幸せいっぱいハートフルストーリー。小説家になろうにも投稿しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。

たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。 しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。 そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。 ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。 というか、甘やかされてません? これって、どういうことでしょう? ※後日談は激甘です。  激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。 ※小説家になろう様にも公開させて頂いております。  ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。  タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~

「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」

透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。 そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。 最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。 仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕! ---

処理中です...