悪役令嬢戦記！～大切な人のために戦います～

6章:スタンピード！

フィリアス騎士団長、本領発揮！

城門を破壊しようと、ハンマーを持っていたオーク達は突如出てきた黒い影に一瞬で真っ二つにされ、周囲にいた下級の魔物達もあっと言う間に殲滅された。そして飛び出した黒い影達は、城門前に開けた場所にいる魔物達に襲い掛かった！

「おりゃーーー！！！」
「ふっ・・・はぁーーー！！！」

ザシュッ！！！

「へぇ～ヤるじゃないか？」
「そちらこそ！流石は現役の騎士だな！」

リーゼンとアルフさんは背中合わせに語り掛ける。そして反対側に飛び出し、目の前の魔物を屠っていく。

「・・・酒場で見た時から、ただ者ではないと思っていたがどうして。俺達、騎士団長クラスじゃないか！」

リーゼンがボソッと呟く。そしてアルフも─

「これが最近噂になっているフィリアス騎士団か・・・俺と同格が何人も居やがる。自信無くすぜ！・・・こりゃぁ、王国と戦争になったら負けるな」

お互いに、相手の実力を認め合うのだった。

「はぁーーーー！！！」
「やぁーー！！！」

少し離れた場所で、女性陣二人も魔物を倒していた。そう、エミリアとサクラだった。

「まったく男って奴は、いつまで経っても子供ね！」
「仕方なかろう？我々と同レベルの強者つわものなど、そうそう居ないぞ？」

ギンッ！ガギィン！

「はっ！・・・ふぅ、確かにそうなんだけどね。こんな時まで張り合わなくてもよくない？」

バッバッバ！ザシュー！！！

「うむ！それは同意するが・・・のう！」

ガッギッーーーン！

サクラがミノタウロスの武器を弾き、袈裟懸け切る！悲鳴を上げる暇もなく絶命するミノタウロス。

「まったく次から次へとうっと惜しいな！」

近くの魔物を次々と屠っていく。しかも一撃で！

「ふぉふぉふぉ！日常会話をしながら魔物と戦っておるお主らも大概じゃぞ？」

年長者のシールが、4人の戦闘に気を配りながらフォローしている。

「シール殿！リーゼンのような猪突猛進と一緒にしてもらっては困ります！」

サクラはリーゼンと同じ扱いが嫌なようだ。

ズシャーー！！！ザシュッ！

「あらあら？サクラもリーゼンと同じ扱いじゃ嫌よね～」

そこにエミリアが茶化して言う。

「エミリアだって、そうであろうが！っていうか、ひかりさんのマネ・・似てないぞ？」

がーーーーん！？

「エミリアよ・・・シオンお嬢に好かれたいからと、ひかりさんのマネはないのぉ～」

バシューー！キンッ！

「こらっ！いつもちょっとした事で落ち込まない！」

「むっ！？ちょっと不味いのう！お前達！ワシの後ろへ移動しろ！」

ぬうおぉぉぉぉぉおおおおお！！！！！

【土槍烈破どそうれっぱ！！！！！】

シールの必殺技である広範囲殲滅スキルが炸裂した。地面から尖った針のような岩が放射状に発生して、串刺しにするえげつない技である。

これにより、近くいた魔物達が一気に全滅したのだった。

城塞都市では─


「すげぇー！！！」
「あれだけ城門前にいた魔物がほとんど居なくなったぞ！」
「ミノタウロスやオーガーなどの上位魔物もいたのにあっという間だった・・・」

本来なら、各騎士団長達が城門前の魔物を減らした所で、冒険者や帝国軍を外に討って出るはずだったが余りにも騎士団長達が強すぎて、出撃する機会を逃したのだった。

「はっ！？お前達！ぼーとするな！出撃するぞ！先ずは丘に向かい、帝国軍本隊と挟撃する形にするぞ！」

「冒険者達は、フィリアス騎士団長達の邪魔をしないように、魔の森の方へ攻撃を仕掛けて退路を確保してくれ！下手をしたら私達が魔物に囲まれてしまうからな！」

「「了解しました！！！！」」

行くぞ！！！！

「「「うおぉぉぉぉおおお！！！！！」」」

城塞都市のほぼ全兵士が突撃を開始した。
城門前には魔物が居なくなっていたので、帝国軍は丘の方へ向かい、丘の麓付近で魔物と戦闘になった。

「おりゃーーーー！！！！」
「街は俺達が護る！！！！」
「許さんぞーー！！！」
「やってやる！」

城塞都市の兵士達は強力な支援魔法を受けていたので果敢に攻撃をしていた。

それを見ていた丘の上の帝国軍本隊は─

「シャーマン大将！城塞都市から帝国軍が討って出て、丘の下で戦っています！しかも信じられないくらい強いです！」

大将シャーマンも、ついさっき伝書鳩の手紙を読んだばかりで、信じられない事実を突き付けられていた。

「まさか光の精霊王様がお救いに顕現されたとは・・・この戦勝てる！」

名将シャーマンもこの期を逃すはずも無く・・

「今が好機である！全軍に告ぐ！総攻撃だ！丘の麓で戦っている友軍と挟撃するぞ！」

「「おおっ！！！」」

丘の上に布陣する帝国軍もまた、一時は混乱したが、立直り的確な指示の下に魔物と戦っていく。城塞都市を取り囲んだ総勢の2/3近くが丘に向かったので、魔物の数は多い。帝国軍本隊は2500人ほど、城塞都市から討って出た帝国軍の兵士みなら200人ほど(後の100人は冒険者)、しかし最上位支援魔法を受けているので、互角に戦っている。

本当の戦いはこれからである！







◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
シオン
「クックック！今に見ているのよ！」

愚者の声
「・・・怖いなー！」

シオン
「これからわたくしの華麗なる活躍があるのですわ！」

愚者の声
あったかなー？

シオン
「あ・る・の・よ・ね！？」

愚者の声
コクコクコク！

(サプライズの準備に小説の方が遅れております)

シオン
「ふざけんなーーーーー！！！！」

ぎゃーーーー！！！！