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ポンコツ主人公
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皆様こんにちは。
私はミーア・ドレイク子爵令嬢です。
現在14歳の私はすでにこの国では有名人なのです!(ドヤァ顔
それはどうしてかと言いますと、私が転生者だからです。聡明な読者の皆様は察していると思いますが、子供の頃から知識チートを使い、このドレイク領地を発展させてきたからです♪
ちなみに前世の私はJKで卒業間近の18歳でした。ただ何故死んだのか覚えてないんだよねー?
でも、新しい人生!楽しまなきゃ損じゃない!
ポジティブに行こうぜ!が、私のモットーだ!
そして問題なのが、この世界が乙女ゲーの世界なのか、ただのファンタジー異世界なのかわかんないのよ。
って、ことでわからん事を考えてもわからんので、取り敢えず、今の生活をより良い物にしようと頑張った次第です。エッヘン!
では!私が生まれたドレイク子爵の領地から説明しよう!
国は海に面している国で、南は海に、北は深い森と山脈が続いている未開の地。
もうお気付きですね?
そう、この未開の地に面しているのがドレイクの領地なのです!酷くない!ありえなくない!?
でも、珍しい薬草や木材など売ってドレイク家は貧乏でもなければ金持ちでもない。全てが普通。
家族構成は父、母、兄、私の四人ね。
貴族の子爵家だから使用人(メイド、執事)がそれなりにいてね。私の家に使える執事さんの子供が私と同い年で、私の話し相手としてメイド見習いとして専属で付けられたのが、シオンなんだ。
昔は無表情で可愛げのないメイドだと思っていたけど、今になって考えを改めました。
子供の時は無表情でも、14歳のメイドとなればクールビューティーのメイドに変身したのです!
ねぇ、萌えない!?
私はニコニコドジっ子メイドより、クールなパーフェクトメイドさんの方が萌えるのよ!
(;´Д`)ハァハァ
いかん、自分の性癖を語ってしまったわ。
こほん、では回想どうぞ~~
・
・
・
・
・
・
・
あれは5歳の頃───
ようやく屋敷の中を歩き周り、この世界や領地の事を本で知った頃でした。
「ふむふむ、これは知識チートの出番ですな~」
よし!さっそく領地のリサーチです!
私は領地について調べまくった。
結果、よくわからん!!!!
これに尽きる。
たかだかJKが、にわか知識で改革なんかできるかっ!
しまったなぁ~
乙女ゲーとかはゲームやネット小説をよく読んだけど、異世界転生ものは知っている程度で、余り読んでなかったから詳しくないんだよね。
腕を組んでう~んと唸っているとメイドのシオンが声を掛けてきた。
「あら?お嬢様、何を悩んでいるんですか?」
「ちょっと改革のことでね~」
シオンは表情を変えずに言った。
「そういえば、お嬢様は歯も揃ってきたので、硬い物でも食べられるようになりましたよね?」
「うん、そうだけど?」
「そろそろ好物の食べ物でもできた頃ではないですか?」
好物な物か~
この世界の料理って味付けが塩とハーブぐらいで香辛料が少ないんだよね。だから味が大味っていうか似たり寄ったり・・・?
あっ!?
「そうだ!アレがあったわ!アレなら作り方がわかる!!!」
ミーアは急いで厨房へ向かった。
そして誰もいなくった部屋でシオンは呟くように言った。
「そうですお嬢様。この世界の味付けの種類が少ないので、まずは定番の『マヨネーズとケチャップ』を作って広めましょうか」
メイドのシオンは珍しく表情を出してニヤリッと不敵な笑みを浮かべるのでした。
それから、さりげなく助言を出してメイドのシオンはミーア令嬢を言葉巧みに誘導して言った。
『まったく。マヨネーズだけ考えて、ケチャップを忘れるなんてあり得ませんから。このポンコツ令嬢め』
まずは新しい調味料としてマヨネーズとケチャップを販売して爆売れしました。
「よし!これで軍資金ゲットだぜっ!」
レア◯◯モンをゲットしたかのように、素直に喜ぶミーア令嬢にシオンは囁きます。
「ミーアお嬢様、『次は』何を開発しましょうか?」
「そ、そうね。次のものが必要ね」
何も考えてなかったミーアは内心焦った。
家族や領民が次の発明品を待っていることに気付いていたからだ。
「どうしよう~?」
「そういえば、甘い食べ物が少ないことは知っていましたか?」
えっ?
そうなの?
「確かに記憶がないような?」
「砂糖は高いですからね。あと、パンも硬くてスープに浸さないと食べられませんよね?」
確かに!
個人的には米が食べたいけど、ないものは仕方がない。
でもフワフワなパンならすぐにでも食べられるようになるかも?
確か、イースト菌・・・は無いから、天然酵母かっ!?
「実はマヨネーズやケチャップを作っている時に試作していた時なんですが・・・」
メイドのシオンは水に浸けてある白っぽいカビみたいなブドウのビンを出した。
「放置して忘れていたのですが、何かに利用できますかね?ちなみにリンゴやいちごでも試してみました」
ミーアは震える手で指さして、それだーーー!!!!と叫んだ。
そしてまた急いで厨房へと走って行った。
「これで最低限の食事はマシになるかな?後は養蜂場の建設ね」
シオンはミーアの後に続いて厨房へと向かった。
「私の予想通りなら、これでフワフワなパンができるわ♪」
ブドウからできたレーズン酵母を混ぜて小麦粉をこねた。
「お嬢様、パンには寝かせるという工程があります。すぐに焼かないでください」
「えっ、そうだっけ?」
このポンコツお嬢様は!
「一時間ほど寝かせるとパン生地が膨らむのです。その後、形を整えてから焼くのですよ」
「さすがはシオンっ!助かるわ~♪」
「いえいえ、そんな白い腐った物を食べようとするミーアお嬢様には敵いませんわ」
・・・・それって褒めて無いよね?
ミーアはムキーと怒るがシオンはナチュラルにいなして時間が経つのを待つのだった。
そして、時間が経ってから形を整えて焼くと、現代の柔らかいパンができたのでした。
「美味しい!!!!」
「まさかこれほどの物が出来上がるとは」
まぁ、先に実験してできるのはわかっていたんですけどね。
珍しく無表情のシオンの口元が微笑んでいたのがわかった。
「ふふふっ、シオンちゃんよ。これだけじゃないんだぜ?」
「まだ何かあるのですか?」
はて?
何かあったかしら?
ってか、ちゃん付けはヤメロ。
「ジャジャジャーーン!!!!!」
シオンが出したのは『味噌』だった!
「まさか味噌ですか!?」
「おっ、知ってた?うちの領地で家畜の餌に大豆が生産されているのを知っていたから、酒蔵に行って塩麹を分けてもらったの。実家のおばーちゃんの家で作っていたから知っていたのよね」
「はて?ミーアお嬢様の実家はここで、お婆様は亡くなっておられますが?」
やばっ!?
「今のナシナシ!何でも無いから。あははははっ!!!」
まったくこのポンコツお嬢様は、良い意味で裏切ってくれましたね。
味噌は良い物です。長期保存も効きますし、少しお湯に加えるだけで、味わい深いスープになります。少し改良し、甘辛くして野菜スティックに掛けるも良し、様々な食材にかけるだけで味が変わります。最高か!
「流石はミーアお嬢様です。褒めてあげましょう。パチパチッ」
「・・・・何故に上から目線?それに口でパチパチって何よ!?」
「最上級の褒め言葉ですが?」
「そのお前、何言ってんだ?みたいに首を傾げるのはヤメロ」
「ふぅ~わがままなお嬢様ですわね」
やれやれと言ったポーズにミーアはまたムキーと怒ってシオンを追いかけるのだった。
まだまだ2人はお子ちゃまなのだ。
・
・
・
・
・
・
そして現在、ミーアは14歳になりました。これから貴族の学園に通う年齢です。
春からなので数ヶ月後には王都に行って学園の寮生活が始まります。それまでに領内の仕事に一息つける予定で動いているのです。
アレから養蜂場も作って試作して、軌道に乗りつつあった。
「巣箱に蜂が居着いてよかったわ」
「はい。大きな蜂に食い破られないよう網を張って侵入を防いだのがよかったかと」
この世界のハチミツは天然の巣を見つけて取るしかなく砂糖より高級品だった。それを養殖しようとする試みだったのだ。
ミーアは書類を確認しながら『執務室』でサインと印鑑を押していた。
その姿を見てシオンは涙を流した『ような』仕草で言いました。
「あのミーア様が真っ当になられて感無量です」
「無表情で淡々と言われても嬉しくないわよ!」
嘘泣きでハンカチを目元に当てて言ったシオンに、ミーアのツッコミが入る。
親指をグッとしてOKサインを出す。
「流石は私の相方です。ナイスツッコミ!」
「誰が相方よ!それに私はあなたの主人なんだから、もっと敬いなさいよっ!」
シオンは素早くスライディング土下座をして、ゆっくりと上半身を上げたり下げたりしてミーアを褒め称えた。
「はは~!我が主人は最高~!素敵~!さらに臨時ボーナス支給!ありがとうございま~す!」
「全然、感情のこもってない声で称えるな!それに、何をしれっとボーナスねだっているのよっ!」
肩ではぁはぁして疲れ切った顔をしたミーアにシオンは立ち上がるとミーアの後ろに回った。
「何よ?」
「お疲れのようですので、肩でも揉んであげようと?」
なぜ疑問系!!!?
てか、シオンのせいで疲れているんだけどね!
でもシオンのマッサージは最高なので、疲れを癒したミーアはそのまま夢の中へダイブするのでした。
そして、ドレイク子爵家は国から功績を認められ、陞爵して『侯爵』になることが決まったのでした。
「しかし伯爵位を通り越して一気に侯爵位ですか。敵が増えそうですね」
眠っているミーアの髪を撫でながら呟いた。
『この世界に転生した特典で頂いた『心眼』でミーアを守らなければ』
ミーアと同じく転生者であるシオンは転生特典で『心眼』という相手の思考を読めるというスキルを手に入れていた。簡単にいうと相手が何を考えているのか『ある程度』わかるというものだ。それを駆使して相手の行動を先読みして動くことでパーフェクトメイドを確立していたのだ。
例えば、ミーアが喉が渇いたと心の声を聞けば、お茶を用意するなどの気配りができると言った感じである。
さらに悪意ある者の考えを読んで事前に排除するなどといった手段が取れる。
こうして邪魔者を排除してドレイク領を発展させてきたのである。
メイドのシオンは転生したのは嬉しかったが、執事の娘に生まれたことを少し後悔していた。
我儘なお嬢様に仕えるのに抵抗があったというべきか。
ただ嬉しい誤算は仕えるべき主人も転生者だったこと。そして性格の悪い諸悪なヒロインではなかったことに感謝した。最初は余りのポンコツ性にガックリきたこともあったが、今ではこの『面白い』主人に仕えることに喜びを感じている自分がいる。美味しい料理を食べたいのはミーアよりシオンの方でもあったから、うまく誘導して新しい調味料の開発を優先したのも、今では良い思い出である。
「ミーアお嬢様、どこまでもお側に仕えていきますからね」
シオンはぐっすり眠っているミーアに唇を落とすのだった。
私はミーア・ドレイク子爵令嬢です。
現在14歳の私はすでにこの国では有名人なのです!(ドヤァ顔
それはどうしてかと言いますと、私が転生者だからです。聡明な読者の皆様は察していると思いますが、子供の頃から知識チートを使い、このドレイク領地を発展させてきたからです♪
ちなみに前世の私はJKで卒業間近の18歳でした。ただ何故死んだのか覚えてないんだよねー?
でも、新しい人生!楽しまなきゃ損じゃない!
ポジティブに行こうぜ!が、私のモットーだ!
そして問題なのが、この世界が乙女ゲーの世界なのか、ただのファンタジー異世界なのかわかんないのよ。
って、ことでわからん事を考えてもわからんので、取り敢えず、今の生活をより良い物にしようと頑張った次第です。エッヘン!
では!私が生まれたドレイク子爵の領地から説明しよう!
国は海に面している国で、南は海に、北は深い森と山脈が続いている未開の地。
もうお気付きですね?
そう、この未開の地に面しているのがドレイクの領地なのです!酷くない!ありえなくない!?
でも、珍しい薬草や木材など売ってドレイク家は貧乏でもなければ金持ちでもない。全てが普通。
家族構成は父、母、兄、私の四人ね。
貴族の子爵家だから使用人(メイド、執事)がそれなりにいてね。私の家に使える執事さんの子供が私と同い年で、私の話し相手としてメイド見習いとして専属で付けられたのが、シオンなんだ。
昔は無表情で可愛げのないメイドだと思っていたけど、今になって考えを改めました。
子供の時は無表情でも、14歳のメイドとなればクールビューティーのメイドに変身したのです!
ねぇ、萌えない!?
私はニコニコドジっ子メイドより、クールなパーフェクトメイドさんの方が萌えるのよ!
(;´Д`)ハァハァ
いかん、自分の性癖を語ってしまったわ。
こほん、では回想どうぞ~~
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あれは5歳の頃───
ようやく屋敷の中を歩き周り、この世界や領地の事を本で知った頃でした。
「ふむふむ、これは知識チートの出番ですな~」
よし!さっそく領地のリサーチです!
私は領地について調べまくった。
結果、よくわからん!!!!
これに尽きる。
たかだかJKが、にわか知識で改革なんかできるかっ!
しまったなぁ~
乙女ゲーとかはゲームやネット小説をよく読んだけど、異世界転生ものは知っている程度で、余り読んでなかったから詳しくないんだよね。
腕を組んでう~んと唸っているとメイドのシオンが声を掛けてきた。
「あら?お嬢様、何を悩んでいるんですか?」
「ちょっと改革のことでね~」
シオンは表情を変えずに言った。
「そういえば、お嬢様は歯も揃ってきたので、硬い物でも食べられるようになりましたよね?」
「うん、そうだけど?」
「そろそろ好物の食べ物でもできた頃ではないですか?」
好物な物か~
この世界の料理って味付けが塩とハーブぐらいで香辛料が少ないんだよね。だから味が大味っていうか似たり寄ったり・・・?
あっ!?
「そうだ!アレがあったわ!アレなら作り方がわかる!!!」
ミーアは急いで厨房へ向かった。
そして誰もいなくった部屋でシオンは呟くように言った。
「そうですお嬢様。この世界の味付けの種類が少ないので、まずは定番の『マヨネーズとケチャップ』を作って広めましょうか」
メイドのシオンは珍しく表情を出してニヤリッと不敵な笑みを浮かべるのでした。
それから、さりげなく助言を出してメイドのシオンはミーア令嬢を言葉巧みに誘導して言った。
『まったく。マヨネーズだけ考えて、ケチャップを忘れるなんてあり得ませんから。このポンコツ令嬢め』
まずは新しい調味料としてマヨネーズとケチャップを販売して爆売れしました。
「よし!これで軍資金ゲットだぜっ!」
レア◯◯モンをゲットしたかのように、素直に喜ぶミーア令嬢にシオンは囁きます。
「ミーアお嬢様、『次は』何を開発しましょうか?」
「そ、そうね。次のものが必要ね」
何も考えてなかったミーアは内心焦った。
家族や領民が次の発明品を待っていることに気付いていたからだ。
「どうしよう~?」
「そういえば、甘い食べ物が少ないことは知っていましたか?」
えっ?
そうなの?
「確かに記憶がないような?」
「砂糖は高いですからね。あと、パンも硬くてスープに浸さないと食べられませんよね?」
確かに!
個人的には米が食べたいけど、ないものは仕方がない。
でもフワフワなパンならすぐにでも食べられるようになるかも?
確か、イースト菌・・・は無いから、天然酵母かっ!?
「実はマヨネーズやケチャップを作っている時に試作していた時なんですが・・・」
メイドのシオンは水に浸けてある白っぽいカビみたいなブドウのビンを出した。
「放置して忘れていたのですが、何かに利用できますかね?ちなみにリンゴやいちごでも試してみました」
ミーアは震える手で指さして、それだーーー!!!!と叫んだ。
そしてまた急いで厨房へと走って行った。
「これで最低限の食事はマシになるかな?後は養蜂場の建設ね」
シオンはミーアの後に続いて厨房へと向かった。
「私の予想通りなら、これでフワフワなパンができるわ♪」
ブドウからできたレーズン酵母を混ぜて小麦粉をこねた。
「お嬢様、パンには寝かせるという工程があります。すぐに焼かないでください」
「えっ、そうだっけ?」
このポンコツお嬢様は!
「一時間ほど寝かせるとパン生地が膨らむのです。その後、形を整えてから焼くのですよ」
「さすがはシオンっ!助かるわ~♪」
「いえいえ、そんな白い腐った物を食べようとするミーアお嬢様には敵いませんわ」
・・・・それって褒めて無いよね?
ミーアはムキーと怒るがシオンはナチュラルにいなして時間が経つのを待つのだった。
そして、時間が経ってから形を整えて焼くと、現代の柔らかいパンができたのでした。
「美味しい!!!!」
「まさかこれほどの物が出来上がるとは」
まぁ、先に実験してできるのはわかっていたんですけどね。
珍しく無表情のシオンの口元が微笑んでいたのがわかった。
「ふふふっ、シオンちゃんよ。これだけじゃないんだぜ?」
「まだ何かあるのですか?」
はて?
何かあったかしら?
ってか、ちゃん付けはヤメロ。
「ジャジャジャーーン!!!!!」
シオンが出したのは『味噌』だった!
「まさか味噌ですか!?」
「おっ、知ってた?うちの領地で家畜の餌に大豆が生産されているのを知っていたから、酒蔵に行って塩麹を分けてもらったの。実家のおばーちゃんの家で作っていたから知っていたのよね」
「はて?ミーアお嬢様の実家はここで、お婆様は亡くなっておられますが?」
やばっ!?
「今のナシナシ!何でも無いから。あははははっ!!!」
まったくこのポンコツお嬢様は、良い意味で裏切ってくれましたね。
味噌は良い物です。長期保存も効きますし、少しお湯に加えるだけで、味わい深いスープになります。少し改良し、甘辛くして野菜スティックに掛けるも良し、様々な食材にかけるだけで味が変わります。最高か!
「流石はミーアお嬢様です。褒めてあげましょう。パチパチッ」
「・・・・何故に上から目線?それに口でパチパチって何よ!?」
「最上級の褒め言葉ですが?」
「そのお前、何言ってんだ?みたいに首を傾げるのはヤメロ」
「ふぅ~わがままなお嬢様ですわね」
やれやれと言ったポーズにミーアはまたムキーと怒ってシオンを追いかけるのだった。
まだまだ2人はお子ちゃまなのだ。
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そして現在、ミーアは14歳になりました。これから貴族の学園に通う年齢です。
春からなので数ヶ月後には王都に行って学園の寮生活が始まります。それまでに領内の仕事に一息つける予定で動いているのです。
アレから養蜂場も作って試作して、軌道に乗りつつあった。
「巣箱に蜂が居着いてよかったわ」
「はい。大きな蜂に食い破られないよう網を張って侵入を防いだのがよかったかと」
この世界のハチミツは天然の巣を見つけて取るしかなく砂糖より高級品だった。それを養殖しようとする試みだったのだ。
ミーアは書類を確認しながら『執務室』でサインと印鑑を押していた。
その姿を見てシオンは涙を流した『ような』仕草で言いました。
「あのミーア様が真っ当になられて感無量です」
「無表情で淡々と言われても嬉しくないわよ!」
嘘泣きでハンカチを目元に当てて言ったシオンに、ミーアのツッコミが入る。
親指をグッとしてOKサインを出す。
「流石は私の相方です。ナイスツッコミ!」
「誰が相方よ!それに私はあなたの主人なんだから、もっと敬いなさいよっ!」
シオンは素早くスライディング土下座をして、ゆっくりと上半身を上げたり下げたりしてミーアを褒め称えた。
「はは~!我が主人は最高~!素敵~!さらに臨時ボーナス支給!ありがとうございま~す!」
「全然、感情のこもってない声で称えるな!それに、何をしれっとボーナスねだっているのよっ!」
肩ではぁはぁして疲れ切った顔をしたミーアにシオンは立ち上がるとミーアの後ろに回った。
「何よ?」
「お疲れのようですので、肩でも揉んであげようと?」
なぜ疑問系!!!?
てか、シオンのせいで疲れているんだけどね!
でもシオンのマッサージは最高なので、疲れを癒したミーアはそのまま夢の中へダイブするのでした。
そして、ドレイク子爵家は国から功績を認められ、陞爵して『侯爵』になることが決まったのでした。
「しかし伯爵位を通り越して一気に侯爵位ですか。敵が増えそうですね」
眠っているミーアの髪を撫でながら呟いた。
『この世界に転生した特典で頂いた『心眼』でミーアを守らなければ』
ミーアと同じく転生者であるシオンは転生特典で『心眼』という相手の思考を読めるというスキルを手に入れていた。簡単にいうと相手が何を考えているのか『ある程度』わかるというものだ。それを駆使して相手の行動を先読みして動くことでパーフェクトメイドを確立していたのだ。
例えば、ミーアが喉が渇いたと心の声を聞けば、お茶を用意するなどの気配りができると言った感じである。
さらに悪意ある者の考えを読んで事前に排除するなどといった手段が取れる。
こうして邪魔者を排除してドレイク領を発展させてきたのである。
メイドのシオンは転生したのは嬉しかったが、執事の娘に生まれたことを少し後悔していた。
我儘なお嬢様に仕えるのに抵抗があったというべきか。
ただ嬉しい誤算は仕えるべき主人も転生者だったこと。そして性格の悪い諸悪なヒロインではなかったことに感謝した。最初は余りのポンコツ性にガックリきたこともあったが、今ではこの『面白い』主人に仕えることに喜びを感じている自分がいる。美味しい料理を食べたいのはミーアよりシオンの方でもあったから、うまく誘導して新しい調味料の開発を優先したのも、今では良い思い出である。
「ミーアお嬢様、どこまでもお側に仕えていきますからね」
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