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【番外編2】嵐との出会い
第14の嵐 辞令の裏に潜む黒幕
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何が起こっているんだ。
ディアラントに下された辞令を前に、おれの頭は大混乱に陥っていた。
だって、ディアラントは教師を目指すために、自分の力を念入りに隠していたではないか。
おれもジョーも、ディアラントの実力については他言していない。
軍に入ってからも、ディアラントの名が話題になったこともなかったはずなのに。
「僕もびっくりだよ。できる限り、集められる情報は集めてきたんだけど……なんか、きな臭いことになってるっぽい。」
ジョーの顔は険しい。
それで、おれもこの辞令が訳ありだと察する。
「どういうことだ?」
「全然情報が足りないんだけど……どうやら、はめられたっぽいんだ。」
「は、はめられたぁ!?」
「しっ!」
叫んだおれの口は、ジョーの手によって瞬時に塞がれる。
「誰が聞いてるか分からない。裏情報なんだ、これ。」
「………」
ジョーの言葉を聞き、おれもできるだけ呼吸を整えることに努める。
ここは、情報が生死すら別つ世界。
弱みを握って相手を蹴落とそうとする輩が、そこかしこにうようよとしている。
隙を見せた瞬間に足元をすくわれるのが常。
その貪欲な駆け引きの末に、宮殿を追い出された奴がこれまでに何人もいた。
「はめられたって、誰に?」
重要なのはここだ。
ドラゴン殲滅部隊といったら、国防軍の中でも左遷組のお払い箱だと有名な特攻部隊だ。
この国の至るところに眠っているとされるドラゴンが目覚めた時に、誰よりも真っ先に死地へ赴くことを強要される。
そんなところに飛ばされるなんて、ある意味退学よりも重い処罰だ。
「それなんだけど……絶対に声に出さないでね。」
極限にまでひそめた声で言い、ジョーはおれの手から携帯電話を取り上げる。
しばらく画面を叩いていたジョーは一つ息を飲み込み、ゆっくりとおれに携帯電話の画面を向けた。
真っ白なメール画面に、短い一文。
〈国防軍総督部〉
「―――っ!?」
にわかには信じ難い答えが、そこにあった。
国防軍総督部。
国防軍全体を束ねるトップ集団ではないか。
とはいえ、よくよく考えれば、これほどに納得できる相手もいない。
たかが学生一人に、ここまでむごい権力の暴力。
こんな横暴ができる連中はそうそういない。
「なんで……」
その一言を絞り出すので精一杯だった。
ジョーは首を横に振る。
「ごめん。そこまでは、まだ…。でも、実はこれだけじゃないんだ。」
この期に及んで何があるというのだ。
おれが険しく睨む中、ジョーは努めて冷静に言葉を続ける。
「この人たち、相当ディアラント君のことを潰したいみたい。ディアラント君がドラゴン殲滅部隊の隊長として宮殿にいるのにも、条件があるんだ。」
普段は感情を乱さないジョーの顔にも、隠しきれない嫌悪感が浮かんだ。
「国家民間合同親善大会での五年連続優勝。これが、ディアラント君に課せられた条件だ。」
「くそっ! あの馬鹿っ!!」
壁を殴りながら立ち上がったおれは、何も考えずに部屋を飛び出していた。
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