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第5章 精霊の王
穏やかな時間
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今日は、久しぶりに朝から穏やかな空気が流れている。
実はティーカップをソーサーに戻して、机の向かい側で楽しそうに話しているイルシュエーレを見た。
最近はお互いに気まずい雰囲気だったからか、こうして何気ない話をしているイルシュエーレを見るのが随分と久しい気がする。
「ねー、実ー。」
その時、一人の精霊が近付いてくる。
「これ、次はどうするの?」
そう言って彼女が持ってきたのは、自分の携帯電話だ。
液晶画面には、以前暇潰しにダウンロードしたパズルゲームが映っている。
「貸して。これは……ここをこうして、こうやって……さらにこうすれば、答えに近付く。」
精霊に画面が見えるように意識しながら、実は慣れた手つきでボタンを叩いた。
「あっ、なるほど! ありがとう。」
納得して嬉しげな精霊は、当然のように実の手から携帯電話をさらっていく。
それを複雑な気持ちで見つめながら、実は軽く息をついた。
昨日辺りから、精霊たちはゲームに夢中になっている。
元々操作は単純なゲームので、初めて携帯電話を触る精霊たちにもすぐに楽しめたのだろう。
今も、数人で頭を突き合わせて画面を見ながら、色々と話し合っているのが聞こえる。
さらにその周りでは、ゲームの順番待ちをしているらしい精霊たちやシャールルが、まだかまだかと飛び跳ねていた。
それも仕方ないことだろうと思い、実は苦笑する。
実際、自分とイルシュエーレがまた普通に接するようになって、一番安心しているのは精霊たちとシャールルだろう。
ああやってゲームに没頭できるのも、心配することがなくなって気が緩んだからだと思う。
「まったく……充電がなくなるまでだからね?」
そう言うに留めておくと、イルシュエーレがくすりと笑った。
「あの子たちも、やっと遊びたいように遊べるようになったのね。最近は、私たちに遠慮してたから。」
微笑ましそうに、精霊たちを見つめるイルシュエーレ。
やはり、考えていることはお互いに同じだったらしい。
「みんな、あなたが教えてくれることが珍しいのね、きっと。」
「まあ、確かにそうかも。」
実はやはり、笑うしかない。
ああいう光景を見ると、自然と心が和む。
実は優しげに口元を緩め、その光景を飽きることなく見ていた。
そんな中でふと感じた異変は、本当に些細だった気がする。
無意識ともいえる領域で異変を感じ取った実は、何気なくイルシュエーレへ視線を戻して、驚きのあまり呼吸につまった。
「イルシュ……それ…っ」
それ以上は、気道が塞がってしまったかのように言葉が続かなかった。
イルシュエーレの体が、仄かな青い光に包まれていたのだ。
「……来たわ。」
自分の両手を見つめ、ぽつりと独り言のように呟くイルシュエーレ。
「誰が…?」
問うと、イルシュエーレはその目に滅多に見せない苛烈な光を宿した。
普段は穏やかな彼女の魔力が、途端にピリピリと張り詰める。
それに圧倒される実とは対照的に、イルシュエーレは険しく冷ややかに眉を寄せた。
「一番の敵。」
実はティーカップをソーサーに戻して、机の向かい側で楽しそうに話しているイルシュエーレを見た。
最近はお互いに気まずい雰囲気だったからか、こうして何気ない話をしているイルシュエーレを見るのが随分と久しい気がする。
「ねー、実ー。」
その時、一人の精霊が近付いてくる。
「これ、次はどうするの?」
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液晶画面には、以前暇潰しにダウンロードしたパズルゲームが映っている。
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「あっ、なるほど! ありがとう。」
納得して嬉しげな精霊は、当然のように実の手から携帯電話をさらっていく。
それを複雑な気持ちで見つめながら、実は軽く息をついた。
昨日辺りから、精霊たちはゲームに夢中になっている。
元々操作は単純なゲームので、初めて携帯電話を触る精霊たちにもすぐに楽しめたのだろう。
今も、数人で頭を突き合わせて画面を見ながら、色々と話し合っているのが聞こえる。
さらにその周りでは、ゲームの順番待ちをしているらしい精霊たちやシャールルが、まだかまだかと飛び跳ねていた。
それも仕方ないことだろうと思い、実は苦笑する。
実際、自分とイルシュエーレがまた普通に接するようになって、一番安心しているのは精霊たちとシャールルだろう。
ああやってゲームに没頭できるのも、心配することがなくなって気が緩んだからだと思う。
「まったく……充電がなくなるまでだからね?」
そう言うに留めておくと、イルシュエーレがくすりと笑った。
「あの子たちも、やっと遊びたいように遊べるようになったのね。最近は、私たちに遠慮してたから。」
微笑ましそうに、精霊たちを見つめるイルシュエーレ。
やはり、考えていることはお互いに同じだったらしい。
「みんな、あなたが教えてくれることが珍しいのね、きっと。」
「まあ、確かにそうかも。」
実はやはり、笑うしかない。
ああいう光景を見ると、自然と心が和む。
実は優しげに口元を緩め、その光景を飽きることなく見ていた。
そんな中でふと感じた異変は、本当に些細だった気がする。
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「イルシュ……それ…っ」
それ以上は、気道が塞がってしまったかのように言葉が続かなかった。
イルシュエーレの体が、仄かな青い光に包まれていたのだ。
「……来たわ。」
自分の両手を見つめ、ぽつりと独り言のように呟くイルシュエーレ。
「誰が…?」
問うと、イルシュエーレはその目に滅多に見せない苛烈な光を宿した。
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それに圧倒される実とは対照的に、イルシュエーレは険しく冷ややかに眉を寄せた。
「一番の敵。」
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